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映画『オッペンハイマー』におけるノーランらしさとは? ひとりの科学者の苦悩をどのように描くのか

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『オッペンハイマー』

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『インターステラー』『TENET テネット』など数々の大ヒット作を手がけてきたクリストファー・ノーラン監督の最新作『オッペンハイマー』が、3月29日(金)から公開になる。

ノーラン監督はこれまで数々の作品で、観客を大スクリーンの映像で包み込み、“誰も体験したことのない世界”に誘った。彼は最新作で、実在したひとりの科学者の半生をどのように描くのだろうか。

1999年に『フォロウィング』で長編デビューを飾ったノーラン監督は、これまでに数々のヒット作を手がけてきた。『メメント』では記憶を失った男の復讐の物語を時間を逆行させる語りで描き、『バットマン ビギンズ』から始まる“ダークナイト三部作”では誰もが知るヒーローの心の内をアクションを交えて描き出した。『インセプション』では人間の脳内と記憶を、『インターステラー』では遠い宇宙の世界を舞台に、観客の予想のつかないドラマが展開した。

彼の描く作品は、アクション、サスペンス、家族のドラマ、ラブストーリーとジャンルがミックスされているが、常に大規模な撮影で、スクリーンで観たくなる壮大なスペクタクルが盛り込まれている。それは“鑑賞”でありながら“体験”と呼ぶほど緊迫感とリアリティのある内容で、ノーラン作品のファンはひとつの映画を繰り返し観ることが多いようだ。ノーラン監督は語る。

「映画は、物語を語るメディアだから、観客を主観的な経験の中に引きずり込み、登場人物が判断する出来事に、自分だったらどう判断するか考えさせるのに適している」

ノーラン作品にはいつも無駄な“説明”はない。どんな入り組んだ世界が舞台でも観客は主人公と一緒になって作品世界に入り込み、気がついたら、日常では体験できないような場所に行き、これまでに考えたことのないような問題や感情に直面する。観客は映画館から“未体験の時空間”に旅に出る。それこそがノーラン作品の醍醐味だ。

そんなノーラン監督の最新作『オッペンハイマー』はどんな映画になるだろうか?

伝記などに描かれるオッペンハイマーは天才科学者で、第二次世界大戦下に“あるアイデア”を思いつく。それは、彼の知的好奇心や研究への情熱を掻き立てるものだが、同時にその研究は“世界の在り方を根本的に変えてしまうかもしれない”ものだった。もし、あなたの目の前にそんなアイデアがあったとしたら、どうするだろうか? それは自分の人生をかけてもいいほどのチャンスだ。しかし、同時に世界を破滅させてしまうかもしれないリスクでもある。あなたはそんな状況に立ったことがあるだろうか?

多くの人は(教科書に載っている著名な科学者でさえ)そんな状況に置かれたことはない。ノーラン監督は、オッペンハイマーが直面したジレンマを映画の中でどのように描くだろうか? 人間の夢の中より複雑で、ダークヒーローになるより闇が深く、宇宙の果てにいくよりも結果が予想できない問題、迷い、そして決断。

これまでのノーラン作品同様、最新作『オッペンハイマー』も観客の予想を遥かに超える“未体験の世界”が渦巻くものになりそうだ。

映画『オッペンハイマー』予告編

『オッペンハイマー』
3月29日(金)公開
(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.