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広瀬すずのヒロインオーラが全開! 『なつぞら』十勝ロケで垣間見えた出演者たちの絆

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リアルサウンド

 1月26日、北海道・十勝陸別町にて、NHK連続テレビ小説100作目『なつぞら』のロケ見学会が行われた。

参考:『なつぞら』広瀬すずの親友役にも抜擢 『3年A組』富田望生、“新たな女優像”築く逸材の登場

 本作は、戦後、広大な北海道の自然、そして日本アニメの草創期を舞台に、まっすぐに生きたヒロイン・なつ(広瀬すず)の夢と冒険、愛と感動のドラマ。1946年の初夏、戦争孤児の奥原なつは、なつの父の戦友・柴田剛男(藤木直人)に連れられ、北海道・十勝にやってくる。剛男の父・泰樹(草刈正雄)から生きる術を学び、母・富士子(松嶋菜々子)に見守られながら、長男・照男(清原翔)、長女・夕美子(福地桃子)、次女・明美(平尾菜々花)らと共に柴田家の娘として逞しく成長していく。 

 帯広駅からバスで2時間弱、見渡す限り真っ白な大地を横目に陸別町の牧場にたどり着く。「日本一寒い町」と謳われるとおり、この日も気温は−5℃を記録。が、一昨日が“目も開けていられないほど”という極寒だったようで、まだ“暖かい日”だったとか。

 この日の撮影は、吹雪で家に帰れなくなっていたなつが、一夜明けて家族の元へ戻ってくるシーン。なつが家を飛び出る原因のひとつとなった照男が、自身の責任を感じ、家族の静止を振り払いながら飛び出ていったところに、なつが帰ってくるという一幕だ。

 撮影シーンには、草刈正雄、藤木直人、松嶋菜々子、清原翔、吉沢亮、小林隆、音尾琢真が登場。靴、帽子、上着など、現在とは異なる防寒着に身を包み、寒さを物ともせず、テストシーンを繰り返していく。印象的だったのは、草刈の“マタギ”のような衣装。今回の『なつぞら』は大河ドラマ『真田丸』のスタッフも参加しているようで、草刈が演じた真田昌幸をイメージしているとのこと。草刈自身も「泰樹は昌幸の生まれ変わり」とコメントしている。

 一連のシーンで特に印象に残ったのが、照男を演じる清原翔。そして、暴走する照男を止めるなつの“憧れの人”・山田天陽を演じた吉沢亮だ。2人の本番シーンでのシリアスな表情と、カメラが止まった際の和やかな笑顔は対照的で、役者のスイッチが入る瞬間を垣間見ることができた。2人は一昨日の撮影では、とある理由を巡り「スキー対決」を行っており、こちらも放送時には大きな注目を集めそうだ。

 撮影は終始和やかな雰囲気で進み、特に現場でムードメーカーの役割を果たしていたのが、柴田家の従業員・菊介を演じる音尾琢真だ。北海道出身ということもあり、出演者たちの“ガイド役”として、名所や名店を紹介しているそう。撮影の合間には広瀬すずとの“即興コント”なども行っているようで、「広瀬さんは43歳のおじさんにも分け隔てなく接してくれて、天真爛漫で本当に素敵」と、この日の記者陣にも茶目っ気たっぷりなコメントを多数送ってくれた。

 そして、なんと言ってもヒロイン・なつを演じる広瀬すずだ。柴田家が帰ってきたなつの姿を確認して歓喜したのと同様に、広瀬が現場の中心にやってくると、不思議と全体に明るい雰囲気が漂うのだ。義母としてなつを見守る富士子を演じる松嶋も、「年末からハードスケジュールで疲労も溜まっていると思うのに、微塵もみせずに頑張っている」とその姿勢を称賛すると、菊介の父・悠吉を演じる小林隆も、「現場での対応力が素晴らしい。真ん中にいるふさわしい女優さんです」と絶賛。

 朝ドラ100作目、そして新元号最初の朝ドラとして、節目のヒロインに選ばれた広瀬。大きな注目が集まる中、それでもその期待値を軽々と越えていきそうな、そんな思いを抱かせるのに十分なオーラをまとっていた。記者陣への気遣い、スタッフ・共演者たちのコミュニケーションなど、まさに座長に相応しい立ち居振る舞いであった。

(取材・文・写真:石井達也)