永瀬正敏、主演作『赤い雪』は「日本映画の新たな才能の誕生」
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(左から)佐藤浩市、夏川結衣、永瀬正敏、菜葉菜、井浦新、甲斐さやか監督
マラケシュ映画祭のコンペティション部門に正式招待された『赤い雪 Red Snow』の公開記念舞台あいさつが2月2日、東京・テアトル新宿で行われ、ダブル主演の永瀬正敏と菜葉菜、井浦新、夏川結衣、佐藤浩市、本作で長編デビューを飾った甲斐さやか監督が登壇した。
甲斐監督が、実話を基にオリジナル脚本を執筆したミステリーサスペンス。白川一希(永瀬)の弟の失踪から30年後、事件の真相を追う記者・木立(井浦)が、少年誘拐の容疑者と疑われた女のひとり娘・江藤小百合(菜葉菜)を見つけたことをきっかけに、それぞれの運命の歯車が動き出していく。
脚本に惚れ込んだという永瀬は、「日本映画の新たな才能が誕生した瞬間に立ち会えて幸せ」と主演作の公開にあふれる思い。甲斐監督について「脚本と違って、温和な方ですが、でも全然引かない(笑)。ビジョンがしっかりあって、決してブレることがない」と“新たな才能”の手腕を改めてたたえていた。当の甲斐監督は「豪華ですよね。恐れ多いし、感無量です」と豪華キャストの集結にしみじみ。「脚本を書いている間、ほぼ妄想に近い形で考えていた皆さんに出演いただき、光栄に思います」と感謝を示した。
「憧れであり、尊敬する先輩に囲まれて、プレッシャーも大きかった」と胸中を明かす菜葉菜は、「それでも、皆さんや甲斐監督が見守り、支えてくださったので、最後まで駆け抜けることができた」と安どの表情。「まだまだ未熟」と語る菜葉菜に対し、永瀬が「260%の頑張りを見せてくれた」と労をねぎらう場面もあった。
「大先輩の胸を借りて、夢中で演じさせてもらい、幸せしかない。学び、挑戦、実験が多い現場だった」(井浦)、「一気に読める、最近ではめずらしい脚本。女性監督の初長編というのも興味がわき、現場に身を置きたいと思った」(夏川)と共演陣も出演への喜びをコメント。周囲の人々を翻ろうする役どころの佐藤は「悪い役は久しぶり、楽しいですよ」と不敵な笑みを浮かべ、「薄汚れて見せたくて、歯をドライヤーで乾かし、黄色くした。まるで疑似“三國連太郎だ!”って(笑)」とこん身の役作りを、亡き父と重ね合わせた。
『赤い雪 Red Snow』
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取材・文・写真:内田 涼
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