Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 市川團十郎「慣れることなく、新しい気持ちで」 ぼたんと新之助と共に新橋演舞場にて『平家女護嶋』

市川團十郎「慣れることなく、新しい気持ちで」 ぼたんと新之助と共に新橋演舞場にて『平家女護嶋』

ステージ

インタビュー

ぴあ

『平家女護嶋 恩愛真絲央源平-SANEMORI PART II-』取材会より 左から)市川新之助、市川團十郎、市川ぼたん

続きを読む

フォトギャラリー(4件)

すべて見る

新橋演舞場にて、1月6日(土)から開幕する『平家女護嶋 恩愛真絲央源平-SANEMORI PART II-』に出演する市川團十郎が取材に応じた。同所での新春公演は、これで11度目。「年中行事のひとつではありますが、慣れることなく、新しい気持ちで、舞台に立つという決意をする(1年の)最初の舞台なので、大事に舞台に向かいたい」と意気込みを語った。

本作は、上演回数の多い「鬼界ヶ島の場」(『俊寛』)に、『平家女護嶋』という外題のもととなっているものの、なかなか上演されることのない「朱雀御所の場」を加え、新たな解釈や視点で、近松門左衛門が全五段の人形浄瑠璃で描こうとした、平家全盛の世に源氏再興を願った人々の熱い生き様に迫る。團十郎が俊寛、実盛、常盤御前の3役を勤め、市川ぼたんは実盛の娘・ひな鶴、市川新之助は常盤御前の息子・牛若丸(のちの源義経)を演じる。

演出を手がける石川耕士氏からの提案で上演が決まり「コロナ禍や襲名披露もあり、なかなかできずにいたが、これ以上(ぼたんと新之助が)大きくなると、親子のバランス的にもできなくなるので、このタイミングになった」と説明。家族が題材の物語になっており「古典の部分も、新しい挑戦もある演目。きっと皆さんの心に残るような演目になる」とアピールした。

取材にも同席したぼたんと新之助に対しては、「怪我なく終わってほしい」と視線を注ぎ、「とってもすくすくと、のびのびと、成長していると思う。ぼたんは、周りに気を使いながら、自分を見つめ、行きたい方向に向かうような人になっているし、せがれも気は使いつつ、それを表に出さず、大らかにいる。精神年齢は、私が一番幼い(笑)」と目を細めた。

ぼたんは「セリフを覚えるのは、早くできたが、それからが大変でした」と稽古での苦労を回想。一方、新之助は、お気に入りのセリフを問われると「ないです!」と即答し、マイペースぶりを発揮。それでも「緊張はしますね、立ち回りもあります」と背筋を伸ばしていた。

また、團十郎は元日に発生した能登半島地震について「心からお見舞い申し上げます」。北陸は旅巡業で頻繁に訪問した土地であり、12代目團十郎との縁も深い場所だけに、「今、自分に何ができるのか。仲間たちと話しながら、やれることを模索している」と話していた。取材当日の1月5日には、公私ともに親交の深かった写真家・篠山紀信氏の訃報も届き、「新之助時代、海老蔵時代、一番多く撮ってくださったのが巨匠(篠山氏)だった。とてもかわいがってくださったし、感謝しきれない。この2~3年は体調がお悪かったが、エネルギーのかたまりだった姿はすごかった」と哀悼の意を示した。

取材・文・撮影:内田涼

<公演情報>
『平家女護嶋 恩愛真絲央源平-SANEMORI PART II-』

近松門左衛門 歿後三百年
近松門左衛門 作
石川耕士 補綴・演出
藤間勘十郎 演出・振付

出演:
市川團十郎
市川ぼたん
市川新之助
※昼夜同一狂言

2024年1月6日(土)~1月25日(木)
※11日(木)・18日(木) 休演
会場:東京・新橋演舞場

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2347355

公式サイト:
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/play/848

フォトギャラリー(4件)

すべて見る