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豪華すぎるキャスト陣が勢揃い!ミュージカル『カム フロム アウェイ』

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(撮影:五月女菜穂)

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2024年3月7日から日生劇場で日本初演される、ミュージカル『カム フロム アウェイ』。本作の製作発表会見が1月30日(火)、カナダ大使館(東京都港区)で行われた。

2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件。アメリカ国内に入る予定だった38機の飛行機と約7000人の乗客・乗員は、カナダ・ニューファンドランド・ラブラドール州にある「ガンダー国際空港」に降り立つ。突然の非常事態。わずか1万人というガンダー町の人口は一瞬にして2倍近くに膨れ上がった。町の人々は突然現れた“カム フロム アウェイ(遠くから来た人々)”のために動き始めてーーという実話に基づいた物語。約100人もの登場人物を12人のキャストで演じ分け、オープニングからエンディングまで100分間ノンストップで展開されていくミュージカルだ。

テキサス人の典型的なバツイチ女性、ダイアンを演じる安蘭けいは、ニューヨークで本作を観劇したことがあるといい「とても感動して、日本で上演できる機会があったらぜひ出演したいと思っていたので、こうやって出演ができて本当に嬉しく思っております」と思いを述べる。ダイアンのほかもいろいろな人物を演じることについては「セリフは一言だったりするんですが、どうにかダイアンとの違いを出したくて、例えば声を変えたりいろいろ挑戦しているんですけども、やりすぎだと言われる(笑)。やりすぎて、話の筋から逸れないように気をつけないと」と笑う。

石油エンジニアのイギリス人、ニックを演じる石川禅。作品の魅力については「13脚の椅子、3卓のテーブルだけというシンプルな舞台。重い椅子や車輪がついている椅子など、椅子がどれも全く違うデザインをしていて、それはまるで国籍の違う人々が飛行機に乗り合わせたように、人種の違いを表しているようでもあり、個性豊かなキャストを表しているようでもあります。そのバラバラの椅子が2列になった瞬間、飛行機のキャビンが立ち上がる。素晴らしいです」。現状はその椅子を動かすことに四苦八苦しているというが「この個性あふれるメンバーがひとつになって、初日には無事テイクオフしていくことを祈っていてください。一生懸命頑張ります」と語った。

ロサンゼルスの環境エネルギー会社の経営者ケビンTを演じる浦井健治は「稽古場がいろいろな意味でとても豊か。個性も豊かですし、差し入れも豊かで……」と挨拶。「各国で上演され続けてきた作品なので、ステージングが全部出来上がっている。そこにレプリカ的な形で入っていくんですね。だけども、我々の感覚や個性も尊重しながらやっていくことが、なんて豊かなんだろうと思っていて。一つひとつの積み重ね、試行錯誤の過程が本当に豊かで、尊いなと感じています」とした上で「12人そして(スタンバイキャストの)4人あわせて16人で一緒にやっていることが幸せ」と話した。

筋金入りのニューヨーカー・ボブを演じる加藤和樹。ギリギリまで舞台『西遊記』の本番があり、本作の稽古には遅れて参加している加藤だが「多分2度とこのキャストで再演はできないだろうなと思うぐらい、第一線で活躍している方々ばかり。もともとこの作品が持っている力と、これだけ日本を代表するような方々が生み出すエネルギーとがかけ合わさると、とんでもない爆発力を生むのではないかなと感じております」と出演にあたっての思いを熱く語っていた。

「2001年当時、私は小学生。あのとき抱いたショックを今でも鮮明に覚えています。悲しみ一色だと思っていた出来事のそばでこんなに温かみのあふれる物語が実際に起こっていたんだと知って。この作品に関わらせていただくことで、より一層感動が増している」と話すのは、地元テレビ局の新人リポーター・ジャニス役の咲妃みゆ。「大きな悲しみ、苦しみ、憎しみを生み出してしまったのは人であって、でもそのさまざまな苦しみを解きほぐしたのも人であったというのがこの物語の注目すべきポイント」といい、「遠い国で起こった出来事というのではなく、どの場所でも二ューファンドランドになりうるということを思って、作品をご覧いただけたら」。

3児を持つ生真面目な母親ボニー役のシルビア・グラブもニューヨークで本作を観たといい「ものすごい人間臭い人たちが舞台上にいて、その鼓動を作っていた。途中まで楽しい作品だなと思って、ようやくその内容が分かった瞬間に泣き出しちゃって、この題材をこれだけ愛のある舞台にしていることに感動して……。日本で上演することがあったら絶対参加したいと思った」と話す。そして「二ューファンドランドの人たちが力を合わせて、カムフロムアウェイズに手を差し伸べたように、私たちも舞台上でお互いに手を差し伸べて助け合って乗り切りたい。これだけのメンバーがそれをやる作品もなかなかないし、確実に素晴らしいものになると思います」と話した。

ケビンの恋人兼秘書のケビンJを演じる田代万里生は「僕の役に限らず、ほとんどの役が実在している人物をモデルにしていて、しかも実名で演じている。それはとても光栄なこと」と挨拶。ケビンJのほかにもアリというイスラム教徒の役を演じる田代は「イスラム教徒の方にお話を聞くと、日本に住んでいる僕らとは全く違う文化や感性をもっていらっしゃって、僕らにとっての当たり前のことがそうでなかったりすることがたくさんあって。お話を聞くたびに世界は広いんだな、そして理解し合うためにはお互いをよく知らないといけないんだなと痛感していました」などと役への思いを語りつつ、「日本初演を見届けていただきたいなと思います」と締め括った。

ニューファンドランド島ガンダーの町長・クロードを演じる、橋本さとしは「僕は稽古が大変だとかあまり言いたくないんですが……めっちゃ大変です」と話し、初っ端から笑いを誘う。「キャリアを積んできたミュージカル演劇界の超人たちと一緒にやることに期待していたんですけど、意外とみんなパニックになっていて、普通の人なんだと安心しました(笑)」など笑い話をしつつ、「ミスしてもみんなが笑い飛ばしてくれて。稽古場で散々恥をかいて、本番でお客さんの前に立ったときには恥ずかしくないものを見せようと精進しているところ。ポンコツな町長ではありますけど、みんなと一緒に素敵な二ューファンドランドというものを表現できたら」と意気込んだ。

アメリカン航空のパイロットで初の女性機長であるビバリー役の濱田めぐみ。稽古場での印象的なエピソードとして「一番最初に演出家とお話しするときに、9.11という出来事は日本に住む皆さんにとってどれぐらいの印象ですかと聞かれたんです。正直にいうと、我々は映像でしか見たことがなかったし、まるで映画を見ているような感覚に陥っていて、辛い気持ちとすごいことが起きてしまったなという気持ちだと思うんですね。でも東日本大震災や能登半島地震など、起こったことは違っても、抱える心の辛さやみんなが共有する苦しみは一緒とも思って」と話す。その上で「この作品は日本の方々が見ても誰もが共感できるものをちゃんと受け取って、持って帰れる作品だなと思いました。いろいろなことを必死に覚え、演出を体に取り込みながら、いい初日を迎えたいと思います」。

息子がマンハッタンで消防士をしている母親ハンナを演じる森久美子は、ハンナ役以外の役を演じることにまだ慣れていないようで「毎日、私は誰?どこにいくの?という状態」と笑う。ただ、稽古は充実しているようで「これだけ個性が強くて、主役ばかりやっている人たちが集まって、ギクシャクするのかなと思ったら、すごく楽しい稽古場です」。そして「昨日、私はおにぎりを差し入れましたが、前はトウコさん(※安蘭さんの愛称)がハンバーガーを入れてくれたりして……痩せるつもりで来たのにどんどん太っている」などとも語っていた。

消防士の息子がいるビューラーを演じる柚希礼音は「9.11は人が起こしてしまった事件ですが、人が人を癒していくんだなと。昨日、もう一度このドキュメンタリーを見直したら、町長さんが『人の優しさはどんな悲劇をも乗り越える』と仰っていて、すべてを癒すことはできないですけど、やはり人の優しさで癒されることがあるんだなと思うので、そこを大切に演じていきたいと思っております」と思いを話す。

ガンダー警察署の巡査・オズを演じる吉原光夫は「製作発表が大嫌いなんですけど(笑)、こんな素敵な星空が見えるホールでやれるとは思わず。ここに来れただけで、初めて製作発表をしてよかったなと思います」と切り出す。そして「最初は(共演経験がある人が少ないので)合わないかななんて思っていたんですけど、まじで最高のメンバーでやれているんですよね。この作品はお祭りでやるわけではなくて、このメンバーが必死に命削ってやっている。ぜひ楽しみにしてください」などと呼びかけていた。

東京公演は3月29日(金)まで。大阪、愛知、福岡、熊本、群馬にてツアー公演あり。

取材・文・撮影:五月女菜穂

<公演情報>
ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』

【東京公演】
2024年3月7日(木)~29日(金)

会場:日生劇場
ほか、大阪・愛知・熊本・群馬公演あり

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/comefromaway2024/

公式サイト:
https://horipro-stage.jp/stage/comefromaway2024/

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