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EXILE HIRO「ボーダーを越えたコラボレーションの場に」 「EXPG STUDIO」LA校がオープン

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 LDHが手がける総合エンタテインメントスクール「EXPG STUDIO」LA校が、現地時間1月18日(日本時間19日)にグランドオープンしたことを受けて、EXILE HIRO、EXILE MAKIDAI、今市隆二(三代目J SOUL BROTHERS)が同スタジオを訪れた。「EXPG STUDIO」は2003年に開校した東京校を皮切りに、現在では国内に12校を展開。全国に約6,000名の生徒がおり、これまでに、GENERATIONSやE-girls、劇団EXILEなど、多くのアーティストや俳優を輩出している。国外では台北校、NY校に続く3校目となる。

 着工から1年9ヵ月を費やし、満を持して開校を迎えたこの日、「EXPG STUDIO」LA校には多くの現地インストラクターや関係スタッフが集結。ジャスティン・ビーバーなどの振り付けで知られ、同校のチーフクリエイティブオフィサーに就任したショーン・エバリストや、ジューク/フットワークの大御所であるキング・チャールズなど、大物ダンサーやクリエイターも訪れて、まだ新築の香りが漂うスタジオは華やかな雰囲気に包まれている。

 ハリウッドの中心街から約1.5キロ、ハリウッド大通りを車で5分ほどの立地に位置する同校は、Futura 2000によるグラフィティアートが目を引き、ストリートカルチャーに敏感な現地の人々の間で早くも話題となっているという。レッスンのコースは、ダンスクラス、ボーカルクラス、アクティングクラスの3つで、前述したショーン・エバリストのほか、ブルーノ・マーズやビヨンセなどのサウンドプロデュースチーム「1500 or Nothin’」のメンバーであるローレンス・ポップス・ドプソン、「パールマン・アクティング・アカデミー」のジョセフ・パールマンなど、トップクリエイターが指導する。1100平米の敷地に、50名を収容できるダンスや演技のレッスンスタジオを2つと、ボーカルレッスン専用のスタジオを2つ完備。さらに、最新の機材が整ったアーティスト専用のレコーディングスタジオ「PKCZ STUDIO」、LDHのオリジナルファッションブランドである「24karats」のギャラリーも併設され、この場所からカルチャーそのものを発信していこうとする姿勢が感じられる。

 90年代から日本のダンスシーンを牽引し、後進の育成に力を注いできたEXILE HIROは、LAにスタジオを設立した狙いについて、「海外の素晴らしいクリエイターやアーティストとともに、エンタテインメントやビジネスを共に行う機会を増加していきたい。ローカルのスターを発掘したり、LDH所属のアーティストがLAで修行をする場としてはもちろん、ボーダーを越えたコラボレーションの場として、人と人との繋がりありきのエンタテインメントを生み出せれば。現地の方々は日本人特有の謙虚さや感覚をリスペクトしてくれるので、我々もLAの方々に対するリスペクトを示しながら、LDHの信念を発信していきたい」と語る。いずれは、LDH所属アーティスト以外にも門戸を開き、国内の様々なアーティストが海外展開を目指す際の拠点としても活用していく予定だという。

 ダンススタジオとレコーディングスタジオが併設された施設は、世界的に見ても珍しいものであり、ダンサー、シンガー、トラックメイカーがその場で共同作業を行うことができるのは大きなメリットだろう。多国籍のメンバーによるコラボレーションを行うには、まさにうってつけである。前日から「PKCZ STUDIO」で作業をしていたMAKIDAIは「レコーディングスタジオは設備も素晴らしいけれど、何よりもここで新たなセッションが生まれることが最大のポイント。スタジオができたことで、国境を越えたコラボレーションが現実的になってきた」と期待に胸を膨らませる。

 LDH所属アーティストにとっても、同スタジオのオープンは良い刺激となっているようだ。今市隆二は、「三年前くらいからたびたびLAを訪れて、ファー・イースト・ムーヴメントやブライアン・マックナイトといったアーティストとセッションを行ってきた。こうして拠点ができたことで、さらに可能性は広がるはず。ローカルのアーティストたちも、集う場所ができたと盛り上がっている。モチベーションが高まった」と、やる気を見せた。

 オープン前日には、「EXPG STUDIO」の立役者であるEXILE AKIRAと小林直己からも話を聞くことができた。AKIRAは、「2003年にEXPGの立ち上げメンバーとして携わってから16年の時を経て、ようやくLAにまで広がったというのは感慨深い。こういう形でダンスに貢献するのが、アメリカのシーンに学んできた僕らならではの恩返し」と笑顔を見せ、小林直己は、「EXPGは新人育成の場としても機能してきた。SAYAKA(E-girls)や小森隼(GENERATIONS)は子供の頃からダンスを教えてきて、今はLDHの原動力になっている」と、同スタジオが次世代のスターを育てる場となることに期待をかける。俳優としてハリウッドでの活躍を目指す二人にとっても、同スタジオは学びの場であり、現地のアクティングコーチから指導を受けているとのことだ。

 同スタジオは登録制で、すでに多くの登録者がいるという。アメリカからの新人発掘、育成を掲げるショーン・エバリストは、「EXPGから、THE RAMPAGEのような若手のアーティストが生まれるのを何度も見てきた。アメリカの良いところとLDHの良いところを掛け合わせて、新しい人材を育てていきたい。いずれはEXILEのように、ダンサーがただのバックダンサーではなく、一人のアーティストとして認められるような環境を、アメリカにも作り上げたい」と、現地のダンサーたちにとっての次なるビジョンも見据えている。

 ニューヨークで開催しているストリートダンスのイベント『HOUSE OF EXILE』や、毎年ロサンゼルスで行われる北米最大規模の日本アニメ・コンベンション『Anime Expo 2018』で開催した『OTAQUEST LIVE』など、着々とアメリカでの展開を進めてきたLDH。近年はアジア発のカルチャーが世界的に大きな注目を集めており、LDHにも追い風が吹いているのかもしれない。EXILE HIROは、「海外のクリエイターやアーティストと接すれば接するほど、今はアジア人に大きな期待が寄せられていると感じる。中国をはじめとしたアジアの“Z世代”と呼ばれる若者の人口は本当に多くて、これからのユースカルチャーは、巨大なマーケットを形成している彼らの購買意欲やセンスが牽引していくと言われている。日本は若者人口が減少しているけれど、アジアの先進国として成熟したカルチャーがあるので、世界に打って出るには大きなチャンスだと感じている。実際、日本や東京は、ブランドとしての価値が高まっている」と、将来への期待を述べた。

 同スタジオでは、日本からの留学コースも用意しており、すでに応募者数は定員に達しているという。LDHのエンタテインメントの発信基地として、グローバルな展開が予感される同スタジオ。近い将来、世界中のアーティストやダンサーにとっての聖地となっている可能性もありそうだ。

(取材・文=松田広宣)