リリー・フランキーが「コットンテール」監督を語る、高梨臨は海外スタッフにモテモテ
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「コットンテール」初日舞台挨拶の様子。
日英合作映画「コットンテール」の初日舞台挨拶が本日3月1日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストのリリー・フランキー、木村多江、高梨臨が登壇した。
学生時代にオックスフォード大学と早稲田大学で日本映画を学んだ監督のパトリック・ディキンソンが、自身の母親を看取った経験をもとに脚本を書き上げた本作。妻・明子に先立たれた兼三郎は「イギリスのウィンダミア湖に遺灰を撒いてほしい」という彼女の願いを叶えるため、長らく疎遠だった息子・慧(トシ)とその妻・さつきたちとともにイギリスへ旅立つ。リリーが兼三郎、錦戸亮が慧、木村が明子、高梨がさつきを演じた。
大勢の観客に迎えられたキャスト陣。リリーは「もうちょっと小さい映画館でやると思っていましたが、こんなに大きな劇場で初日を迎えることになるとは。いろんな舞台挨拶をさせていただきましたが、特に感慨深い」としみじみ。コロナ禍の日本、イギリスで撮影を行ったことを「あの大変な時期に映画を作った。毎日のようにPCR検査をしていた。検査の棒を鼻のものすごい奥まで入れる医師の方もいて……。セリフどころじゃない、もう涙が出てきて大変でした(笑)。ですが、本当にいろんな力に支えられて完成した映画。感無量です」と振り返った。
またリリーは、本作でタッグを組んだディキンソンについて「彼は溝口健二監督に影響を受けて日本映画を研究された。日本に対するリスペクトがすごい。日本人以上に礼節を重んじる方で、イギリスのジェントルな部分も合わせ持っている。みんなが彼のためにがんばれる。撮影が延期された期間も手紙でやりとりをしたいと言ってくれた」とコメント。さらに、自身も「母親の介護経験がある」と話すリリーは「日本人監督がこの映画を撮ると『ある日本の家族の話』になっていたかもしれない。彼が撮ることで世界も同じように介護問題を抱えているんだと思える。普遍的なメッセージを感じました」と語った。
これまで「ライク・サムワン・イン・ラブ」や「KILLERS/キラーズ」といった海外作品に出演してきた高梨は「パトリック監督は日本が好きで、日本語もすごく堪能でいらっしゃった。コミュニケーションのほとんどが日本語だったので、海外の監督とお仕事をしている実感はあまりなかったです」と回想する。イギリスでの撮影にはヨーロッパ各地からスタッフが集結したそうで、リリーは「臨ちゃんめっちゃモテてました」と明かした。
リリーと木村は「ぐるりのこと。」以来、約16年ぶりに夫婦役で共演を果たした。木村は「昔に夫婦のような時間をしっかりと作ったことで、今回は長年一緒に苦楽をともにしてきた夫婦の空気感がすぐに生まれた。不思議な感覚でしたね」と述べる。リリーは「『ぐるりのこと。』の監督である橋口亮輔さんに、今回の話を伝えたら『リリーさんは一生、多江ちゃんを介護する役だね』と言われました」と続けた。
なおディキンソンは本作のプロモーションで来日予定だったが、本人のやむを得ない事情により登壇は叶わなかった。しかし、イベントの最後にリリーから「パトリックに写真を送りたい」とリクエストがあり、観客との記念撮影を実施。リリーは「改めまして、皆さん今日はありがとうございます」と思いを伝えた。
「コットンテール」は全国で上映中。
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