クロスボーダーラグビーで埼玉WKが示したリーグワンの底力
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坂手淳史(埼玉ワイルドナイツ) (C)JRLO
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すべて見る埼玉ワイルドナイツがジャパンラグビーリーグワンの底力を見せ付けた。2月4日、『NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23』準優勝・埼玉WKが『スーパーラグビー・パシフィック2023』準優勝・ギャラガー・チーフスに38-14の完勝。15分相手陣深くでのラインアウトからモールでボールを運びHO坂手淳史が飛び込んで先制すると、7分後SH小山大輝がインゴール内でのチーフスボールのラックで生じた一瞬の隙を逃さず追加トライ。後半1本返されても一時退出から戻ってきたWTBマリカ・コロインベテが65分にトライを奪うと、ラストプレーでSO山沢京平が相手のパスをインターセプト、そのまま走り切ってノーサイドを迎えた。前日のショッキングな敗戦を払拭したのである。
2月3日の『THE CROSS-BORDER RUGBY 2024』初戦では東京サンゴリアスとブルーズが対戦。シーズン真っ只中の東京SGに対して、開幕3週間前のブルーズはチーム戦術もコンディションも準備段階。しかも、若手主体のメンバーにかかわらず、43-7とブルーズが東京SGを一蹴したのだった。
試合後、今季限りでの引退を表明し、2013年にSRレベルズ入りしたHO堀江翔太からのアドバイスを坂手主将が明かした。坂手曰く「最初の10分、言い方は良くないかもしれないが、相手はフィジカル的にいじめてくると。タフな時間になるが、そこで受けに回らないで跳ね除けていく、正確性を持っていこうというアドバイスをしてくれた。『SR』の経験のない選手にとってはすごくいい助言になったし、何回か経験している僕らのような選手にも少し昔のことで忘れている部分もあるので、そこを思い出させてくれるアドバイスだった」。事実、東京SGはブルーズに開始15分までに立て続けに3トライを奪われて後手に回った。
ベストメンバーを並べたロビー・ディーンズ監督は、その意図をこのように説明した。
「我々が『リーグワン』にフォーカスしているのは変わらない。ただ決まった以上は、この試合に意味を持たせたかった。シーズンの真ん中でこのようなゲームをするのは簡単ではない。メンタルの持っていき方が難しかった。勝点はなく、失うものも多い。現に今日、エセイ(・ハアンガナ)が負傷してしまった。選手たちはジャージーを背負うプライドを示してくれた。彼らをリスペクトしている」
坂手主将もマインドセットが難しいゲームだったと振り返った。
「難しかった。公式戦でもないし、すごく強度の高いゲームになると予想していたので、すごく難しいゲームだったのは間違いない。とくにメンタル面で。今回のテーマは、自分たちのスタンダードを示すチャンスだと。自分たちが強くなる、うまくなる、勝ち続けるというワイルドナイツとして、高いスタンダードを見せるチャンスだとみんな持っていたので、いいラグビーができたと思う」
古巣・チーフスとの対戦、弟ケイラムとのマッチアップの中、見事プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたFLラクラン・ボーシェーが「素晴らしい機会だったし、いい試合になった。チーフスに関わった人間として、まさかハカを目の前で見ることになるとは思わなかった。タフなゲームだったし、今後再開するタフな戦いに向けていい準備になった」と言えば、FL福井翔大も「前半10~15分とタフなゲームになるとわかっていた。練習の成果」とキッパリ。
ディーンズ監督はしっかり結果を示した上で、問題提起することも忘れなかった。
「『クロスボーダー』の開催時期は、プレーオフの後がいい。2月は『リーグワン』のシーズンだと思っている。今季は『ラグビーワールドカップ』があり、代表選手たちは短い休養期間で開幕を迎えた。『リーグワン』の開幕を遅らせ、選手に十分な休養を与え、シーズン後に『クロスボーダー』をできれば、大会の意味はもっと増すだろう」
『THE CROSS-BORDER RUGBY 2024』は残り2戦。クボタスピアーズ船橋・東京ベイ×ギャラガー・チーフスは2月10日(土)・秩父宮ラグビー場、横浜キヤノンイーグルス×ブルーズは同じく10日(土)・ニッパツ三ツ沢球技場にてキックオフ。チケット発売中。横浜E×ブルーズの試合の模様はテレビ神奈川にて生中継。
THE CROSS-BORDER RUGBY 2024のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2448105
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24の特設ページ
https://t.pia.jp/pia/events/rugby-leagueone/
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