愛する人が生き返ったら。北欧の新鋭女性監督が送るユニークなホラー【サンダンス映画祭レポート】
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『Handling the Undead(英題)』 (C)Sundance Institute
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愛する人を失った、3つの別々の家族。突然の事故で妻が死んだと知らされた夫はどうしようもない悲しみに浸り、まだ幼い息子を亡くした母は、絶望のあまり自殺を試みる。そんな時、街にちょっとした異変が起こった。そして、死んだはずの彼らが息を吹き返したのだ。
生き返ったとはいえ、昔と同じではない。反応はそれぞれに違っても、家族は彼らが戻ってきたことを歓迎し、世話をする。しかし、この先、彼らにはどんなことが待っているのだろうか。
『ぼくのエリ 200歳の少女』の原作『モールス』を書いたヨン・アイヴィテ・リンドクヴィストによる小説を、ノルウェーの女性監督テア・ヒステンデルが映画化した『Handling the Undead(英題)』。ミュージックビデオなどを手がけてきた彼女にとって、これは長編映画デビュー作だ。
何も大きなことが起きない前半から静かに不安感を募らせ、ホラーとしての怖さがありながらも、喪失、愛といった普遍の人間の感情に焦点を当てるバランスは見事。そこには『わたしは最悪。』のレナーテ・レインスヴェをはじめとするキャストの優れた演技も大きく貢献している。
音楽も非常に効果的。北欧らしい雰囲気がたっぷり漂うことについて、上映後のQ&Aで「意識したことか」と聞かれると、ヒステンデル監督は、「そうですね。どんなふうに、と言われるとわかりませんが」と答えた。
北米とイギリスの配給権は、Neonが獲得。日本を含む世界各国にも、すでに配給が付いている。
文=猿渡由紀
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