エイベックス若手が挑戦・舞台「無垢ども」平美乃理＆砂川脩弥

――出演が決まったときのご感想は？

平　初舞台で大きな役を頂けて緊張していますが、エイベックスの先輩たちと共演でき嬉しいです。デビュー以来、「役者として事務所の先輩たちと共演をしたい」というのが1つの大きな目標でした。それが叶った今、精一杯やりとげたいです。

砂川　今作はクラウドファンディング企画もあり、キャスト・スタッフ一同に加えてファンの皆さんも一緒に舞台を作っていけることが嬉しいです。こんなにたくさんの人が生みの親になれる作品は珍しいと思うので、そこも含めて大事に作っていけたらと思います。

――台本を読んでみていかがでしたか？

平　私が演じる主人公の遠山一華は、熟成肉に夢中な女の子。頭の中はいつも熟成肉でいっぱいという一風変わった子ですが、色々な人が自然と一華の周りに集まってくる不思議な魅力を持っています。そんな魅力を舞台の上で引き出していきたいです。また、一華だけじゃなく他のキャラクターもなかなか強烈です。みんなが自分の思うまま動き回り、お話がどんどん思いもよらない方向に転がっていく作品ですので、たくさん笑って楽しんでいただけると思います。

砂川　本当に楽しくて笑顔になれる作品ですが、シビアなテーマも其処此処に散りばめられています。繊細さと大胆さが共存している脚本なので、メッセージ性も楽しさも全部漏らさずお客様に伝えていけたらと思います。今回が初対面、初共演というキャスト同士が多く、それぞれのお芝居によって色合いが大きく変わりそうなところも個人的に楽しみですね。

――ご自身が演じる役の魅力は？

平　一華の魅力は、芯がぶれない強さだと思います。私は小さい頃から絵を描くのが大好きで、水彩画や油絵を描き始めると短くて数時間、長いときは1週間くらいそのことで頭がいっぱいになってしまうので、一華の言動には共感できます。ただ、誰に何を言われても全くぶれずに「好き」を貫き通せる強さは本当に凄いと感じました。

砂川　僕が演じる德田は、一言で言うと「世捨て人」。僕もときどき「仙人みたいに山ごもりしたい！」と考えることがあって、徳田には親近感を覚えます。たとえば電車の中で嫌な出来事に遭遇したときなど、心がザワザワして「今いる場所から逃げたい」と感じたり……。でも、実際それを行動に移すことってなかなかできないと思うんです。徳田の場合はいろいろな事情も絡んでのことですが、その行動力は素敵だと思うし、ちょっと羨ましくも感じます。

――共演者で、とくに注目している人物は？

平　臨床心理士・松尾を演じる、高柳明音さん。今回はご一緒するシーンも多く、とくに気になる存在です。演じる役はなかなか過激ですが、ご本人は優しくてしっかりした、お姉さんのような方。お芝居に対する情熱や真剣さに圧倒されますし、思いを言語化する力も高くて、尊敬しています。

砂川　僕は井岡役の桑畑亨成くん。仲の良い友人であり、コロナ禍では急遽僕の代役を引き受けてくれたこともある恩人なのですが、思い返してみればこれまで彼のお芝居を生できちんと見る機会がありませんでした。今回はじっくり間近で拝見できそうなので、とても楽しみです。

――最後に、今作への意気込みと読者へのメッセージを。

砂川　「ACTORS STAND」というプロジェクトの第一弾、客席の皆さんも一緒に、みんなで作って可能性を広げていけたらと思います。全力で楽しい舞台にしますので、ぜひ見に来てください！

平　キャラクター同士の衝突も描かれる作品ですが、それは一人ひとりが自分の欲しいものと真剣に向き合っている証だと思います。彼らの本気のメッセージをたくさんの人に受け取ってもらえたら嬉しいです。先輩方の力を借りながら、精一杯頑張ります！

取材・文：豊島オリカ

＜公演情報＞
舞台 ACTORS STAND Vol.1「無垢ども」

公演期間：2024年4月17日(水)～4月21日(日)
会場： 赤坂RED/THEATER

チケット情報：
https://w.pia.jp/t/actors-stand/