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田中哲司・安達祐実・でんでんが赤堀雅秋の新作に挑む

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田中哲司、安達祐実、でんでん、赤堀雅秋 (撮影:和田裕也)

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「いつになく暗中模索で、どこにたどり着くのかわからない」という赤堀雅秋。世の中の閉塞感に唾を吐き、新しい挑戦も試みているという新作で、田中哲司・安達祐実・でんでん等キャスト陣と赤堀はどのような姿を見せるのだろう。稽古初日、彼らにその目論見や手ごたえを聞いてみた。

――稽古初日を終えた、現在の心境は?

赤堀 説明的なせりふでわかりやすいドラマではなく、役者の佇まいや行間から伝わる“何か” に共感していただける舞台にしたい。ここにいるお三方は立っているだけで魅力的で、信頼しています。

田中 ヒリヒリするような難しい台本で、「これは勝負だな」とドキドキしています。今はまだ藪の中にいるような感じですけど、そこから脱出して素晴らしい景色が見えると信じつつ稽古しようと思っています。

安達 今日はすごく緊張しました。でも皆さんと一緒にお芝居できるし、赤堀さんはどういう風に演出をつけるのか、ドキドキもあるけどすごくワクワクして、楽しみが膨らんでいくような気持ちになって。本番に向けて一生懸命やっていこうという気持ちを新たにしました。

でんでん 演者にとっていろいろな入り方があるから、すごく面白いですよ。ワクワクしているし、せりふを入れていろいろな芝居を試したいので、まじめに頑張りますよ。

――今回の皆さんの役どころは、どのようなものでしょうか。

赤堀 今の世の中、すごく閉塞感が漂ってますよね。それに対してうんざりしている、破裂寸前の思いを描きたい。哲司さん演じる主人公「中年男」も、特に明確な理由はなく突然「もう、ええわ」と糸が切れてしまう。安達さんが演じる「喪服の女」も大人として社会生活は送っているものの、物語の中では暴発しないにしても、内包しているものが何かしら漏れ出てくる。そういう感覚ってたぶん誰でもあるし、お客さんたちが共感できるカタルシスになればと思います。

――赤堀さんは、そのような意図を込めている。演者の皆さんは、どういった感情や思いを込めることになりそうですか?

田中 まだ想像できないですね。主人公は何かを抱えているようだけど、最後に爆発するかもしれないし、しないかもしれない。僕としてはどういう方向でもできるようにしつつ、とにかくいっぱいいっぱいな感じがテーマかなと思います。

安達 私も「喪服の女」はどういう人なのか、まだわからなくて。

赤堀 作者である僕自身がわかってないんだから他の方もわからないですよね、すみません(笑)。でも「わからない」って素敵でしょう? 台本を読んですぐに「こういう感じね」ってわかってしまうステレオタイプより良いじゃないですか。

田中 これぞ演劇、ですよね。

――「これぞ演劇」だからできることやその魅力は、どのように感じていますか?

安達 演じる側としては、私は特に違いは感じません。でも、映像だと寄ったりできるから(クローズアップ)、見えないところができますよね。舞台はお客さんが好きな時に好きな所を見られるので、役者の居方も違うのではないかと思います。

赤堀 舞台は基本的に、お客さんとのコミュニケーションだと思います。昨今の事象を見て自分たちなりに完結した作品を創り、それをお客さんは百人いたら百通りの感じ方で受けとめる。それが健全だと思いますね。

でんでん どちらも真剣に取り組むし、全力投球する。それだけエネルギーを使えるものに挑めるのだから、喜ばないといけないですね。今回もクタクタになりますよ。

――ありがとうございます。期待しています。

カンパニー一丸となって挑む新たな赤堀ワールドは、3月7日(木)~20日(水・祝)東京本多劇場にて。

取材・文:金井まゆみ
撮影:和田裕也

<公演情報>
赤堀雅秋プロデュース『ボイラーマン』

公演期間:2024年3月7日(木)~20日(水・祝)
会場:本多劇場
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2449176

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