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サンボマスター、挫折から始まるドラマ『チア☆ダン』との親和性 主題歌&イメージソングから考察

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リアルサウンド

 サンボマスターが8月15日にシングルリリースする新曲「輝きだして走ってく」。本日7月13日からスタートするTBS金曜ドラマ『チア☆ダン』の主題歌にも決定している同曲は、予告編でもすでに解禁されている通り、〈負けないでキミの心 輝いていて 大丈夫 乗り越えられる〉とリスナーを力強く鼓舞する熱量の高いロックチューンに仕上がっている。

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 土屋太鳳が主演を務めるドラマ『チア☆ダン』は、昨年公開の映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の9年後を舞台にオリジナルストーリーが描かれる。映画は、福井県立福井商業高校のチアリーダー部・JETSが全米チアダンス選手権大会で優勝した実話がもとになった作品だったが、ドラマではJETSに憧れを持つ女の子・藤谷わかば(土屋)が主人公。JETSのある高校の受験に失敗し、他校の弱小チアリーダー部に入部することから物語は始まり、「全米制覇」という“できっこない夢”をひたむきに追いかける青春ストーリーだ。

 同ドラマでは主題歌のほかにも、ライブでは必ず盛り上がるサンボマスターの人気ナンバー「できっこないを やらなくちゃ」がイメージソングとして使用されるのだが、これには実話にちなんだ経緯がある。世界トップクラスのチアリーダー部として現在も目覚ましい活躍をしているJETSにとって同曲は、実際に創部当初から踊り続けている大事な曲なのだ。

 今年1月にTBSで放送されたお正月特番『さんま・玉緒のお年玉!あんたの夢をかなえたろかSP』では、JETSの顧問・五十嵐裕子先生の誕生日のサプライズプレゼントとして、サンボマスターが現地を訪問。「できっこないを やらなくちゃ」の生演奏とともに、JETS現役部員とOG総勢80名によるチアダンスが披露され、その感動的なステージングが大きな反響を呼んでいた。こうした経緯のもと、ドラマ化にあたり「主題歌に相応しいのはサンボマスターしかいない」とドラマサイドが楽曲提供を依頼、サンボマスターの2曲が『チア☆ダン』の世界を彩ることが決定したのだという。

 サンボマスターといえば、いつどんな時もリスナーの心を奮い立たせる熱いメッセージを届けてくれるバンドだ。特に彼らのライブパフォーマンスは、誰もが抱える後ろ向きの感情、自信のなさ、劣等感などを力技ではねのけてしまうほどのエネルギーが溢れている。

 前シングル曲「オレたちのすすむ道を悲しみで閉ざさないで」のMVでは、一人の少女がバレリーナとして成長していく過程が描かれていた。これもやはり逆境から立ち上がるストーリーだった。サンボマスターの楽曲には、しぼんだ心や「うまく行かない」という時にこそ胸に響くパワーがあるのだ。だからこそ、JETSのパフォーマンス曲に「できっこないを やらなくちゃ」が使われたことや、受験に失敗したわかばや受験を機にバレエの夢を諦めた橘穂香(箭内夢菜)、全赴任校で心が折れてしまったという顧問の漆戸太郎(オダギリジョー)など、それぞれの“挫折”から始まるドラマ『チア☆ダン』の主題歌をサンボマスターが務めることには必然性を感じる。

 〈負けないでキミの心〉〈あきらめないでどんな時も〉そのサンボマスターのエールが、ドラマ『チア☆ダン』のストーリーと溶け合って、今も逆境の中にいる誰かの背中を押してくれるはず。“ありえない夢”を追いかけ、つかもうと頑張る女子達の奮闘劇もさながら、サンボマスターと『チア☆ダン』ソウルの再タッグも、本ドラマを観るうえで欠かせない見どころの一つだろう。(渡邉満理奈)