演出＆プロデューサー・城田優が掲げる“実力第一”の哲学

城田優がプロデュース・演出を務め、自らもシンガーとして出演する、歌とダンスのオリジナル・エンターテインメントショー「TOKYO ～THE CITY OF MUSIC AND LOVE～」が東京・渋谷の東急シアターオーブとシンガポールにて開催される。「これまで観たことのないショーになります！」――城田はそう言葉に力を込める。

今回のショーのきっかけとなったのは、2021年に米倉涼子との共同プロデュース・演出で、ブロードウェイミュージカルの名曲を歌とダンスで紡いだ「SHOWTIME」。好評を受けて、同じシアターオーブで「日本を代表する、世界に飛び出していくようなショーをつくりたい」という思いから企画された。

シンガーとしてSWEEP、RIOSKE（ペルピンズ）、吉田広大、さらに、新世代のアーティスト、Rainy。、yuzu（FYURA PROJECT）そしてダンサーとして原田薫、大村俊介[SHUN]、碓井菜央、BOXER、高村月、さらにスペシャルゲストとしてmiwa、鷲尾伶菜、島津亜矢が出演する。

「SWEEPくんは前回の『SHOWTIME』に出てもらった森崎ウィンくんから『ヤバい人がいる』と紹介してもらったのですが、歌が本当に上手くて、音楽的なスキルやセンスも含めて尊敬している方です。RIOSKEくんは最近SNSでバズッってますが、僕はそれ以前からチェックしていました(笑)。COLOR CREATIONで歌ってるのを見て、群を抜いて上手くて『なんだこの子！』と思いました。吉田広大くんは、僕が信頼しているある女優さんが『絶対に優さんが好きだと思います』と、『ロミオ＆ジュリエット』で僕も演じたティボルト役をやっている彼のことを教えてくれ、実際に観たら、歌と芝居のバランスも含めてすごく良かったんですよ。Rainy。とyuzuの2人は、まだ10代ですが、伸びしろがあるのでこれからの期待を込めて将来枠”として決めました。」

ダンサー陣に関しても、これまでも幾度も競演し信頼を置く原田薫や [SHUN]に加え、「ダンスのキレがすごく魅力的で、『自分もあれくらいカッコよく踊れたらな』と見惚れてしまう」という碓井菜央ちゃん、さらには「インスタで見つけて『ユニークで、個性が爆発している！』と思って」オファーしたというBOXER、「友人の誕生会にゲストで来ていて、（そこでのダンスを見て）感動して、その場で声をかけた」という高村月など全員、城田自らがオファーして決定した。 「どの世界でもそれが本来あるべき姿だと思っているのですが、良いクリエイターやアーティストがもっと世間に知られるべき。僕自身が納得した人たちを選んでます。ダンサーも『後ろで踊るもの』という概念をぶっ壊したい。全員が主役だし、“バックダンサー”はいません」

自らを「ビッグマウス」と称し「これを読んだ方に『じゃあ、お前はどうなんだ？』と思われるのを覚悟してしゃべっています（笑）」と語った上で、日本のミュージカル界に対し、時に厳しい言葉も口にする城田。全てはエンタテインメントへの情熱とリスペクトゆえ。自身が演出・プロデュースを務める上での哲学をこう熱く語る。

「高いチケットを買って劇場に足を運ぶお客様には質の高い作品を観てもらいたいし、みなさんには作品の『善し悪し』をご自分で判断してもらう事もエンタテイメントの発展のためには必要ではないかと思うのです。そのためには、ずば抜けて質の高いものを作って、比較対象を作らなきゃいけないと思っています。選択肢が増えるほど、どこが好きでどこが嫌いか考えるようになるし、『なぜ好きなのか？』がわかればもっと豊かになるし、上質なものが作れるし、観る側の想いもきっと変わってきます。日本のエンタテインメント界が、話題性ばかりが先行されるのではなく出演者とスタッフたちが作り上げた作品が結果的にビジネスになるようにしたいと思っています」

取材・文：黒豆直樹
撮影：木下 雄介
ヘアメイク／Emiy(エミー)
スタイリスト／山中有希奈

＜東京公演＞
TOKYO〜the city of music and love〜

公演日程：2024年5月14日(火)～5月19日(日)
会場：東急シアターオーブ
チケット情報：
https://w.pia.jp/t/tokyoshow24/