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錦戸亮の過去が物語の鍵に? 『トレース~科捜研の男~』“嫌われ役”船越英一郎との関係性に変化も

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リアルサウンド

 錦戸亮が主演を務める『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)が、1月21日に第3話を迎えた。『トレース』のメインキャラは真野礼二(錦戸亮)、沢口ノンナ(新木優子)、虎丸良平(船越英一郎)の3人。第2話では沢口がフィーチャーされた回であったが、第3話では虎丸にスポットが当たる。

参考:<a href=”https://www.realsound.jp/movie/2019/01/post-305622.html”>『トレース~科捜研の男~』錦戸亮の心の扉を開くのは新木優子? 月9連投で新たな挑戦へ</a>

 早口で捲し立て、怒号を飛ばす虎丸は、物語の中でも浮いた存在である。警視庁のベテラン刑事である虎丸は科捜研の真野、沢口らといつも言い争いをしてばかり。第3話においても、事件の概要に自身の主観を入れ込む虎丸に真野が「主観は聞いていない。客観的な事件概要を」と口論する場面がある。「俺の勘だ」が口癖の虎丸に対して、「鑑定結果こそ真実だ」と断言する真野が打ち解けるのは当分先のことになるだろう。

 そんな2人が第3話にて、一瞬シンクロする場面がある。虎丸の先輩刑事・鶴見茂(大地康雄)が、事件の証拠を隠滅したことに真野が「あなたそれでも……」と叱責しようとするところに、虎丸が「刑事には絶対にやっちゃいけないことがあるんだよ! バカにするのもいい加減にしろ」と被せて、鶴見を咎める。捜査に関しての考え方は正反対ではあるが、人としての道徳についての情熱は同じ。世話になった先輩への思いの分だけ、虎丸が上回った形だろう。

 今回のストーリーでは、鶴見の「息子さんそろそろ成人だろ?」という一言から虎丸の家族についても明かされることとなる。口ばかりで家にも帰らず、息子の大学合格も祝えなかった虎丸は、5年前に妻と離婚。言い合いの末に、息子と共に出て行かれ、それ以来一度も家族と会えてはいない。第3話の事件の真相は、喧嘩してばかりの両親の離婚を止めるために、幼い少女が嘘の自殺の練習をしたことによる、“不慮の事故”だった。その事件の真相を両親に伝えるのは、虎丸の役目だ。失ったあとに気づく大切な存在……。虎丸は、自身の境遇と重なる事件の真相を、ゆっくりと真摯に話していく。「娘さんはご両親が仲直りするのを願っていました」というセリフは、きっと過去の自分自身にも言い聞かせる一言だったに違いない。

 虎丸を演じる船越英一郎は、フジテレビがYouTubeに公開しているインタビュー動画にて、虎丸の細かなキャラ設定を語っている。定年間近の刑事で、叩き上げで警視庁まで上り詰めるも、もう出世もないと、自分の未来がしっかりと見えた人物。キャリアを積み上げてきた哀愁漂う、影を背負う刑事だ。船越と言えば、“サスペンスの帝王”と呼ばれるほどに、刑事役を自分のフィールドとして、生業にしてきた役者。月9ドラマ初出演ということもあり、船越は新たな刑事ドラマ、新しい次元を見せていくことを意気込んでいる。

 本作が「新たな刑事ドラマ」になる上で鍵を握るのが、毎話少しづつ描かれている真野の過去だ。公式設定にも虎丸が「真野の過去に何かがあることに気づき、興味を持つようになる」とあり、これから彼らの関係性が変化していくことが伺える。また、SNSを中心に船越の目立った演技に物議を呼んでいることに、監督の松山博昭氏は「狙い通り」とインタビューで明かしており、「真野と虎丸のラブストーリーにしたかったんです」という驚きの展開にも触れている(参照:https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/01/21/kiji/20190120s00041000510000c.html)。虎丸の可愛らしさも見えてくるという今後の『トレース』。サスペンスの帝王・船越が、どのような新境地を見せてくれるのか。 (文=渡辺彰浩)