『青山悟 刺繍少年フォーエバー』目黒区美術館で 目黒区出身・在住の現代美術家による美術館初個展
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青山悟《東京の朝》2005年 中尾浩治蔵 撮影:宮島径 ©AOYAMA SATORU, Courtesy of Mizuma Art Gallery
刺繍を用いた現代美術作品で知られる、目黒区出身・在住の現代美術家、青山悟の個展『青山悟 刺繍少年フォーエバー』が4月20日(土)〜6月9日(日)、目黒区美術館で開催される。「ヨコハマトリエンナーレ2017」ほか国内外で発表している青山は、森美術館や京都国立近代美術館、愛知県美術館など、日本の主要な美術館に作品が収蔵されている作家でもあるが、意外にも今回が日本の美術館で初の個展となる。
1973年生まれの青山は、1998年にロンドン大学ゴールドスミスカレッジ テキスタイル アート科を卒業、2001年シカゴ美術館付属美術大学大学院ファイバー&マテリアルスタディーズ科修了後、工業用ミシンを使って制作を行ってきた。近年は世界情勢にも向き合い、人と機械の関係や「労働」の問題を多角的に捉え、自身の制作にも引き付けながら、巧みな技術で描写している。
同展では、時代とともに社会から姿を消そうとしているさまざまな「消えゆくもの」に対し、「永遠なんてあるのでしょうか」というメッセージを投げかける。また、刺繍は女性がするものという伝統的な男女の役割の問題についても問いかける。「刺繍少年」という展覧会タイトルは、50代である青山がジェンダーやエイジズム(年齢差別)の問題を暗示するねらいであえて付けたものだ。
作品を鑑賞しながら、手仕事とテクノロジーの発達、働く喜びや尊厳と搾取の違い、製品と美術作品の違いなど、さまざまなことに考えが及ぶだろう。なお、5月3日・6月2日には自作について語り、ミシンによる実演も行うアーティストトーク、 5月6日には小泉元宏(立教大学社会学部教授)との対談、5月19日には担当学芸員とのトークイベントもある。美しい絵画のようでいて、ユーモアも含ませながら風刺をチクリと効かせた世界を楽しみたい。
<開催概要>
『青山悟 刺繍少年フォーエバー』
会期:2024年4月20日(土)~2024年6月9日(日)
会場:目黒区美術館
時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日;月曜(4月29日、5月6日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
料金:一般900円、大高・65歳以上700円
公式サイト:
https://mmat.jp/exhibition/archive/2024/20240420-427.html
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