佐々木蔵之介&宮世琉弥の世代を超えたリスペクト「佐々木さんとツーショットを撮れてうれしかったです」
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左から)宮世琉弥、佐々木蔵之介 (撮影:映美)
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すべて見る年齢差は36歳。だが、そこにあるのは世代を超えたリスペクトだ。
3月8日公開の『映画 マイホームヒーロー』。連ドラから7年後を舞台に、娘のために人を殺した鳥栖哲雄が再びピンチに見舞われる。哲雄を演じるのは、連ドラから続投の佐々木蔵之介。そして、哲雄の前に現れる謎の人物・大沢隼人として宮世琉弥が新たに加わる。
親子ほど年の離れた二人は、どんな関係を見せてくれるだろうか。
佐々木さんの背中を見ながら、ずっとメモをとっていました
――宮世さんを見つめる佐々木さんの視線がなんともうれしそうですね。
佐々木 (宮世の髪色を見て)金髪やなと思って。ライブやったんやと。
宮世 そうなんです。ついこの間まで。
佐々木 見たよ、ライブのカッコいい写真。
宮世 本当ですか? ありがとうございます!
佐々木 もうね、ずっと追いかけ続けていますんで、君の背中を。
宮世 いえいえ。僕がずっと現場で佐々木さんの大きな背中からいろいろと吸収させていただいていました。
佐々木 うまいこと言うて。
宮世 本当です(笑)! 現場での居方とか、お芝居への向き合い方とか、こんな引き出しもあるんだって勉強になることばっかりで。佐々木さんを見て、いっぱいメモをとっていました。
佐々木 メモをとってたん?
宮世 僕、普段からよくメモをとるんです。たとえば電車に乗ってて、派手目の身なりの女性の方が長い爪で携帯をさわってるのを見て、打ちにくそうだなとメモったり。そういう細かいことも日常的にメモしているので、今回の現場でもメモすることだらけでした。
佐々木 えらいなあ。
宮世 特にすごいなと思ったのが、スタッフさんへの対応なんですけど、佐々木さんはスタッフさん一人ひとりに対してすごく優しいんです。しかもその優しさが自然な感じというか、思わずついていきたくなるような優しさで。僕に対しても初対面なのにボケてくださったりツッコんでくださったり。
佐々木 それは関西人やからかな(笑)。
宮世 それこそロケに行ったときも、まさか佐々木さんからご飯のお誘いをいただけると思っていなくて。僕もすごく緊張していたので、あの食事会のおかげで打ち解けられました。
――お食事の場ではどんなことを話したんですか。
佐々木 何を話したっけ?
宮世 お酒の話をいろいろと教えていただきました。
佐々木 そうや。うちの実家が酒造なんで、日本酒業界の話とかね。
宮世 お酒のつくり方とか選び方とか、そうなんだってためになるようなお話ばかりで。
佐々木 そのときはまだ未成年やから飲めなかったんだよね。
宮世 はい。この間ようやく20歳になりまして、機会があればここから教えていただいたことを活かせるようにしたいなと(笑)。
佐々木 おめでとう!
セイウチのせいでちょっと撮影が押しました(笑)
――お二人の最初の撮影シーンはどの場面だったんですか。
佐々木 二人が最初に会う水族館のシーンですね。彼の役の話をすると、オタクで、ちょっといびつなところを持っている役なんですけど、登場はとても溌剌としていて明るくて活力があるので、そこはとても面白かったですね。
宮世 ありがとうございます!
佐々木 さかなクンみたいなかぶりものをかぶってね、敵か味方かわからないという非常に面白い出方で。
宮世 最初に会ったときの立ち位置とか、近づいてくるタイミングとか、そういう動きの動機を佐々木さんからアドバイスいただけたのがすごく心強かったです。
佐々木 クランクインの段階から、ちゃんと感情が心に落ちているのがすごいなと思った。だから、動きも自然とこういうふうにした方がいいというのが決まって。一緒のシーンはそこが初めてだったんですけど、役者としての会話がすでにできていたので、僕も安心でしたね。
――撮影の裏側で印象的だった思い出はありますか。
宮世 ちょうどそのシーンでセイウチが鳴き出したんですよね。
佐々木 そうそう(笑)。水族館をお借りして、すごくいい画が撮れて、お芝居もね、いいのができたんですけど、急にセイウチが鳴き出すんですよ。
宮世 あれ、なんでだったんですかね。急に鳴き出しましたよね。
佐々木 しかも定期的に(笑)。さすがにセイウチの鳴き声を止めることはできなくて、それでちょっと撮影が押しました(笑)。
宮世 ただそのおかげで、待ち時間の間に佐々木さんとツーショットが撮れたんです。そこでちょっと距離が縮まったので、セイウチには感謝しています(笑)。
守りたいものは、長期休暇です(笑)
――そんな和やかな現場ではありますが、この作品が扱っているテーマはすごくシビアですよね。もし自分のために父親が殺人という罪を犯したら、お二人はどうすると思いますか。
佐々木 なぜそんなことを父親にさせてしまったのか、自分を責めるでしょうね。
宮世 すごくショックですよね。
佐々木 それをずっと隠し続けさせたことにも申し訳なくなると思う。でも、その後はどうするんやろうね。
宮世 僕はやっぱり自首を勧めると思います。
佐々木 そうしかできひんよね。
宮世 どんなに隠し通しても最終的には絶対にバレちゃうと思うんです。だったら、早く自首して、早く罪を償って、早く出てきてほしい。家族としてはそう願うしかないですよね。
――哲雄の行動はすべて家族を守るためでした。ライトな答えで大丈夫です。お二人が守りたいものはなんですか。
佐々木 長期休暇(笑)。
宮世 それは守りたいですね(笑)。
佐々木 1日2日の休みとかじゃなくてね。長期休暇をとって、日本から逃亡したい(笑)。
宮世 海外ですか?
佐々木 せっかく海外にも行けるようになったしね。まずはアジアとか、今は寒いから一旦温かいところに行って、そこから西の方まで逃亡生活したいですね。
宮世 僕が守りたいのは、ペットです。犬を飼ってるので。
佐々木 おお。犬種は?
宮世 パピヨンです。ちょっといいご飯を買ってあげたり、いいおやつを買ってあげたり、それが僕の働くモチベーションになっていて。疲れて帰った日はペットが癒しです。「ただいま〜」って思わず声が高くなります(笑)。
運転免許取得をリベンジしたい!
――大沢は間野会への復讐心が生きる原動力です。お二人のリベンジしたいことは?
佐々木 2月1日にInstagramとXを開設したんですけど、何をどうしていいかわからなくて。何の投稿もしないまま、昨日初めてインスタライブをやったんですよ。普通、なんかつぶやいてからインスタライブやろうという。
宮世 一発目がいきなりインスタライブだったんですか(笑)。
佐々木 そう。逆やろって話なんですけど。何もわからないまま終わってしまったんで、リベンジしたいです。
宮世 インスタライブって難しくないですか。僕も全然機能とかわかっていなくて。何を話していいのかもよくわからないです。
佐々木 ほんまそれよ。一人だと間が持たない。
――どうでしょう。これからSNSは楽しめそうですか。
佐々木 …はい!(と、無理矢理な笑顔)
宮世 お察しします(笑)。今度インスタライブをやるときは絶対に教えてください。観に行きます!
――宮世さんのリベンジしたいことは何ですか。
宮世 運転免許ですね。ありがたいことにお仕事のスケジュール的に行けなくなっちゃって。
佐々木 それは痛いね。
宮世 仮免まで行ったんですけど、途中で行けなくなっちゃって無理でした。だから、長期休暇をとってリベンジしたいです!
佐々木 しばらく間があくと腕が鈍るから大変よな。
宮世 頑張ります。でも、標識を覚えるのとかは得意でした。教習で走っていたのが田舎道だったのもあって、覚えた標識が全然出てこなかったんですけど(笑)。
――縦列駐車でポールに当たったりしませんでしたか。
宮世 大丈夫でした!
佐々木 すごいやん。
宮世 ずっと父が運転しているのを見ていたのでコツを掴んでいたみたいです(笑)。
財布は毎日チェックした方がいい(笑)
――宮世さんは現在20歳。佐々木さんは20歳の頃、何をしていましたか。
佐々木 何してたやろ。学生やったけど、何も考えてなかったなあ。金はないけど、時間はあるという感じで。ちょうど20歳だと芝居を始めた頃だと思うんですけど、プロになろうなんてこれっぽっちも思ってなかった。だからすごいと思いますよ、20歳でこんなプロ意識を持って働いてるのを見ると。
宮世 ありがとうございます。
佐々木 さっきも、弱音をこぼしそうになったら、なんで自分はこの仕事を始めたのかを考えるようにするという話をしていて。僕、20歳の頃、そんな立派なこと、まったく考えてなかったですからね。教室にも行かず、ひたすら部室に行ってた思い出しかない。素晴らしいと思います。
――宮世さんから佐々木さんに聞いてみたいことはありますか。
宮世 お芝居のこととか聞いてみたいですけど、人によってそれぞれの部分があるので難しいですよね。聞いてみたいというより、頭の中を覗いてみたいなと思います。どんな人生経験をされてきたのか、佐々木さん視点で覗いてみたいです。
佐々木 それいいね。僕も覗いてみたいわ、20歳の頭の中を。
――では、佐々木さんから宮世さんに先輩としてのアドバイスはありますか。
佐々木 立派すぎて僕から教えられることなんてないですけど、この数日、財布がないらしいんですよ。だから、財布は毎日チェックした方がいい(笑)。
宮世 間違いないです(笑)。
佐々木 しかも、財布がないことに2〜3日経ってから気がついたらしくて。それはあかんよ。
宮世 大事なものがいっぱい入ってるのに全部アウトです。これからは毎日チェックするように気をつけます!(笑)
取材・文:横川良明 撮影:映美
<作品情報>
『映画 マイホームヒーロー』
3月8日(金) 全国ロードショー
【出演】
佐々木蔵之介
齋藤飛鳥 高橋恭平(なにわ男子) 宮世琉弥 板倉俊之(インパルス)
大東駿介 淵上泰史 西垣匠 金子隼也/立川談春 神野三鈴
音尾琢真/津田健次郎 木村多江
主題歌:「インソムニア」Eve(TOY’S FACTORY)
原作・漫画:山川直輝・朝基まさし『マイホームヒーロー』(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:青山貴洋
脚本:船橋勧
音楽:堤博明
制作プロダクション:TBS スパークル C&I エンタテインメント
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:
https://wwws.warnerbros.co.jp/mhh-moviejp/
(C)2024 映画「マイホームヒーロー」製作委員会
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