その土地だから存在できるものがある。宇梶剛士が語る『新生！熱血ブラバン少女。』

博多華丸が主演を務める博多座25周年記念作品『新生！熱血ブラバン少女。』が4月6日(土)から21日(日)まで福岡・博多座で、26日(金)から28日(日)まで大阪・新歌舞伎座で上演される。出演者の宇梶剛士に話を聞いた。

華丸にとって博多座で5度目の座長公演となる本作は、2017年に上演された舞台『熱血！ブラバン少女。』の新作。前作同様、福岡市にある吹奏楽部の名門校・精華女子高等学校吹奏楽部の現役生徒と共に創りあげるが、また別の物語になるという。劇本は引き続きG2、演出は新たに加納幸和（花組芝居）が務め、出演は博多華丸、紅ゆずる、鈴木梨央、星野真里、宇梶剛士、浅野ゆう子ら。

前作『熱血！ブラバン少女。』にも出演した宇梶にどんな作品だったかと尋ねると、「特別な舞台。これは博多座でしかできないものだと思いました」と明かす。「それはお客様のみならず、僕らにとってもそうでした」。その理由はやはり吹奏楽部の生徒たちの存在。「（博多華丸座長公演で宇梶も出演した）『めんたいぴりり　博多座版』でも本物の山笠が登場しましたが、そこでも同じことを感じました。山笠は東京に運べないし、担げる人も福岡にしかいない。僕らは創りごと（＝芝居）をやっているんだけれども、この作品には不思議なことにそこに“本物”がある。“本物”が介在することによって、僕らの営みも違った色合いを持つ。だからこその特別さがあるんですよね」。

今回は大阪でも上演されるが「3日間だけと聞いて『なんで3日なの!?』と思ったけど、考えてみればその“本物性”みたいなものを（福岡ではない土地で）保てるのはそのくらいの期間なんじゃないかと思う。だから今は『3日もできるんだ』という気持ちです」。

7年ぶりの“ブラバン少女”との共演。宇梶が楽しみにしているのはやはり「あの生演奏を間近で見たり感じたりできることです。前作では追い払われる役だったので舞台袖で見ていたんですけど、今回はどうだろう（笑）。あの演奏には、もちろんG2さんの劇本の仕掛けもあるんだけれども、そういうものもスッと飛び越える澄んだもの……どんな人だって心の中に泉みたいなものを持っているでしょう？　そういったものがスーッと引き出される。だから気付くと涙が出ているんです。嗚咽するような涙じゃないの。人の持っている清いところと（演奏の）清いところが通じ合うような感じで、『自分の中にこういうものがあったんだ』と気付けるような涙だと思います」。

宇梶にとっては3度目となる華丸の座長公演。「華丸さんは居方が開けているんです。だから周りにいる人はみんな向き合えるし通じ合える。そういうところが座長としても魅力的です」。

『新生！熱血ブラバン少女。』

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2449083

〈福岡公演〉
4月6日(土)～21日(日)
会場：博多座

〈大阪公演〉
4月26日(金)～28日(日)
会場：新歌舞伎座

https://www.braban-girl.jp/