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古谷大和と田口涼が挑む、カジュアルな『オセロー』とは

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Casual Meets Shakespeare『OTHELLO SC』

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ウィリアム・シェイクスピアの作品を“普段着で楽しめる演劇”として現在の日本に合わせてチューンナップする、Casual Meets Shakespeareシリーズ。今回は脚色・演出の松崎史也が、シェイクスピア4大悲劇のひとつ『オセロー』を S(シリアス)とC(コメディ)の2バージョンにアレンジする。主人公であるムーア人の将軍・オセローを両バージョンで演じる古谷大和、 Sチームでオセローを破滅に導くイアーゴーを演じる田口涼に、作品の魅力や公演への思いを聞いた。

――ご自分の役柄をどう捉えていますか。

古谷 物語の軸としては、オセローは愛するデズデモウナが浮気をしているという嘘をイアーゴーに吹き込まれて、嫉妬に飲み込まれてしまいます。でも、ただイアーゴーに振り回されただけになってしまわないように、そこにある機微をしっかり汲み取って演じようと思っています。

田口 大和のオセローは芯があって、「すごい」の一言ですね。僕はイアーゴーとしてオセローを追い詰めますけど、それは彼に優る部分が1か所でもなければ無理。だから大和がどんな芝居をしてきてもどこかで勝てるように意識しますが、素晴らしいお芝居をしてくれるので……大変です(苦笑)。

――イアーゴーという人物については?

田口 悪役ではありますけど、彼なりの行動理念があるし、オセローのことを好きすぎる故にこうなった部分もある。単なるかっこいい悪役で終わらせずイアーゴーの良さ、魅力をどうやって引き出すか、考えながら演じています。

古谷 これまで何度も共演しているけど、涼くん自身の知的な部分がうまく役に載って、これまで見たことのない芝居をしています。涼くんという役者は元々好きだったけど、今回もっと好きになりました。

田口 大和にそう言ってもらえて嬉しい(照笑)。一緒に芝居できることがとても楽しいし、嬉しいし、稽古を通してどんどん内容を濃く、クオリティーを上げていけると思います。

――今回はS・Cの2バージョンがありますね。

古谷 僕は両方に出ますが、イアーゴーを演じる人が変わればオセローの振り回され方も変わる。相手の投げたものをしっかり受け止めてそれに返していけば、必然的に芝居も変わってきます。役者それぞれが自分の魅力をフルパワーで出してくれるので、それを信じてどちらのバージョンも創っていきたいですね。

――ちなみに、思い入れの強いシーンやセリフはどこでしょうか。

古谷 印象的なのは、当事者が自分自身のこととはわからずに発しているセリフ。オセローは「言葉など信じても無意味だ」って、イアーゴーの言葉を信じているのに言うんですよ。シリアスに演じていても滑稽に見えて面白い。美しい言葉を羅列するところも、シェイクスピアならではの面白さですね。

田口 イアーゴーは、いろいろなことをやるのに「ほとんど何もしてないに等しい」って言うんですよ。たぶん本当にそう思っているんでしょうね。ずっとこの言葉に向き合って、どう言うべきなのか考えています。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

田口 お互いを高め合えるダブルキャストでこの作品を素敵なものにして、より多くの方に作品の素晴らしさを届けたい。ぜひ観ていただいて、感じたことを SNSで伝えてもらえたらと思います。

古谷 気軽にシェイクスピアにふれられる、たくさんの方に楽しんでもらえる作品を創れていると自負していますので、ぜひ劇場に足をお運びください。素敵な物語とともにお待ちしております!

 Sから観るか、Cから観るか、ダブルの楽しさを味わいたい公演は1月18日(木)~28日(日)、新宿シアターサンモールにて。

取材・文:金井まゆみ

<公演情報>
Casual Meets Shakespeare『OTHELLO SC』

公演期間:2024年1月18日(木)~28日(日)
会場:シアターサンモール
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/casual-meets-shakespeare