パワフルな声量とダンスに目を奪われる ミュージカル映画『カラーパープル』
映画
ニュース
イラストレーション:高松啓二
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。
【水先案内人 高松啓二のおススメ】
スティーブン・スピルバーグが1985年に監督した作品をミュージカルとしてリメイクされたのが本作。
1909年南部のジョージア。セリーと妹のネティは父親と暮らしていたが、セリーはミスターと呼ばれる男に無理に嫁がされる。セリーを演じるのは、ブロードウェイキャストのファンテイジア・バリーノ。前半、男にやたらとぶん殴られたりするシーンにオリジナルよりもショックを受ける。時代のせいか観る方の意識の違いも感じた。それでもパワフルな声量とダンスに目を奪われる。
革新的な考えを持つ歌手シュグ(タラジ・P・ヘンソン)の存在感は圧倒的で彼女の登場で物語は大きく変化する。それは画面にも反映され、前半は南部の自然にとけ込むくすんだ色調だが、シュグの登場で赤、黄、緑などビビッドな色を添え、ラストは落ち着いた色調になる。これはセリーの心の変化にシンクロしているのだろう。苦境を乗り越え、生き抜いた人生を歌い上げるのは日本の演歌にも通じる。歌もこぶしがまわってるしね。
<作品情報>
『カラーパープル』
2月9日(金) 公開
製作:オプラ・ウィンフリー、スティーブン・スピルバーグ、スコット・サンダース、クインシー・ジョーンズ
監督:ブリッツ・バザウーレ
原作:アリス・ウォーカー
■出演
ファンテイジア・バリーノ、タラジ・P・ヘンソン、ダニエル・ブルックス、コールマン・ドミンゴ、コーリー・ホーキンズ、H.E.R.、ハリー・ベイリー ほか
公式HP:
https://wwws.warnerbros.co.jp/colorpurple/
(C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.