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ホイットニーの名曲に酔いしれる『ボディガード』開幕!

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ミュージカル『ボディガード』 (撮影:岡千里)

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2月18日に開幕したミュージカル『ボディガード』、新妻聖子、May J.、両ヒロインの初日を観劇した。コロナ禍でわずか5公演のみの上演となった2020年初演、そして実質的には初演といっても差し支えないだろう2022年再演を経て、さらに練り上げられた密度の濃さを感じた。

ヒロインのレイチェル・マロン(新妻聖子/ May J.)がスーパースターという設定だけに、ダンサーたちを率いたステージパフォーマンスの場面は圧巻。特に幕開けのナンバー「QUEEN OF THE NIGHT(夜の女王)」は、これがレイチェルだ、これが『ボディガード』だ、といわんばかりのパワフルなボーカルとダイナミックで切れのよいダンスで観客を圧倒する。

ストーリー面ではまずサスペンスの要素が示され、レイチェルを狙う者、のちに姿を現すストーカー(大久保祥太郎)が底知れぬ緊迫感をもたらす。ストーカーからレイチェルと彼女の息子・フレッチャー(野林万稔/古澤利空/笹本旭のトリプルキャスト)を守るために雇われたのが、敏腕ボディガードのフランク・ファーマー(大谷亮平)。彼らのヒューマンドラマ、そして親子愛が描かれる。また、アーティストとボディガード双方のプロフェッショナルな姿を描くお仕事ドラマや、衝突から急速に惹かれ合っていくふたりとその影で切ない片思いを抱く人がいて…という王道のラブストーリーの要素も。それらが歌、そして自然な場面展開によって融合している、実に贅沢な構成なのだ。

キャストも抜群の安定感を見せる。まず、タイトルの「ボディガード」であるフランクを演じる大谷は“頼れる男”を体現。フレッチャーとの歳の離れた友人のような、「相棒」と呼ぶかかわり方も印象的で、語られる家族関係と相まって深みのある人物像が感じられる。レイチェルのスタッフであるビル・デヴァニー(内場勝則)、サイ・スペクター(水田航生)、トニー・シベリ(加藤潤一)は “レイチェル・ファミリー” として時にコミカルに、時にそれぞれの職務を果たし、さまざまな表情を見せる。

また、ある意味 “裏ヒロイン” なのがレイチェルの姉・ニッキー(AKANE LIV)。彼女自身も魅力的なシンガーだが、妹には敵わない。葛藤を抱えながらも妹を支え、しかも心惹かれたフランクはレイチェルと…と、あまりにも切ない。 AKANE LIVの憂いのある艶やかな歌声が観客の心をわしづかみにし、第1幕終了後には多くの観客が「ニッキーの人、すごい!」と公演パンフレットをチェックしていた。

そして、幕開けから終幕の「I Will Always Love You(オールウェイズ・ラヴ・ユー)」に至るまで、“ザ・ディーヴァ”ホイットニー・ヒューストンの楽曲を歌い上げる新妻と May J. 。彼女たちと AKANE LIVの歌声あってこそのステージだ。新妻と May J.は歌声やキャラクター性も含め、よい意味で対照的。強引に例えると、新妻レイチェルは“太陽”あるいは“金”。透明感と鋭さの両方を感じさせる小気味よい高音の伸びが印象的だ。 Mayレイチェルは“月”あるいは“銀”。繊細なビブラートとまろやかな中音域が印象に残る。ひとりを観るともうひとりも気になる、ダブルキャストならではの魅力が十二分に発揮されている。

さらに、カーテンコールでは「I WANNA DANCE WITH SOMEBODY(すてきなSomebody)」のパフォーマンスも。観客も入場時に配られるペンライトを振ってキャスト・バンドと共に盛り上がり、最高の気分で劇場を後にできる公演は、3月3日(日)まで東急シアターオーブ、3月30日(土)から4月7日(日)まで梅田芸術劇場メインホールにて上演。山形公演もあり。

取材・文:金井まゆみ
撮影:岡千里

【公演情報】
ミュージカル『ボディガード』

東京公演:2024年2月18日(日)~3月3日(日) 東急シアターオーブ
山形公演:2024年3月9日(土)~3月10日(日) やまぎん県民ホール
大阪公演:2024年3月30日(土)~4月7日(日) 梅田芸術劇場メインホール

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/bodyguardmusical-2024/

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