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佐々木大光、鈴木悠仁らが“俳優”を熱く魅せる

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(撮影:吉田沙奈)

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横内謙介が劇団善人会議(現・扉座)のために書き下ろした『フォーティンブラス』。シェイクスピアの代表作『ハムレット』にたった2回だけ登場するノルウェーの王子・フォーティンブラスにスポットライトを当てた作品だ。

今回は佐々木大光、鈴木悠仁、木﨑ゆりあ、荒井敦史、矢島舞美・伴美奈子(Wキャスト)、吉田智則、武田義晴らが集結。3月1日の開幕を前に、舞台挨拶とゲネプロが行われた。

初日に向けた心境を聞かれ、佐々木は「中々緊張する舞台です。僕はまだ100パーセントとは言えません。でも、お客様には完璧なものをお届けしたいと思っています」と意気込む。鈴木は「ストレートの舞台は初めてで、イチから学びました。全部出し切れるように頑張ります」、木﨑は「歴史ある作品なので、当時からある面白さに今の私たちにしか出せない色を足したいです」と気合を入れた。

役を演じる上で心掛けたことを聞かれると、佐々木は「僕は売れない俳優の役。俳優の気持ちは理解しきれないところがありますが、自分のアイドル生活に置き換えて考えました。あと、僕は通信簿でオール1を取るような人間なので、言葉が本当に難しくて。漢字を学び直しました」と話し、鈴木は「和馬は本当に真面目。僕とは正反対なので、真面目さを表現するのに苦労しています」と語る。

荒井が演じるのはハムレットを演じる大スター。「僕は大スターになったことがないのがネックですが、スターになった人も色々と大変な経験をしている。スターっぽい姿を見せられるようにもがき苦しもうと思います」と意気込んだ。

見どころについて、矢島は「パンフレットを見たんですが、みんな色々な経験をして、悔しい思いなどを乗り越えて一緒に作品を作っていると感じました。舞台裏を感じてもらえる作品なので、見に来てくれた方々にも「もっと応援したい」と思ってもらえたら嬉しいです。俳優を目指す方だけではなく、みんなの背中を押せる作品だと思います」と、物語と現実がリンクするような作品だと語る。

伴も「バックステージものということもあり、舞台を降りた役者がどんなふうにお酒を飲むか、俳優がどんな準備をして舞台に立っているかなどが等身大で描かれています。現代で考えたらこうかな、と更新しながら作っているので、興味深く見ていただけると思います。そんな役者たちを愛おしく感じていただけたら幸いです」とアピール。

最後に佐々木が「紀伊國屋ホール60周年でこの作品を皆様にお届けします。みんなで情熱を持って千穐楽まで駆け抜けたいと思うので、応援よろしくお願いいたします」と締め括った。

ゲネプロでは老女優・玉代を伴美奈子が演じた。佐々木は、売れない役者である羽沢武年の苦悩や芝居に対する情熱、ワガママな大スターへの反発心を見事に表現。座組の仲間や“亡霊”と接する中で成長していく姿、俳優としての矜持をイキイキと見せる。鈴木は同じく脇役の岸川和馬役。真面目でひたむき、不器用な姿にやきもきさせられ、背中を押したいと思わせる青年を好演した。 荒井は昭和感あふれるスターを憎らしくもユーモラスに表現し、木﨑は初めて舞台に出演するバラエティタレント・ひろみの変化を丁寧に描き出している。

田之倉役の武田はコミカルに武年たちに寄り添い、伴は玉代の深い愛や強い意志を静かな迫力をもって伝える。亡霊役の吉田は、芝居に対する執着や息子への思いを滑稽に、切なく演じた。

時事ネタなども加わって2024年版にリニューアルしているが、俳優の熱量や胸に迫るセリフはこれまでの公演と変わらない。「演劇」の魅力を存分に味わえる作品にぜひ期待してほしい。

取材・文・撮影:吉田沙奈

<公演情報>
紀伊國屋ホール開場60周年記念特別公演『フォーティンブラス』

■公演日程
【東京公演】2024年3月1日(金)〜3月18日(月) 紀伊國屋ホール
【神戸公演】2024年3月23日(土)〜3月24日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe

■チケット情報
https://w.pia.jp/t/fortinbras2024/

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