尾上菊五郎、息子と孫との競演に笑顔! 孫へのお年玉は「大変!」 「初春歌舞伎公演」開幕
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インタビュー
国立劇場令和6年初春歌舞伎公演囲み取材より
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すべて見る尾上菊五郎、菊之助、中村時蔵らが出演する「令和6年初春歌舞伎公演」が国立劇場の建て替えに伴う閉場のため、ところ変わって東京・初台の新国立劇場にて1月5日(金)に開幕。初日の終演後に菊五郎、時蔵、菊之助、丑之助、眞秀らが報道陣の取材に応じた。
まず菊五郎は、いまなお救助活動が続く能登半島地震に触れ「春早々、大きな地震があり、私どもはよく北陸地方にお招きいただき興行いたしますが……。亡くなられた方には心よりご冥福を申し上げます。一日も早くまた風光明媚な能登地方になっていただきたく、それにはみなさま、頑張り過ぎないように頑張って、私どもも及ばずながら、応援いたしますので、どうかみなさま、気を落とさずに復旧に臨んでいただきたいと思います」と見舞いの言葉を口にした。
今回、初めての新国立劇場での初春公演となるが、慣れ親しんだ国立劇場から新国立劇場に移っての感想を尋ねると菊五郎は「あっち(国立劇場)は何しろつくりが古いんで、楽屋が使いにくいんですけど、こっちはいいですよ」とニッコリ。
「勢獅子門出初台(きおいじしかどでのはつだい)」では、息子の菊之助、孫の丑之助、眞秀と一緒ににぎやかな舞を披露しているが、三世代での競演に菊五郎は「嬉しいですねぇ、こうやって孫たちが元気で踊ってくれているのが。『負けちゃいられない』と思っています」と笑顔で力強く語る。孫たちへのお年玉について尋ねられると「みんなやりとりして大変!」と苦笑を浮かべつつも嬉しそう。丑之助、眞秀はお年玉の使い道について「いまは保管してます」(丑之助)、「貯金します」(眞秀)と手堅いコメントで、場は和やかな笑いに包まれた。
新たな年を迎え、菊五郎は「少しでも舞台に出たい。腰を痛めちゃっているんですけど、何とか役を探して潜り込もうと思っています」と意欲をのぞかせ、菊之助は「辰年ですのでね。一座勢ぞろいで勢獅子のようにスタートが切れたと思うので、父や時蔵の兄さんに教えをいただきながら、前に進んでいきたいと思っております」と語った。
雑誌「演劇界」(2022年4月号で休刊)の表紙の写真を長く手がけるなど、歌舞伎の世界にも関わりの深かった写真家の篠山紀信が83歳で亡くなったが、菊五郎は「いろいろと撮っていただきました。楽しい方だったので残念です」と語り、菊之助も「大変お世話になりました。楽屋にも来ていただいて、化粧のところを撮っていただいたりもしました。非常に丁寧に接してくださって、『演劇界』の表紙に出た方はみなさん、大変お世話になったので、ご冥福をお祈りしたいと思います」と故人を偲んだ。
「初春歌舞伎公演」の演目は『勢獅子門出初台』のほか、『梶原平三誉石切 鶴ヶ岡八幡社頭の場』、『芦屋道満大内鑑 -葛の葉-』。1月27日(土)まで新国立劇場中劇場にて上演中。
取材・文・撮影:黒豆直樹
<公演情報>
「初春歌舞伎公演」
『梶原平三誉石切』一幕
鶴ヶ岡八幡社頭の場
出演:
梶原平三景時:尾上菊之助
大庭三郎景親:坂東彦三郎
六郎太夫娘梢:中村梅枝
俣野五郎景久:中村萬太郎
梶原方大名:市村竹松
梶原方大名:市村光
青貝師六郎太夫:嵐橘三郎
囚人剣菱吞助:片岡亀蔵
ほか
『芦屋道満大内鑑』一幕三場
-葛の葉-
出演:
女房葛の葉/葛の葉姫:中村梅枝
信田庄司:河原崎権十郎
庄司妻柵:市村萬次郎
安倍保名:中村時蔵
ほか
『勢獅子門出初台』常磐津連中
出演:
鳶頭 音羽の菊五郎:尾上菊五郎
鳶頭 鶴吉:尾上菊之助
鳶頭亀吉:坂東彦三郎
芸者 お梅:中村梅枝
鳶頭 萬吉:中村萬太郎
手古舞 おゆう/若い者 勇吉:坂東亀三郎
手古舞 おふみ/若い者 文吉:尾上丑之助
手古舞 おひで/若い者 新吉:尾上眞秀
手古舞 おせい/若い者 清吉:小川大晴
世話人 松島屋亀蔵:片岡亀蔵
世話人 山崎屋権十郎:河原崎権十郎
芸者 お橘:市村萬次郎
芸者 お時:中村時蔵
ほか
2024年1月5日(金)~2024年1月27日(土)
13:00開演、16:55終演予定
会場:東京・新国立劇場中劇場
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2344861
公式サイト:
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2023/6171.html
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