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三途の川×口コミ 演劇が苦手でも楽しめる福岡発の劇団

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椎木樹人

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2005年の旗揚げ以来、一貫してコメディ作品に取り組んできた万能グローブガラパゴスダイナモス(通称ガラパ)。地元福岡を拠点に毎年ツアー公演を行い、演劇ファンはもちろん演劇を見たことがなかったという方からも高い評価を得ている。32回公演ツアーに向け、劇団主宰で看板俳優の椎木樹人に話を聞いた。

――まずは作品について教えてください。

僕らは19年目になる福岡の劇団。続けるうちにグルーヴが福岡っぽいと言われることが増えました。今回は博多弁を使うことはないかもしれないけど、福岡っぽさは出ると思います。

今回は作・演出の川口(大樹)の「世の中が口コミやSNSの数字にとらわれている」という言葉からスタートしました。誰かが福岡に来てくれても口コミを元にお店を薦めてしまう。でも、点数操作などがニュースになるように、評価が本当かわからなくなってきている。

口コミが存在しない世界に口コミが現れたらコメディになるのではということで、三途の川にいる鬼たちが人間の口コミに振り回される話になりました。「あの鬼はやりすぎ」「あの渡し船はサービスが良い」とか言われて、人間を懲らしめなきゃいけない鬼が忖度しだすみたいな(笑)。

――特にコメディ作品では、土地によって反応が違うと聞くことがあります。福岡と東京で違いはありますか?

福岡はホームですが、演劇ファンがそう多いわけじゃなく、わかりやすいタイミングですごくウケます。東京は面白いと思って用意しているちょっとしたセリフやすれ違いをキャッチしてくれる。福岡はあったかくて僕らがやっていることを面白いと思ってくれる、東京は作品の面白さを見つけてくれている感じがします。

――東京公演は4000円のお手頃価格です。

この劇団は、演劇がそんなに好きじゃないところから始まっています。演劇に興味がない・苦手意識がある人たちに見てほしいと思ってきた結果、福岡では「観劇の入り口」と言ってもらうことも多いです。東京でも、とにかく気軽に来てほしい。もちろん演劇ファンにも楽しんでもらえるものを作っているので、楽しみに来てください。

――台本はもう完成していますか?

ガラパでは、1ヶ月くらいみんなで面白いことを話す時間があるんです。今回なら「口コミってなんだろう」とか、自分が口コミに踊らされたエピソードとか。それぞれの体験や考えを全員で自由に話し、そこから話を考えていく。脚本があって演出家のオーダーに応えて作品を作っていくのが俳優の仕事ですが、ガラパはメンバーの人間性や経験が入った作品ができあがるのが魅力。劇団ならではの作り方だと思います。

――声出しが解禁され、観客も思い切り笑えるようになってきました。変化を実感することはありますか?

印象的だったのは、去年9月に福岡・西鉄ホールで過去作品(第7回公演『ひとんちで騒ぐな』)を再演した時の、客席の反応。芝居の途中でお客さんの笑いが拍手になり、それが伝播して大きな拍手になったんです。みんなが抑圧されていた反動もあるかもしれません。小劇場ではそんなこと初めてで嬉しかったです。

――地元福岡と東京、それぞれへの思いを教えてください。

東京は芸能・演劇において日本の中心。福岡で始めた俳優も、毎年上京します。そんな中で僕らが福岡にこだわるのは、単純に福岡がめちゃくちゃ好きだから。
東京は東京のすごさがあるし、東京でしか得られないものがある。色々な人に見てほしいし、自分たちの立ち位置を確認しに来ています。

でも、福岡を諦めているわけではない。「食べ物が美味しくて観光も楽しめる、そしてガラパがいる」という魅力になれたらと思っています。理想は他の地域から福岡に見に来てもらうことですね。

取材・文:吉田沙奈

万能グローブガラパゴスダイナモス 第32回公演 春の2都市ツアー『三途の川のクチコミ』

<福岡公演>
公演日程:2024年3月13日(水)~17日(日)
会場:福岡市美術館ミュージアムホール

<東京公演>
公演日程:2024年3月27日(水)~31日(日)
会場:駅前劇場
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2347688

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