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IUの12年ぶり日本公演が開幕、3時間超のライブで再会「いただいた力で、私はずっとずっと歌を歌える」

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IUのワールドツアー「2024 IU H.E.R. World Tour Concert」の日本公演が3月23、24日に神奈川・横浜アリーナにて開催された。

12年ぶりの日本単独公演

IUは、韓国で「国民の妹」と称されるほどの絶大な人気を誇る女性アーティスト。2008年にデビューし、2022年9月には韓国の女性歌手として初めて、韓国最大のスタジアム会場で単独コンサート「IU Concert: The Golden Hour」を実施し2日間で9万人を動員した。近年は本名のイ・ジウン名義で女優としても活躍しており、2022年には是枝裕和が監督を務めた映画「ベイビー・ブローカー」に出演し日本でも注目を浴びた。

日本でのIUの単独公演は、彼女が日本デビューを果たした2012年以来およそ12年ぶり。本稿では神奈川公演のDAY2公演をレポートする。7月6、7日に行われる大阪・Asueアリーナ大阪(大阪市中央体育館)公演に参加予定の人は一部ネタバレにご注意を。

「Hypnotic」「Energetic」「Romantic」「Ecstatic」「Heroic」と題した5つのブロックで構成された本公演。オープニング映像が終了して観客の期待が渦巻く中、IUの透明感あふれるハイトーンボイスが突如会場に響き渡る。彼女がオープニングナンバーの冒頭をアカペラで歌唱すると、ステージ中央のリフトがゆっくりと上昇。IUはツアータイトル「HER」の文字がかたどられたセットに乗ってオーディエンスの前に姿を現し、“催眠をかける”ことを意味する「Hypnotic」というテーマにふさわしい楽曲の数々を心地よく歌い上げた。

IU母からのプレゼント

冒頭のMCで、「日本での公演は12年ぶりですね。長い間待たせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです」と話したIU。彼女は前日に行われた日本公演DAY1を振り返り、「終始涙が出てしまいそうだった、それくらい感動的だった」と心の内を明かす。この感動を母にショートメールで伝えた際には「みんなありがたいね。12年ぶりに会いにきた昔の友達を覚えていてくれて」と返信があったと言い、その後ファンに向けて「友達、今日もライブがんばりましょ」とお茶目に語りかけるひと幕もあった。

近年IUのライブでは、会場を訪れるファンのために彼女の母が観客全員分の座布団を実費でプレゼントしていることが知られている。今回の日本公演では、IUの母が制作したキーホルダー、トレカ、トレカケースが来場者全員に配布された。これについてIUは、「母が、皆さんに差し上げるプレゼントです。韓国では座布団を準備しましたが、座布団は(日本まで運ぶには)少し大きくて」と紹介。そして「さほど重要なことではないと思うけど」と前置きしつつ、「座布団より原価が高いと聞きました(笑)」とコミカルに告げて場を和ませた。

日本公演でしか聞けない音

アンコール含め3時間超にわたるライブ中、オーディエンスはありったけのコールや歓声、シンガロングを届ける。そうした観客の熱気を受けて、IUは「昨日から日本のファンの皆さんに本当に驚いています。私が最後に日本公演をした12年前は本当に静かだったんです。集中力が最高でした。そして今は、これにエネルギーまで加わって……」と会場を見渡し、「(コールも)どれだけたくさん練習されてきたのでしょうか。本当に素晴らしいです。びっくりしましたし幸せになりました」と感謝。観客からの大きな拍手や、終演を匂わせた際の「えー!?」と残念がる歓声などを「日本公演でしか聞くことができない豊かな音」と表現したほか、曲中の盛大な拍手や熱狂的なシンガロングに感激するあまり、「ほかの歌手が好きでも大丈夫。ほかの歌手のコンサートに行くのは大丈夫。でもほかの歌手の公演で歌を一緒に歌うの、ダメ。それと1番が終わって拍手をするのも禁止! これは私のコンサートでだけですよ、約束してください!」と独占欲を見せるなど、ライブの終盤に至るまで、何度も観客の熱狂的なレスポンスに言及していた。

いただいた力で、私はずっとずっと歌を歌える

ダブルアンコールのステージでは、会場のファンがリクエストした楽曲の中から披露する曲が選ばれた。観客が手持ちのスケッチブックやスマートフォンを通じて「Knees」「 My sea」「Good Day」「Rain Drop」といったリクエストを挙げる中、最初に選ばれたのは「Someday」。続けて披露された「Every End of the Day」ではIUが美しく豊潤な歌声を響かせ、ダンサーたちは表情をくるくる変えながら軽やかに舞い、まるでミュージカルさながらのステージが作り上げられた。

最後のステージを残す中、IUは「私と話して、歌って、大変な1日でしたよね? 必ずお腹においしいものを入れてあげてください。そして明日から始まる1週間もお元気で! 私、IUがペンライトを振って皆さんを応援していることを忘れないでくださいね」と最後までファンを気遣い、エールを送る。その後も公演の感想や日本のファンへの愛をひとしきり語ったのち、「本当にこの曲でお別れしたいと思います。今日いただいた力で、私はずっとずっと歌を歌える気がします。私も愛してます。皆さん、元気でいてね。元気でいましょうね」とコメントを締めくくる。そして「ファンの皆さんに贈りたい、心からの言葉を歌詞に盛り込んだ」というラストソングを歌い上げ、日本公演の幕を閉じた。