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松尾太陽(超特急)&安本彩花(私立恵比寿中学)が一度きりのスペシャルコラボ!注目アーティストが集結した「LIVE Meets Vol.5」レポート

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「LIVE Meets Vol.5」より

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1月26日(金)、spotify O-EASTにて「LIVE Meets Vol.5」が行われた。クリエイティブレーベル・MeMe Meetsによるライブイベントとなる本公演。前回まではSHIBUYA PLEASURE PLEASUREでの開催だったが、今回は規模を拡大、さらに配信も行われるなど、大盛況となった。

新しい音楽に出会える――アーティストたちの競演

今回のライブテーマは「出会いや組み合わせの化学反応」。ステージ上には白衣やデスク、大量のファイル……まるでラボを模したようなアイテムが並ぶ。さまざまな音楽が集う音の研究所といった雰囲気だ。今回は大きなスクリーンもセンターにセットされており、次に登場するアーティストの名前が映し出され、どことなくフェス感があり、気持ちをさらに盛り上げてくれる。

まず、オープニングアクトで登場したのは松田今宵。Chilli Beans.やVaundyなどを輩出している「音楽塾 VOICE」出身だ。ドラマ「あたりのキッチン」オープニングテーマとなっていた「甘じょっぱい」を披露。伸びやかな声で観客を魅了した。そしてもう1曲はギターを手に最新曲「Smoky Baby」を。1曲目とはまた異なるような多彩な歌声で自身の世界観を垣間見せた。

多彩な楽曲で「あたし」の魅力を存分に

トップバッターとして登場したのは「あたし」だ。パンツスタイルでスタイリッシュないでたちで1曲目に届けたのはバーチャルコラボ楽曲の「シュガーハイ」。スクリーンにはMVも流され、楽曲をじっくりと聞かせた。

疾走感あふれる「AtoZ」に続いて、この日のイベントにも出演しているharhaが制作した曲「太陽観測」を。切なさの感じられる歌詞を優しいメロディにのせて歌い上げた。続いてドラマ「4月の東京は…」オープニング主題歌の「イベリス」を。安定感ある歌声で楽曲の世界観を縁取っていく。切実な恋心を歌う歌詞もあいまって、つい聴き入ってしまう。最後の曲の前では「自己紹介を忘れちゃったのでしても良いですか」と言って和やかな笑いを呼び、改めて自己紹介。「『あたし』だけで検索してもでてこないと思うので、『あたしスペース歌ってみた』などで検索してみてください」とアピール。

最後の楽曲は「沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call〜寝不足の原因は自分にある。〜」第2話テーマソング「そっか」。5曲だけだったが、多面的な歌声とパフォーマンスで存在感を示した。

ケタチガイのパワフルな歌声が心を揺さぶる

2組目に登場したのはケタチガイ。まずはAdoの「ウタカタララバイ」のカバーでぶちかまし、圧倒的な歌唱力で会場を圧倒。MCでは自己紹介をしたあと、「最近、ほんと寒くないですか? 肌がカサカサしたりして。最近、新しい加湿器を買ってもらいました」とニコニコ。

「この会場をみなさんと一緒に盛り上げて、寒さに勝つぐらい熱くしていきたいと思いますのでよろしくお願いします」と明るく挨拶をした。続いては「相手に対しての不満や怒り、ちょっとした復讐みたいな感じの曲になっていて、誰でもいから救いが欲しいそんな少し尖った繊細な曲」だという「Stranger」、「沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call〜寝不足の原因は自分にある。〜」の第5話テーマソングで「忘れたいの忘れられない、乙女心を歌った楽曲」の「Dimmer」を続けて披露。会場もケタチガイの歌声に応じるようにして手を振り、一体になって曲を楽しんだ。

そして「パンチのある曲」というファーストシングル「無礼King」を。「怒り鬱憤などを詰めに詰め込んだ楽曲となっているので、みなさんここで一緒に立ち上がってストレスを出しきっちゃてください!」と言い、彼女自身も歌声をぶつけていく。最後は配信前の新譜「お気楽Luck Life」。この曲にぴったりな幸運のサインを作ってきたということで客席にレクチャーし、会場も一緒に。「これでみなさんの1週間はずっとラッキーです!」と笑顔を見せ、つられてこちらの口角も上がる。タイトルにピッタリなゴキゲンなメロディで会場を盛り上げた。

歌声で独特の世界観へと誘うharha

続いて登場したアーティストはharha。harhaはクリエイター&ラップのハルハとボーカルヨナベによる2人組ユニットだ。ボーカルは完全にシルエットのみで歌声を届けた。その分、歌声とスクリーンに映し出されるMVに集中してしまう。

まずは「人生オーバー」、「沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call〜寝不足の原因は自分にある。〜」の第6話テーマソング「浪漫人」、「怪々界」の3曲を続けて披露。「人生オーバー」のサビ部分のアニメーションによるダンスがクセになって、つい一緒に体を動かしたくなってしまうし、「浪漫人」は背景にあるストーリーが気になるし、「怪々界」は摩訶不思議な世界観が気になりすぎるし、家に帰ってからもう一度MVを見たくなること請け合いだ。

改めて自己紹介をし、「いっぱいろんな曲をもってきて、みなさんをわちゃわちゃにして、ぐちゃぐちゃにして帰ろうかな、と思うのでよろしくお願いします」とハルハ。そして「みなさまを童話の世界をお連れいたします」という言葉と共に始まったのは「アンデルセン」。想像力が掻き立てられそうなMVとともに観客を魅了した。後半戦は「アンデルセン」の優しいメロディから一転、ポップな「ボクラノ」からスタート。harhaのラップも加わり、どこかパーティー感のある楽曲だ。リズム感が心地よい「アルテルテ」では自然と手拍子が湧き起こり、会場の熱を上げていく(あと個人的な好みだが、この楽曲のアニメーションがすごくよかった)。

最後の曲を前にハルハは「もうちょっとやりたい気持ちはあるんですけど」と終わることを惜しみつつ、「今日とか、明日とか未来とか、地続きでつながる毎日を楽しく面白おかしく生きられるようなそんな曲を作りました」と「草縁」を初披露。疾走感ある楽曲に会場からは手拍子が起こる。最後までしっかりと盛り上げ、次のアーティストにバトンを繋いだ。

自身が手掛けたオリジナル楽曲を安本彩花が熱唱

ここからはスペシャルゲストが登場。まずは安本彩花だ。その名前がスクリーンに映し出されると客席のあちこちには緑のペンライトが灯る。安本が登場すると大きな歓声があがった。「本日はよろしくお願いしまーす!」と元気よく挨拶し、まず披露したのが「カレーライス」。キュートに跳ね、力強くシャウトし、盛り上げていく。さらに安本が「カレー!」とコールし、客席が「うまい!」でレスポンスするという場面も。

1曲目を終えて、「はあ、緊張しました」と微笑んだあと、改めて自己紹介。「普段エビ中というアイドル活動をしていまして、普段はグループで踊ったり歌ったりしているんですけど、オープニングで流れていた曲や、『カレーライス』は私が作ったオリジナル楽曲で、時々こんな感じで披露させてもらっています」。「カレーライス」については「小さい頃からカレーライスが苦手で、みんながあんなにおいしいって言っているのになんで食べられないんだろう、と思いながら作った曲です」と紹介。最近はカレーを克服したそうで、「スープカレーが好き。よく邪道だって言われるんですけど」と明かした。

さて、ここで用意されたDJの機材の前へ。「この機械を使って、自分で作った曲を流していきたいと思います」とのこと。ただ、機械いじりが大の苦手だそうで、「今日も本当に音が鳴るかドキドキしているんですけど、一生懸命頑張っていきたいと思います!」

さらに「ここから2曲は撮影OK」ということで、客席もスマホを構える。そしてスクリーンを指さし、「インスタのQRコードもあるので表示されているので、カメラを起動した際にはぜひフォローよろしくお願いします」とさりげなくアピール上手な面も見せた。スクリーンには、パソコン画面を模した形になっているのが、遊び心があっておもしろい。セットリストが書かれたポップがあるのも初めましての人には優しい設計かもしれない。機材のほうも問題なく音が流れ、「恋の感覚」を。ハイテンションの1曲目とは異なり、どことなくチルっぽさを感じるようなメロディだ。

さらに間髪いれず、ライブ初披露の「Dear」。機材を操作している姿さえも可愛くて自然とこちらもニコニコしてきてしまう。2曲を終えて、「無事、音が鳴りました」とにっこり。

話題は「Dear」について。今回のライブのために制作した新曲だそうで、「今は離れ離れの仲間だったりとか、いまは違う道でがんばっている仲間に向けて作った楽曲で、私たちエビ中はOGがたくさんいるんですね。やめていったメンバーがその先でいろんな活躍をしていて、いろんなことで一生懸命がんばっている姿を見て、幸せになってもらいたいな、応援したいなという気持ちになったときに作った曲です」と楽曲制作の背景を明かした。そして、「仲間といえば」と続け、「とってもお世話になっているお兄さんがいるんですよ。そのお兄さんをスペシャルゲストとしてお呼びしたいな、と思います!」と呼び込まれたのは松尾太陽だ。

グループ間でも色々と親交があるという2人。「こんな機会はなかなかないので、太陽さんとお歌を歌いたいな、と思いまして」と安本が言うと大歓声が。 選んだのは、安本が大好きだという曲。「安本さんがこの曲をやりたい、コラボしていただけませんか、って声を頂けて、ほんまですか!?と」と松尾も驚きの心中を明かした。コラボする楽曲として安本が超特急の「a kind of love」をコールすると大きな歓声と驚きの声があがった。なかなか聴くことができない貴重なコラボに会場が酔いしれた。松尾の呼びかけで手を振り、クラップをし、お決まりのポーズも決め、ステージ上のふたりも、客席も楽しそうだ。

歌い終え、「めちゃめちゃたのしかったです!」と安本が充実の表情を浮かべる。松尾も「僕もすごく楽しかったです」と応えたあと、「安本さん、今、横ストライプじゃないですか。僕、縦ストライプなんですよ」と自身の衣装について触れ、「縦を担うことができて本当によかったです」。

これに安本は「さすが関西人ですね」と言い、「ちょっとハードル上げないで、このあとあるんで」と松尾が少し照れくさそうにしていたのも微笑ましいやりとりだ。互いにまたステージで会えるようエールを送り合い、松尾が去ったあとのステージでは安本を最後の曲を披露した。

「今25歳。まだまだ短い時間しか生きてないんですけど、いろんなことをたくさん体験させていただく中で、やっぱりこうやって応援してくれるファンの皆さんだったり、身近で支えてくれてくださる方々のおかげで私はこうして楽しく笑顔で歌えているんだな、と実感したときに作ろう、と思った楽曲をみなさんに聴いていただきたいなと思います」と届けたのは「スーパーヒーロー」。優しいメロディに力強いメッセージをのせて歌い上げた。

お茶目さも覗かせつつ……松尾太陽の至極のステージ

そしてトリを飾るのは松尾太陽。スーツの上からカーキの上着を羽織り、安本とのコラボのときの装いとはほんの少し変えての登場だ。「最後まで楽しんでいってください」とあいさつをし、まず届けたのは「Magic」。ギターとピアノの音色にのせて、楽しげに歌い上げていく。「一緒に!」と声をかけると、客席の白のペンライトが一斉に揺れた。静かながら、徐々に熱が上がっていくのが感じられる。クラップを促し、始まったのは「The Brand New Way」。スクリーンにはMVが映し出され、ついそちらにも視線が奪われてしまいそうになる。が、何より、楽しそうに歌う松尾に引力がありすぎる。

「縦ストライプ改め、松尾太陽です!」と安本とのコラボでのコメントにかぶせて自己紹介をしたあと、客席に「楽しんでますか!」と問いかけ、そのレスポンスに「いいですね~!」と笑顔を見せる。「めちゃくちゃ楽しいです、こっちも。みなさんの熱量を感じるんですよね」とアーティストと客席の熱量で暑くなったという松尾。一回脱ぎますね、と上着を脱ぎ、ステージセットにあったハンガーラックを見つけ「ちょうどいいのがあった」とかけて満足げ。そしてバンドメンバーのギター・もんちゃん、キーボードのモロミーを紹介し、「この3人でお送りしていきたいなと思います」と挨拶。

改めて、超特急でのグループ活動のほか、それと並行して本名の松尾太陽で音楽活動をしていることに触れ、「せっかくLIVE Meets、いろんな方々が見に来てくださる方がいるということで」と、安本とコラボしたほかにも超特急の楽曲を……と「クレッシェンド」を披露した。スクリーンに超特急のロゴが映し出される中、透明感ある高音ボイスを響かせた。ついその美しい歌声に聴き入ってしまう。歌い終えると「超特急、いろんな楽曲がありますので、超特急を初めて知ったよ、松尾太陽という存在を初めて知ったよ、という方がもしいらっしゃったらぜひ覚えて帰っていただけたら嬉しいなと思います」。

もちろん、いろんな楽曲があるのは松尾ソロとしても同じだ。「今日はいろんな音楽を用意してきました」と、「体温」へ。響くキーボード、ギターの音、松尾の声が粒だって聞こえる。言葉が静かに心に落ちていく。シンとした会場に音が染み渡っていくが、それぞれがじっと聴き入っているのがわかる。アカペラでワンフレーズ歌い上げた場面では、思わず息を止めてしまう。歌い終えると大きな拍手か響き渡った。

続いては、「Hello」。今度は音が、声が弾む。そして客席のクラップも弾む。もう会場の音が松尾の思いのまま、そんなふうにも感じられる。ときにはリラックスした表情でセットにある椅子に腰掛け、おちゃめに微笑んでみたり。表情、表現豊かな歌声と存在全てで客席を魅了していく。

しかし、楽しい時間はあっという間だ。「今日はいろんな場所から遊びに来てくださった方がいらっしゃるかと思うんですが、楽しかったでしょうか」と問いかけると大きな拍手が。その拍手に笑顔で礼を伝えたあと「いま、ソロ活動の楽曲をいろいろ披露させていただいたんですけど、あんまり普段表立ってやっている機会ってそんなに多くなくて。これをいろんな方に聴いてもらえるのもめちゃくちゃ嬉しいですけど。何よりも、僕がねクラップしてください、とか手を振ったりとかみんながやってくれてる姿を見て、いやめっちゃ、ええやつやん、みんな……ってなりました」とにっこり。

「こんな温かな場所に自分がいられているのも嬉しい気持ちです」といい、「またLIVE Meetsが開催できること、また呼んでいただけるように、いろんな感情を共有できるようにこれからもがんばっていきますので、今後もよろしくお願いします」と真摯に語った。「またみなさんと笑顔で会える日まで」と最後に届けたのは「起承転々」。思いを込めるようにして歌い上げた。

「楽しかったー。また会える日まで!」と笑顔で手を振りながら戻ろうとしたところで………「忘れたらあかん」、とハンガーラックにかけた上着をとりに戻ってきた様子まで含めて最高のステージだった。

アーティストたちが集うLIVE Meets。さまざまな音楽が奏でられ、それらを享受できるのはなんとも幸福な時間だ。次はこのステージから、どのような音楽が届けられるのだろうか。

取材・文=ふくだりょうこ、撮影/武石早代

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