依存症者とその家族を描く「アディクトを待ちながら」1週間限定公開、主演は高知東生
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映画「アディクトを待ちながら」が6月29日から1週間限定で東京・K's cinemaにて公開される。このたび特報映像がYouTubeで解禁され、メインビジュアルとスタッフコメントが到着した。
本作の主人公は、覚醒剤と大麻の所持で逮捕された大物ミュージシャン・大和涼。大きく報道されてから2年後、彼は薬物やギャンブル、アルコール、買い物、ゲームなどさまざまな依存症者で構成されるゴスペルグループ・リカバリーのメンバーになっていた。依存性物質に再び手を出すことを意味する“スリップ”することのないよう互いに支え合いコンサートの開催にこぎつけるが、本番当日、開始時間を過ぎても大和は現れないのだった。
本作は、ともにギャンブル依存症の家族である、監督のナカムラサヤカとプロデューサーの田中紀子がタッグを組んで製作された。主演には、自身も薬物依存を経験した高知東生がキャスティングされ、そのほか橋爪遼、宍戸開、升毅、青木さやか、中村優一、中山夢歩、下田大気、塚本堅一、武藤令子が参加している。実際の依存症者=アディクト当事者とその家族が多数出演する本作のラストでは、リアリティを追求すべく、シナリオのない即興芝居が行われた。
ナカムラは「依存症の当事者やそのご家族への4年間の取材を通して、私が目にし耳にしてきた依存症のリアルがこの映画には詰まっています」とコメント。田中は「アルコール、薬物、ギャンブル依存症には、病気という側面があります」「彼らを『ないもの』として蓋をする風潮に、我々依存症者とその家族は断固として立ち向かいます」とつづった。
ナカムラサヤカ コメント
「依存症は“脳の病気”である。だが“回復できる”病気でもある」。日本ではこの事を知る人は少なく、私もその一人でした。依存症の当事者やそのご家族への4年間の取材を通して、私が目にし耳にしてきた依存症のリアルがこの映画には詰まっています。誰がなってもおかしくない依存症という病気からどうしたら回復できるのか? 「自分はギャンブル依存症だ」というニュースが日本中に衝撃を与える今こそ、ぜひその現実を観に来てください。
田中紀子(ギャンブル依存症問題を考える会代表)コメント
依存症問題の支援者として、薬物問題が起きる度に「上映中止」となる現実を腹立たしく見ていました。
アルコール、薬物、ギャンブル依存症には、病気という側面があります。逮捕され犯罪者となっても、人生は続き、回復に向き合い社会復帰をしなくてはなりません。そこにはドラマがあります。彼らを「ないもの」として蓋をする風潮に、我々依存症者とその家族は断固として立ち向かいます。これはエンタメを道徳の様に扱おうとする、頭の固い一部勢力に対する宣戦布告です。