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イヤミスの名手による衝撃のダークミステリーを映像化!
WOWOW『連続ドラマW 坂の上の赤い屋根』特集

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桐谷健太、倉科カナらが出演する『連続ドラマW 坂の上の赤い屋根』が3月3日(日)からWOWOWで放送・配信される。本作が描くのは、過去に起こった殺人事件と、その事件をモチーフにした小説企画を立ち上げた編集者、作家たちの思惑が絡み合うミステリー。最後の最後まで展開が読めず、すべてが解決した後も心にズシリと重みが残る重厚なエンターテインメント作品だ。

8年前に起こった女子高生両親殺害事件
その小説化を狙う編集者と作家が踏み入れる事件の闇とは……?

閑静な住宅街に赤い屋根の家があった。高級住宅地として知られる界隈の中でも特に大きく、鮮やかな色の屋根が目立つその家には、かつて開業医を営む一家が暮らしていたが、娘の青田彩也子(工藤美桜)が恋人の大渕秀行(橋本良亮)に洗脳されて両親を殺害する事件が発生。裕福で幸福を絵に描いたような一家に起こった事件は社会を震撼させた。

その後、逮捕された大渕は裁判中にすべてを告白した書籍『早すぎた自叙伝』を出版。裁判では彼に洗脳された彩也子が両親に手をかけたと判断され、大渕は死刑、彩也子は無期懲役が確定した。

それから時は流れ、多くの人はこの事件を忘れていたが、新人作家の小椋沙奈(倉科カナ)は、この“女子高生両親殺害事件”をモチーフにした小説の企画を、『早すぎた自叙伝』をヒットさせた編集者・橋本涼(桐谷健太)に持ちかける。

ふたりは連載のため、取材を開始。当時の事件を知る者に聞き取りを行うが、その証言はそれぞれに異なる人物像を描き出し、彼らの言い分、そこで語られる真実は食い違っていく。かつて、あの坂の上の家で何が起こったのか? 事件を追う者たち、かつて事件に関わった者たちの思惑は複雑に絡み合い、それぞれがこの事件の闇にハマり、想像もしなかった領域に足を踏み入れていく。

そして明らかになる事件とその後の真相。それは誰も予想できない衝撃的なものだった……。

原作者・真梨幸子は“イヤミス”の名手!
人間の心の奥底の闇や衝動を赤裸々に描き出す

本作の原作は、真梨幸子の同名小説。

真梨は『殺人鬼フジコの衝動』や『5人のジュンコ』『聖女か悪女』など、登場人物たちの暗部に分け入る心理描写と衝撃的な展開の運びで人気を博しており、読んだ後に嫌な後味が残るミステリー=イヤミスの名手のひとりとして知られる一方、『人生相談。』で山本周五郎賞の候補になるなど、作家としても高い評価を集めている。

真梨の小説は、人間の心の奥底に潜む闇や衝動、消し去りたい過去、策略が渦巻く内容が多く、ミステリーとしての完成度の高さを誇りながら、同時に人間ドラマ、そのような関係が生まれてしまう社会の歪みも描き出す。

ドラマは作品の世界観や展開、セリフを最大限に尊重した映像化で、俳優が演じることでキャラクターそれぞれの“奥行き”がさらに深くなっている。原作ファンも納得のドラマ化と言えそうだ。

桐谷健太、倉科カナ、橋本良亮、蓮佛美沙子、斉藤由貴ら
若手から実力派まで多彩なキャストが集結!

事件を取材する編集者・橋本を演じるのは桐谷健太。『火花』『アナログ』『首』などの映画やドラマで見せる重厚な演技も高い評価を集めている一方、歌手として『海の声』をヒットさせたことも記憶に新しい。WOWOWドラマではこれまでに「連続ドラマW 東野圭吾『片想い』」や経済ドラマ『連続ドラマW メガバンク最終決戦』などに出演。本作では冷静でありながら、常に策をめぐらす男を演じ、桐谷の新たな一面を見ることができる。

そして、橋本と行動を共にする新人作家・沙奈を倉科カナが演じる。近年は映像だけでなく舞台でも活躍し、2021年の『雨』『ガラスの動物園』では読売演劇大賞女優賞を受賞するなど、その実力が評価されている。本作では作家として再起をかける女性のひたむきさと、不安定さを見事に体現。事件の取材を通じて沙奈が変化を遂げていく様にも注目だ。

そんなふたりを取り巻くのは、毎年主演舞台で演技力と歌声に磨きがかかるA.B.C-Zの橋本良亮、『連続ドラマW 鵜頭川村事件』では双子姉妹をひとり二役で見事に演じ分けた蓮佛美沙子、『連続ドラマW フィクサー』シリーズに続いてのWOWOWドラマ出演となる斉藤由貴ら豪華な俳優陣。特に、得体の知れないカリスマ性を持った死刑囚・大渕、彼と獄中結婚した妻・玲子という歪んだ夫婦を演じた橋本と蓮佛は、これまでのイメージをも覆すような鬼気迫る演技を見せつけている。

また、工藤美桜、七五三掛龍也といった若手注目株や、渡辺真起子、床嶋佳子、宮崎美子、神保悟志ら実力派俳優たちが脇を固めており、彼らの出演シーンも見逃せない。

Character

橋本涼
(桐谷健太)

かつて起こった女子高生両親殺害事件の犯人・大渕の自叙伝を担当した編集者。現在は同事件をモチーフにした小説連載を実現させるべく、新人作家の沙奈と事件の取材を行っている。所属する轟書房の同期の中でも出世頭で、現在の肩書きは副編集長。なぜ彼が過去に大渕の自叙伝を手がけたのか?

小椋沙奈
(倉科カナ)

新人作家。数年前に新人賞を受賞し注目されたが、その後は思うように結果が出せていない。大渕の自叙伝に強い興味を抱き、橋本に事件をモチーフにした小説企画を持ち込む。取材にも熱心に取り組む真面目な女性だが、帰宅すると母との間に問題を抱えていたり、過去の記憶が曖昧だったりと、何らかの事情や過去が見え隠れする。

大渕秀行
(橋本良亮)

18年前に、当時付き合っていた交際相手の高校生・青田彩也子を洗脳し、彼女の両親を殺害した罪で死刑が確定。現在は服役しているが、ある情報を耳にしたことを機に無実を訴え再審請求を起こす。彼と関係のあった人間の証言では、若い頃から狡猾で、相手を巧みに利用し、幼い頃から殺人を犯すことも厭わない残忍な人間だというが……。

鈴木(大渕)玲子
(蓮佛美沙子)

大渕の妻。法廷画家として大渕の裁判を傍聴したことがきっかけで、大渕と獄中結婚した。エリートの一家に育つも家族の中に居場所がなく、半ば家族に復讐するかたちで結婚し、家を飛び出したが、常に疎外感を感じており、大渕の存在に依存するようになっていく。夫からの依頼で彼の再審請求のため金策に走るように。

市川聖子
(斉藤由貴)

かつては轟書房の編集者として巨額の予算を動かしていたが、ホストをしていた大渕に会い、彼のパトロンとして会社の経費を使い込み、解雇された過去をもつ。現在は清掃員をしているが、橋本と沙奈が取材に訪れたのをきっかけに、“ある考え”を抱き、自らも動き出す。酒グセが悪く、周囲を翻弄するやっかいな存在でもある。

若手キャストにも注目!

青田彩也子
(工藤美桜)

18年前に交際相手の大渕秀行に洗脳され、両親を殺害。裁判では無期懲役が確定した。ある者の証言では純粋無垢で、大渕の言われるがままに両親を殺害したとされるが、別の者の証言でそれまでとは違った人物像が浮かび上がり、隠されていた彼女の過去が次第に明らかになっていく。

鈴木洋平
(七五三掛龍也)

礼子の弟。父と同じエリート街道を歩み、現在は大手銀行に勤務。容姿、環境に恵まれ、頭脳も明晰で自信家。定職につかず、イラストレーターを目指す姉の礼子を蔑んでおり、姉が援助を求めた際も容赦なく突き放す。順調な人生を送っていたが、思わぬ事態に直面することになる。

REVIEW
「坂あるところに高低差あり」
社会に渦巻く高低差から生まれる傑作ミステリー

本作は、過去に起こった事件の真相を追うミステリーでありながら、“過去”ではなく、事件を追う者・かつて事件に関わった者たちの“変化していく現在”が物語の中心になっている。

かつて起こった殺人事件に関する人々の証言や人物像はそれぞれ異なっており、誰もが自分の見た/自分が解釈した事件と過去を信じ、エピソードが進む中でそれぞれが深みにハマって抜け出せなくなっていく。「真実はいつもひとつ!」と言い切れない恐ろしさが本作にはある。最終回まで観ると視聴者の数だけ“真相”がある。そんな作品と言えるだろう。

そして、本作をさらに楽しむポイントはタイトルにもなっている“坂”だ。原作者の真梨幸子はこう語っている。

坂あるところに高低差あり。高低差あるところにエネルギーあり。エネルギーあるところに、妬み嫉みあり。

本作には人間関係の高低差がいたるところで描かれる。社会的な成功、経済的な成功、自尊心、プライド、誰からも愛されていないという感覚、疎外感、絶望感、そしてそれらを生み出し、信じ込ませてしまう社会。

『張り込み』『レディ・ジョーカー』『火車』など傑作ミステリーは繰り返し、社会に渦巻く“高低差”を描いてきた。本作は、時に“イヤミス”とも称される小説の映像化だが、そこには多くの人を魅了し続けてきた人気ミステリー作品の要素がギッシリとつまっている。

Report

桐谷健太「心の闇の階段を降りていく感覚」
完成披露試写会で出演者たちが自信のアピール!

本作の完成披露試写会が2月27日、都内で行われ、桐谷健太、倉科カナ、橋本良亮(A.B.C.-Z)、蓮佛美沙子、村上正典監督が登壇。放送開始を目前に控えた心境や、作品の魅力を語った。

主人公の轟書房編集者・橋本涼を演じた桐谷は、企画書の段階で「自分が橋本を生きたら、どうなるか興味が湧きました。登場人物の視点、ご覧になる方の視点で、真実が変わる。そこに刺激を受けた」と出演を即決した理由を説明。「心の闇の階段をどんどん降りていく感覚。黒い渦がぶつかり合って、それが皆さんにも広がっていけば。手前味噌ですけど、見応えがある」と自信のアピールだった。

倉科は新人作家・小椋沙奈役を務めており、「自分の能力を誇示したい気持ちや焦燥感を持ち合わせていて、演じていてエネルギーを使った。思った以上にヘビーでした」と回想。共演回数の多い桐谷の存在が「癒しだった」といい、「私の中ではお兄ちゃん。オフタイムはふざけ合っていて、それがいいバランスになった」と感謝していた。

橋本は、事件の主犯格とされる死刑囚・大渕秀行を演じるため、13キロ減量したといい「マネージャーさんから“死刑囚役だから、やせてください”って。しかも(撮影の)1カ月半前に」と苦笑い。新境地ともいえるダークな役どころに「正直プレッシャーとの戦いでした。サイコパスで感情をむき出しにするが、どこか優しさもあって。どういう気持ちで演じたらいいのか(悩んだ)」と振り返っていた。

大渕と獄中結婚した法廷画家・礼子役の蓮佛も「本当に難しい役で、メンタル面で終始つらかった」と役作りに苦労した様子。村上監督は、『フジコ』(原作『殺人鬼フジコの衝動』)に続き、真梨氏の小説を映像化し「原作が非常に面白いので、製作過程は楽しいが、難しいところも。ダークな部分に引っ張られがちだが、共感性を大事にした。俳優の皆さんがそれを背負ってくれたおかげで、共感できる作品になった」と話していた。

取材・文・撮影:内田涼

WOWOW『連続ドラマW 坂の上の赤い屋根』
3月3日(日)午後10時 放送・配信スタート<全5話>  
【WOWOWプライム】【WOWOW4K】にて放送(第1話無料放送)、【WOWOWオンデマンド】にて配信

出演:桐谷健太
   倉科カナ 橋本良亮 床嶋佳子 工藤美桜 七五三掛龍也
   西村元貴 / 宮崎美子 渡辺真起子 蓮佛美沙子 斉藤由貴
原作:真梨幸子『坂の上の赤い屋根』(徳間文庫)
監督:村上正典(『フジコ』第32回ATP賞テレビグランプリ 特別賞・非放送系コンテンツ部門)
脚本:吉川菜美(『連続ドラマW 湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー』)
音楽:やまだ豊、南方裕里衣
プロデューサー:村松亜樹(WOWOW) 、橋本芙美(共同テレビ) 、関本純一(共同テレビ)
制作協力:共同テレビ
製作著作:WOWOW

公式サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/akaiyane/

真梨幸子・原作『連続ドラマW 5人のジュンコ』:https://wod.wowow.co.jp/program/M10745