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『デイアンドナイト』清原果耶が語る、プロデューサー山田孝之の姿と普段とは違った演技アプローチ

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リアルサウンド

 俳優・山田孝之が裏方に徹し初の全面プロデュースに挑んだ映画『デイアンドナイト』が1月26日に公開される。企画も手がけた阿部進之介が主演、『光と血』『青の帰り道』の藤井道人が監督を務めた本作は、家族の命が奪われ、自らの善悪に翻弄される者たちの姿を描いた、“人間の善と悪”がテーマの完全オリジナル作品だ。

参考:“人気女優への登竜門”高校サッカー選手権応援マネージャーに抜擢! 清原果耶、10代女優一の才能

 今回リアルサウンド映画部では、児童養護施設で生活する少女・奈々を演じた清原果耶にインタビュー。撮影現場で見たプロデューサーとしての山田孝之の姿や、普段とは違ったという演技のアプローチについて話を聞いた。

ーー清原さんはオーディションで奈々役に選ばれたわけですが、作品に対してはどのような印象を抱きましたか?

清原果耶(以下、清原):難しそうだなというのが第一印象でした。奈々の役柄もそうですし、作品のジャンルや観てくださる方の客層などを考えても、これは演じるのが難しい作品だなと……。役があまり掴めず、オーディションの時も最初はどうしたらいいのか悩みました。ただ、悩んでいても仕方ないと思ったので、自分の好きなように楽しんでオーディションに臨もうと、どこかのタイミングで切り替えたんです。オーディション用の台本を元に、自分なりに奈々を構築することを繰り返すうちに「これは私がやりたい!」とまたスイッチが入って、最終的にはどうしても奈々を演じたいという想いでオーディションを受けました。

ーー実際、奈々役に決まってどうでしたか?

清原:心の底から「やった!」と思いました。山田(孝之)さんがプロデューサーとして関わっている作品に、キャストとして参加できるのがすごく興味深いことでもありましたし、オーディションで奈々を演じたのもすごく楽しかったので、本当に嬉しかったです。

ーーオーディションに審査側で参加した山田さんは、清原さんの圧倒的な表現力に惚れ込んだそうですね。

清原:本当にありがたいことです。まさかオーディションで、審査側の席に山田さんが座っているとは思ってもいなかったので、衝撃はすごかったです。ただ、私は周りを見ている余裕がなかったので、とにかく奈々を演じるということに集中しました。撮影が始まってからも、自分のことで精一杯で周りのことがほとんど見えていなかったんですけど、山田さんがキャストさんやスタッフさんに目を配って、プロデューサーの立場として現場で動いている姿は、「すごい」の一言に尽きるというか。気遣いをすごくしてくださったおかげで感情も作りやすかったので、とても撮影がしやすい環境でした。

ーー今回は山田さんが裏方に徹して初の全面プロデュースに挑んだ作品としても注目を集めています。

清原:撮影前の準備の段階では、阿部(進之介)さんとセリフを言い合ったり話し合ったりしながら脚本づくりをされていたそうなのですが、撮影に入ってからはプロデュース業に専念されていて、役者としての顔は見せていなかったように思います。作品に対して愛情や熱意を込めて、毎日朝早くから夜遅くまで現場にいらっしゃいました。山田さんはテレビや映画で役者さんとして拝見していた方だったので、その姿はすごく新鮮ではありましたが、本当に作品づくりに真摯な方だなと思いました。

ーー完成した作品を観て、何か新たな発見はありましたか?

清原:撮影時は脚本も読み込んで、しっかり準備をして現場に行っていたものの、自分のことで手一杯になってしまって、周りのことが全然見えていなかったので、完成した作品を観て新しい発見もありましたし、「答えがない」というのはこういうことかと思いました。自分で考えないと進まないというか……。この作品はいろいろな捉え方があると思うんですけど、私はそこに面白さを感じました。この作品のテーマでもある“善と悪”について考えるいいきっかけで、自分の感性を広げられた気がします。

ーー阿部さんが演じた主人公・明石の気持ちには共感できましたか?

清原:明石の気持ちはすごく分かります。それが共感に繋がるかといったらそれはまた違う話ですけど、明石の家族に対する思いや立ち居振る舞いは、私にはとても理解できました。

ーーそんな明石に寄り添う奈々を演じるにあたって、何か役作りはしたのでしょうか?

清原:今回、役作りはほとんどしていないんです。事前にいただいたキャラクターシートから奈々のイメージを感じ取ったぐらいでした。撮影時の自分が思春期だったことが影響しているのか分かりませんが、私自身のフラフラ揺れる不安定な感情が、ちょうど奈々の境遇や感情と重なるところがあったので、本当に自然と自分の中から出てきたもので演じることができたんです。

ーー普段とは演技のアプローチが違ったと。

清原:台本を読んで「こういう女の子なんだな」と考えることはもちろんありました。ただ、それが確かなものかどうかは分からなくて……。自分の中でもずっと手探りで奈々を演じていた気がします。答えが見つかったかと言われれば、まだ見つかってないかもしれません。今思えばすごく難しかったんですけど、撮影時は難しいとかも考えられないぐらい、ずっとぶつかりながら撮影に臨んでいました。

ーー今回の『デイアンドナイト』での経験は清原さんにとっても大きなものだったようですね。

清原:役との向き合い方は作品ごとに変わってはいるんですけど、何が変わったかと言われると、答えるのが難しくて……。ただ、お芝居を始めた時から、好きな気持ちや楽しいという気持ちは全く変わらないんです。それがメンタル的にどれだけ辛い役柄でも、絶対に楽しいと思えるんです。その気持ちはこれからもずっと持ち続けていたいです。(取材・文=宮川翔)