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reGretGirl、2024年一発目の全国ツアーを千葉LOOKからスタート「ツアー初日がここで良かった」【ライブレポート】

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『reGretGirl presents 忘れたくないワンマンツアー“World with you”』1月11日 千葉LOOK 写真:宇都宮

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※ツアーの内容について一部セットリストの記載がありますので、公演を楽しみにされている方はお気をつけください。

reGretGirlが最新EP『告白e.p.』のリリースに伴う2024年一発目のツアー『reGretGirl presents 忘れたくないワンマンツアー“World with you”』を1月11日、千葉・LOOKでスタートさせた。

これまでもEPではコンセプチュアルな作品を作ってきた彼らが新作で提示したのはタイトル通り、様々な場面での“告白”。未だ未練に似た気持ちを思い出す初恋や、友達以上恋人未満の関係である大事な女友達の結婚という節目など、いずれもソングライター平部雅洋(Vo/Gt)のリアルな心情が反映されている。

昨年末は『COUNTDOWN JAPAN』や『RADIO CRAZY』のメインステージに躍進するなど、今回のツアーで、よりライブバンドの存在感を強いものにすることも間違いない。以下、初日ということで詳述を避けてレポートをお届けする。

年が明けてから、真冬らしさを増した関東地方。バンド好きのメッカと言える千葉・LOOKの壁面に貼られたポスターはreGretGirlのそれはもちろん、他のライブバンドたちの“面構え”にもテンションが上昇。250人程度のキャパシティ、老舗ライブハウスのD.I.Y感など何もかもがここからツアーをスタートさせたいバンドが多いことを自ずと理解させてくれる。

自分の街にこんなハコがあったら最高だ。集まったファンは10代後半から20代前半の男女がほぼ半々で、コロナ禍の最中にライブへの渇望感を高めた新しい世代が多いことを気づかせる。学校帰りの制服の女子高生も、今買ったばかりの新しいツアーTシャツを着た男女グループもステージに向けて輝く視線を贈る。自分の表情がメンバーにダイレクトに届く近さに誰もが笑顔だ。

サポートメンバーとともに5人のフル編成で登場し、『告白e.p.』からの選曲でスタートしたが、なかなか意外な始まりであるとだけ言っておこう。情景が立ち上がる丁寧なアンサンブル、平部のファルセットや十九川宗裕(Ba)のコーラスも表現力を増している。何より新曲へのフロアのリアクションが熱い。

その後は恋愛の切なさや失恋の苦味を歌った人気曲が織り交ぜられたセットリストで進行していくのだが、このキャパシティに集まったファンにとって、それらは自分のテーマソングでもあるのだろう。ただ盛り上がっているというより、大好きな曲で腹の中にある何かを吐き出している。歌い出しで曲がわかり、嬉しさで絶叫する男子がいることからも、reGretGirlのライブの性質が窺い知れる。

「改めまして、reGretGirl忘れたくないワンマンツアー“World with you”、僕らの世界見せますんで、みんなの世界も見せてくださいね。あんまり馴染みない曲も楽しんで」と、MCをラップのフロウに乗せる平部。そこにかぶさるように前田将司(Ds)のキック&スネアでハードドライヴィングな「ギブとテイク」が始まると、さらに太くなったグルーヴに思わずニヤけてしまう。

エンディングからノンストップで「after」とタイトルコールし、勢いよく8ビートに突入していくスピード感のある展開が心地よい。サビ前に「一緒に行ける?」と平部が声をかけると、大きなシンガロングが起きた。さらに「大事なことを言います。好きにしたらいいんですけど、都合のいい男とか都合のいい女にならないでください」と言う平部のMCに、フロアから大きな同意の声。平部の曲振りはライブの流れをスムーズにする役割と演奏への期待を高める見事な装置だ。「都合のいい相手になるな」と言いつつ、そうなってしまう気持ちや状況がわかりすぎる「インスタント」に込められた作り手の本音が共有されていく。

バンドもファンも高い集中力でスピーディな展開を楽しむ中、「せっかくサポートギタリストおるし」と、平部がハンドマイクでパフォーマンスする曲が続き、「今から千葉LOOKにいるみんなの自己肯定感が爆上がりする曲を」と、女子が頻発するワード満載のポップチューン「KAWAII」でコミカルに盛り上げる。

「イエベとかブルベとかはわからねえけど、俺はヒラべだ気にすんな」とか「まつ毛が上がったのも見逃さないから」とか、女子のツボを突いてくるけれど、だからこそ「可愛いだけじゃ好きにならないぜ。でも好きだから可愛いがとまらない」というラインの信ぴょう性も急上昇する。

冒頭、「馴染みのない曲も」と発言していた伏線回収でもあるライブでは約3年ぶりに披露された楽曲が中盤以降のバラードのセクションを鮮明に印象付ける。年齢の分だけ未練も思い出の色も濃いこの曲に、フロアも真剣に聴き入っていた。

セットリストの前半は鍵盤がオルガンだったのに比べ、バラードではエレピのサウンドがスケール感を増幅しているのも効果的。さらにバラードを続け、「ここには君はくるのでしょうか」という曲振りから、新しい季節に取り残されるような切なさが溢れる「スプリング」へと繋ぐ。まだ遠い春を朧げに想像させる繊細なアンサンブルも切なさを加速させた。

オーディエンスの表情を見て、平部は「幸せやね」と思わず口にしたが、すぐさま「reGretGirlに出会ってくれたってことはどこかでこじらせたんやと思うけど」と笑いを誘い、「傷ついた心とずっと一緒におれたらいいなと思います。ツアー初日がここで良かった。まだまだ行けますか?」と、再び加速していく。

終盤には『告白e.p.』の中でも、長いスパンの物語が結婚式というある日を頂点に描かれた「月の夜」がツアー初披露。恋愛の成就とも別れとも違う、大事な人への想いが演奏からも存分に溢れ、早くもバンドにとって重要な1曲になった感も。逆に修復不可能な恋におかしくなりそうなreGretGirl節を決定づけた初期ナンバー「ホワイトアウト」との対比も生まれていた。

『告白e.p.』からの選曲に加えて、5人編成のライブアレンジがより自然に曲の良さを引き出していたことで、新旧の楽曲で作るセットリストの説得力がパワーアップ。熱量だけじゃない完成度の高さをぜひ、あなたの街のライブハウスで体感してほしい。そして16公演の最終地点、Zepp Divercity公演でどこまで化けているか?伸びしろしかないツアーである。

文:石角友香 写真:宇都宮

<ツアー情報>
『reGretGirl presents 忘れたくないワンマンツアー “World with you”』

※終了公演は割愛
1月20日(土) 新潟NEXS
1月21日(日) 長野CLUB JUNK BOX
2月4日(日) 清水SOUND SHOWER ARK
2月10日(土) 熊本 Be-9 V1
2月12日(月・祝) 福岡DRUM LOGOS
2月17日(土) 高松オリーブホール
3月1日(金) 広島LIVE VANQUISH
3月3日(日) Zepp Osaka Bayside
3月5日(火) Zepp Nagoya
3月9日(土) 岡山YEBISU YA PRO
3月10日(日) 金沢EIGHT HALL
3月15日(金) 仙台Rensa
3月17日(日) 札幌PENNY LANE 24
3月26日(火) Zepp DiverCity TOKYO

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/regretgirl-wwy/

公式サイト:
https://www.regretgirl.com/

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