尾上菊之助&片岡愛之助、歌舞伎座で2カ月連続で共演中「もっとご一緒したい」と相思相愛見せつける
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左から片岡愛之助、尾上菊之助。
尾上菊之助と片岡愛之助の取材会が、本日3月13日に東京・歌舞伎座ギャラリー 木挽町ホールで行われた。
菊之助と愛之助は、東京・歌舞伎座で上演中の「三月大歌舞伎」、そして4月に同劇場で上演される「四月大歌舞伎」で、2カ月にわたって共演。「三月大歌舞伎」昼の部「菅原伝授手習鑑 寺子屋」では、菊之助が松王丸、愛之助が武部源蔵、夜の部「伊勢音頭恋寝刃」では、菊之助が今田万次郎、愛之助が料理人喜助を演じており、「四月大歌舞伎」昼の部「夏祭浪花鑑」では愛之助が団七九郎兵衛と徳兵衛女房お辰、菊之助が一寸徳兵衛、夜の部「四季」では菊之助が女雛、愛之助が男雛を勤める。
2人が共演するのは、昨年福岡・博多座で行われた「六月博多座大歌舞伎」以来。同公演の夜の部で披露された「夏祭浪花鑑」でも、愛之助が団七、菊之助が徳兵衛を演じた。菊之助は、博多座公演を通して愛之助と仲を深めたことを明かしつつ、「一緒にいて心地が良いですし、役として対峙したとき、気持ちと気持ちでぶつかり合っている感覚があり、戸惑うことがないんです。もっとご一緒したいなと思っていたときに、3・4月と連続で共演がかないまして。これからもっといろいろなお芝居でご一緒したい」と瞳を輝かせると、愛之助はうれしそうに「呼ばれたら、さっと現れますから(笑)」とうなずく。愛之助は菊之助の魅力について「昔から研究熱心ですし、柔軟さもありながら、俯瞰する力も持っていらっしゃる。また『今日はこういうふうにやってみたい』と、変化球も楽しむ方。そういうところが、一緒にやらせていただいて気持ちが良い。もっともっとご一緒したいですね」と触れ、報道陣を前に相思相愛ぶりを見せつけた。また菊之助が「愛之助さんは博多座公演以降、怒涛のようなスケジュールだったので、身体を心配しておりました」とコメントすると、愛之助は「(菊之助から)時々お電話をいただきました(笑)」と明かした。
現在上演中の「寺子屋」では、菊之助は松王丸を初役で勤めている。菊之助は「この作品に魅了されて育ってきました。憧れの気持ちを持って、挑ませていただいております」と述べ、「芝居は、相手と“イキ”を合わせて作っていくもの。愛之助さん演じる源蔵の“イキ”をいただいて、なんとか勤めさせていただいております」と愛之助への信頼を言葉ににじませる。愛之助は「源蔵を演じるのは2度目です。基本的に座ってしゃべっているので、肉体的には疲れないのですが、精神的にすごく疲れるお役」と役に言及。また菊之助の演技を「初役とは思えない素晴らしい松王丸」と表現し、「ものすごく暗く、重い物語ではあるのですが、菊之助さんとの“イキ”のかけ合いや、セリフのキャッチボールが気持ちが良くて。毎日、開演前に『今日もできるんだ!』とワクワクするんです(笑)」と語ると、隣に座っていた菊之助もにこやかにうなずき、同意した。
話は、4月上演の「夏祭浪花鑑」に。愛之助が、団七を「一本気な男。困ったことがあったら『よし、やってやる』と言ってくれるような、度量の広い“大阪の兄ちゃん”ですね」と言い表すと、菊之助は「ぴったりですよね(笑)」と報道陣に笑顔を向ける。なお愛之助は「六月博多座大歌舞伎」での団七ほかの演技が評価され、令和5年度(第74回)芸術選奨を受賞した。菊之助が「徳兵衛として、“毛穴の一つ一つから大坂の匂いが噴き出すよう”な団七に向かっていくのは、かなりのプレッシャーです。足を引っ張ってはいけないので、食らいついていきたい」と、愛之助の芸術選奨の贈賞理由に触れながら意気込みを述べると、愛之助は照れ笑いを浮かべる。愛之助は、博多座公演を振り返り、「上方のお芝居ですので、言葉も江戸のものとは異なり、とても難しいはずなのに、菊之助さんは自然に徳兵衛を演じられていて、すごいなと。(共演していて)『一寸徳兵衛って、こんな人だったんだ』と感じました。今回も、団七と徳兵衛としてご一緒できて、こんなにありがたいことはない」と言葉に力を込めた。
「四月大歌舞伎」は4月2日から26日まで東京・歌舞伎座にて。チケットの一般販売は明日3月14日10:00にスタート。
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