高峰秀子の“全生涯”を描いた大特別展、「浮雲」「二十四の瞳」ポスターや台本が展示

「高峰秀子生誕100年記念 東京タワー大特別展『逆境を乗り越えた大女優 高峰秀子の美学』」の内覧会が、本日3月27日に東京・東京タワーのRED° TOKYO TOWER特別会場で開催された。

1924年に北海道・函館で生まれ、5歳で映画デビューを果たした高峰秀子。生誕100年プロジェクトの前半期のメインイベントである本特別展では、女優・エッセイスト、そして人間としての高峰の生涯と人生観が紹介される。

内覧会では、高峰の養女である斎藤明美と同プロジェクトのサポーター・名取裕子が、高峰のジャガーに乗って登場。東京タワー前で写真撮影に応じた。2人は特別展に足を踏み入れると、ゆっくりとした足取りで展示物を見学。思い出話に花を咲かせた。

報道陣を前に斎藤は「本日3月27日で高峰は100歳の誕生日です」と呼びかけ、「できれば若い方に高峰を知っていただきたくて、このような催しを行っています」と挨拶。続いて彼女は「この会場では、高峰の“全生涯”を描いています。ダークな面や苦労したことがありながらも、“最後は幸せになりました”という……。これ以上のことはできないと思います。最初で最後です。明日から大勢の方に来ていただきたいです」と伝えた。

生前の高峰に会ったことがあるという名取は、展示された映画のポスターに目を向け「よだれが出るような名作の数々を残してらして……」とほほえむ。また「（高峰は）小さい頃、学校に行く機会に恵まれなかった。それでも人との出会いの中で自分を律し、磨き、物事の本質を見極め、貫いた姿があまりにも見事」と称賛。展示会について「高峰さんは自分だけでなく、『支えてくれた多くのスタッフの努力を見てください』と思っているのでは」と語る。

「女優・高峰秀子さんはどういった存在か？」と尋ねられた名取は「女優として素晴らしいお仕事をなさっていますが、学校に行けなかったというハンデがありながら、周りの方々からさまざまなことをスポンジのように吸収し、自分の感性を磨き上げた方です」「大変苦労した子供時代を経て、有り余るほどの宝を私たちに残してくださった稀有な方だと思います」と言葉を紡いだ。

特別展には、高峰の生涯をまとめた大きな年表が。子供時代から晩年期まで、さまざまエピソードが写真や出演作の映像とともに紹介されている。年表とともに、「浮雲」「二十四の瞳」など彼女が出演した作品の台本が展示。さらに出演作のポスターや、彼女が登場した映画雑誌の表紙、さまざまな年代の高峰の写真が用意された。奥のブースには、高峰の自宅から運ばれた家具が展示されているコーナーも。彼女が着用した衣装や小物、夫・松山善三と使用したコーヒーカップなど、プライベートなアイテムを見学することができる。

「高峰秀子生誕100年記念 東京タワー大特別展『逆境を乗り越えた大女優 高峰秀子の美学』」は明日3月28日から5月6日まで開催。

高峰秀子生誕100年記念 東京タワー大特別展「逆境を乗り越えた大女優 高峰秀子の美学」

2024年3月28日（木）～5月6日（月・振休）東京都 東京タワー1F RED°TOKYO TOWER特別会場
＜入場料＞
前売り券 大人1100円 / 当日 大人1500円
※高校生以下無料（学生証提示が必要）