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『カラーパープル』はなぜ、40年の時を経てスクリーンによみがえるのか?

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2月9日(金) に公開される『カラーパープル』 (C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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1985年の12月にアメリカでスティーブン・スピルバーグ監督作品『カラーパープル』が公開された。そして約40年の時を経て再び、スクリーンに『カラーパープル』が登場する。本作はなぜ、このタイミングで新たな命を吹き込まれたのだろうか?

本作は20世紀の初頭から中頃にかけて、アメリカで生きたひとりの女性セリーの激動の人生を描く感動作だ。幼い頃から父の虐待を受け、理不尽な環境に置かれてきた彼女は、父の一存で望まない相手と結婚させられる。毎日続く、暴力と恐怖の日々。しかし、彼女は自分から声をあげることができない。どんな酷い仕打ちを受けても、反抗したり、逃げ出す術を知らない。

そんなセリーは長い時間をかけて変化を遂げていく。ひとりの女性の成長を描いた物語は、アメリカにおける黒人の扱い、家庭内における女性の立場、そしてさまざまな“試練”を与える神と祈ることしかできない人間の関係などを巧みに描いている。

本作の製作を務めたオプラ・ウィンフリーは、スピルバーグに再映画化を打診して快諾された理由を「女性たちが声をあげている今が、その時だと彼は悟ったのです」と分析する。

1985年に最初の映画が公開されてから、社会は完全ではないが大きく変化した。社会の中で暴力や差別にさらされ、声をあげられなかった女性たちは少しずつではあるが声をあげはじめている。その声に耳を傾け、社会を変えようとする動きが始まりつつある。理不尽な差別に目を向けようとする人たちが増えつつある。

ついに変化が始まろうとしている。理不尽なことは変えなければならない。このタイミングで『カラーパープル』が再びスクリーンに登場することの意味は大きい。

2月9日(金)に公開される『カラーパープル』

本作の原作になったアリス・ウォーカーの小説は全米図書賞とピューリッツァー賞に輝き、いまも版を重ね続けている。そしてスピルバーグが監督した1985年の映画も現在も多くのファンを集めており、この物語に影響を受けた作家、映画監督、音楽家は多い。

本作の監督を手がけたブリッツ・バザウーレは「スピルバーグ監督の『カラーパープル』は、カルチャーの礎のひとつになりました。あの作品の台詞が今もなお引用されていることが、どれほど重要な作品だったかを示していると思います」と語る。

この物語はドラマとして素晴らしいだけでなく、観客の心に触れるような魅力がある。観る者の中に眠っていたパワーを呼び覚ますような力があるのかもしれない。

この40年間、多くの人がこの物語に影響を受けてきた。そして今後も映画『カラーパープル』は多くの新しい観客に出会い、影響を与え続けることになるだろう。

映画『カラーパープル』本予告 2024年2月9日(金) 公開

『カラーパープル』

2月9日(金) 公開

(C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.