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実力派キャストが日本語で新たな風を吹き込むオペラショウ「ラ・ボエーム」

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(撮影:黒豆直樹)

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2024年に没後100年を迎えるプッチーニの不朽の名作を“リビルディング(=再構築)”し、日本語で上演するというオペラショウ「ラ・ボエーム」が開館40周年を迎える東京・有楽町の有楽町朝日ホールにて開催される。この新たな試みに参加する西谷衣代、山崎陶子、中島康晴、本岩孝之、そして訳詞・美術・演出を務める伊勢谷宣仁が本作への思いを語った。

19世紀のパリの芸術を志す若者たちが貧しい共同生活を送るアパートを舞台に、詩人のロドルフォとお針子のミミの美しくも儚い恋を描く本作。主要キャストを6人とし、オペラの大合唱やフルオーケストラを使わない形で2022年12月に八ヶ岳音楽堂にて、本作の初演を行ない、大きな話題を呼んだが、伊勢谷は本作のコンセプトを「“リビルディング”――二次創作によって新しい作品を作り上げるという発想」と説明する。

ダブルキャストでお針子のミミを演じるのは西谷衣代と山崎陶子の2人。西谷は、八ヶ岳音楽堂での初演でもミミを演じたが「3日間の公演の中でも1日ごとに反省と改善がありました。その経験を踏まえ、さらに改良できる部分があると思うし、すごく楽しみです」と東京での再演に向けた意気込みを口にする。

山崎も「以前、同じ『ラ・ボエーム』でもうひとりのソプラノであるムゼッタを演じたことがあったんですが、ミミはムゼッタとは対照的な女性像で、その時も『自分ならどう演じるかな?』と考えていたので今回、ミミをやらせてもらえるのが嬉しいです。ポップなエネルギーを求められる部分もあると思いますが、新しい風を吹かせたいです」と語る。

長年にわたって様々なオペラの演出に携わってきた伊勢谷は「日本人がオペラをやる意味」、「帝劇や東宝、劇団四季のミュージカルと比べて、オペラが日本人に根付かないのはなぜなのか?」と自らに問いかけ、演出面、音楽面で独自の改良を試み、この“オペラショウ”に行き着いた。特に注目すべきは原語(イタリア語)ではなく日本語で歌うという点。

ロドルフォの仲間である音楽家のショナール(バリトン)を演じる本岩は「新しい『ラ・ボエーム』という伊勢谷さんのコンセプトに共感しました」と伊勢谷との新たな挑戦に心を躍らせる。

長く本場イタリアで活動し、スカラ座でのフランコ・ゼッフィレッリの指導を受けて「ラ・ボエーム」に出演した経験を持つ中島(ロドルフォ/テノール)も、イタリアで活動をする中で「日本人がオペラに出演する意味」を考えさせられることが多々あったそうで、伊勢谷のコンセプトに共鳴した。「(従来のイタリア語によるオペラでは)日本語でダイレクトにお客さんに伝えられないことが、オペラの裾野が広がらない根本の問題だったと思います。リビルディングということで、日本語でやると聞いて、参加してみたいと思いました。イタリアのエッセンスを残しつつ、日本語でお客さんの興味を引けるようにチャレンジしたい」と語る。

もちろん、様々なアレンジを施しつつ、「ラ・ボエーム」そのものの物語、キャラクターたちの魅力、楽曲の素晴らしさを伝えるという根本の部分は揺るがない。西谷は「八ヶ岳でやらせていただいた時、日本語で演じたからこそ、最後にミミが死ぬシーンでギュッと吸い込まれていくような感覚を体感することができたんです。今回も、ロドルフォとの出会い、そして第4幕の死のシーンはお客さんに心が伝わる演技をしたい」と語り、山崎も「私自身、『ラ・ボエーム』は客として観に行っても毎回、必ず泣いてしまうんです。それだけのドラマの力、音楽の力がある作品なので、今回も最後にお客さんに泣いてもらいたいです」

公演は4月2日(火)から有楽町朝日ホールにて。

取材・文・撮影:黒豆直樹

<公演情報>
<有楽町マリオンオペラ>有楽町朝日ホール開館40周年記念 オペラショウ「ラ・ボエーム」訳詞日本語上演

公演日程:2024年4月2日(火)〜 5日(金)
会場:有楽町朝日ホール
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/laboheme2024opera/

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