建立900年 特別展『中尊寺金色堂』をレポート 国宝仏像11体を現地よりも間近で360度鑑賞できる!
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国宝《阿弥陀如来坐像》 平安時代・12世紀 中尊寺金色院蔵
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すべて見る岩手県平泉町にある東北地方現存最古の建造物、中尊寺金色堂。その建立900年を記念し、東京国立博物館で建立900年 特別展『中尊寺金色堂』が1月23日(火) より開幕した。国宝の仏像11体が4月14日(日) まで公開される。
中尊寺金色堂は奥州藤原氏四代の遺体を安置する阿弥陀堂で、奥州藤原氏初代の藤原清衡(1056~1128)により、天治元年(1124)に建立された。建物が上棟から900年を迎えたことを記念して行われる同展では、金色堂内に安置されている中央壇に安置される国宝仏像11体のほか、金色堂内を飾っていた工芸品を展示する。
展示室を訪れ、まず目にするのが超高精細8KCGにより、原寸大で再現された金色堂の姿。900年の間、人々が祈りを捧げていたまばゆい光の空間が幅約7mの巨大ディスプレイに映し出される。通常ではガラス越しにしか見ることができない金色堂の内部に入り込めたような感覚だ。
続いて目にするのが、ずらりと並ぶ国宝11体の姿。国宝《阿弥陀如来坐像》の左右には国宝《勢至菩薩立像》と国宝《観音菩薩立像》。3体の前には6体の国宝《地蔵菩薩立像》が並ぶ。さらにその前には、国宝《持国天立像》、国宝《増長天立像》が立っている。
国宝《阿弥陀如来坐像》、国宝《勢至菩薩立像》と国宝《観音菩薩立像》はふっくらとした頬と優美な顔立ちで、当時の京都で活躍していた一流の仏師による像と引けを取らないもの。当時の平泉における文化水準の高さをうかがい知ることができる。
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6体の国宝《地蔵菩薩立像》は、左右3体ずつに分けられ、阿弥陀三尊の前に横に並んで安置されている。阿弥陀三尊と六地蔵の組み合わせは、それぞれ微妙に異なる柔和な表情が可愛らしい。
そして、地蔵菩薩前に安置されているのが2体の仁王像、国宝《持国天立像》と国宝《増長天立像》だ。袖が大きく翻り、躍動感に溢れた二天像は、鎌倉時代の慶派の仏像を先取りしているような先駆的な表現だ。
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この11体の仏像に加え、清衡の遺体が収められていた棺、重要文化財《金箔押木棺》や、紺紙に金字と銀字で行ごとに書写されている国宝《紺紙金銀字一切経》など、中尊寺金色堂を深く知るためのさまざまな品が展示されている。
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そのうちの一点、国宝《金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅》は、紺紙に描かれた金色の宝塔が単なる線ではなく、細かい字で描かれている。これは金光明最勝王経を塔の形に写経してつくられたもの。ぜひ間近でじっくりと見て見よう。
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世界遺産にも指定されている平泉は中尊寺金色堂の寺宝を東京で観覧できる貴重な機会。ぜひ逃さないようにしよう。
取材・文:浦島茂世
<開催概要>
建立900年 特別展『中尊寺金色堂』
会期: 1月23日(火)~4月14日(日)
会場:東京国立博物館 本館特別5室
公式サイト:
https://chusonji2024.jp/
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2347046
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