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『GIRLFRIEND』で初共演の井澤巧麻と木原瑠生、 「二人ミュージカル」に向けてコンビネーション良好!

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インタビュー

ぴあ

左から)井澤巧麻、木原瑠生

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アメリカのシンガー・ソングライター、マシュー・スウィートのCDアルバム『GIRLFRIEND』をベースに、ふたりの青年の恋と青春を描くジュークボックスミュージカル『GIRLFRIEND』。ネブラスカ州の小さな町を舞台に、プロムキングで野球部の人気者・マイクが、高校を卒業するタイミングでクラスメイトのウィルに1本のミックステープ(お気に入りの楽曲を1本のテープにまとめたもの)を渡したところから始まる、甘酸っぱい物語だ。出演者はたったふたりで、ウィルに高橋健介、島太星(NORD)、井澤巧麻、マイクに萩谷慧悟(7ORDER)、吉高志音、木原瑠生というフレッシュな俳優たちがキャスティングされた。公演は基本的に固定ペアで上演されるので(一部日程ではシャッフル公演もあり)、3組それぞれのコンビネーションも楽しみなところ。ウィル役の井澤巧麻、マイク役の木原瑠生のペアに話を聞いた。

お互いの印象は「落ち着いている“お兄ちゃん”」「めっちゃ素敵な声」

――出演の経緯からお伺いします。オーディションだったのでしょうか?

井澤・木原 そうです。

――なぜチャレンジしてみようと思ったのですか?

木原 “東宝ミュージカル”(主に帝国劇場やシアタークリエで上演される、東宝が製作するミュージカル)というものは、役者をやっているとひとつの目標でもありますし、東宝ミュージカルに出ているという経歴は自分にとっての武器にもなります。今後どんどん大きい作品に出ていきたいと思っているので、そのステップのひとつとして挑戦してみたいと思いました。

井澤 たしかに「憧れの東宝ミュージカル」というのはあるよね。僕はシアタークリエで『RENT』を観て衝撃を受けて、このステージにいつか立ちたいと思っていました。また今作は日本初演で「二人ミュージカル」。これは自分の俳優人生にとってもすごくいい経験になると思いオーディションを受けました。

――合格の報を受けた時のことは覚えていますか。

井澤 オーディションは夏で、ずいぶん選考に時間がかかっていたのですが、12月になってそろそろ結果が出るらしいと噂を聞いてその頃ずっとソワソワしていたんですよ。そうしたらちょうど12月25日、スーパーに向かう途中に電話があり「受かりました」と言われたんです(笑)。クリスマスプレゼントかな!? と思った。本当に嬉しかった。

木原 僕もクリスマス付近でした。マネージャーと仕事をまわっている合間のカフェで「良いお知らせと、悪いお知らせがある」と切り出されて、悪いお知らせも別途あったのですが(笑)、良いお知らせとして聞いたのが『GIRLFRIEND』の出演決定でした。

ウィル役:高橋健介、島太星(NORD)、井澤巧麻、マイク役:萩谷慧悟(7ORDER)、吉高志音、木原瑠生のトリプルキャストで上演

――オーディションは役を決めて実施されたわけではないそうですが、井澤さんはウィル、木原さんはマイクと言われた時はどう思いましたか。

井澤 僕はわりと自分の性格的にはウィルかなと思っていたので、納得です。学生時代も真ん中に立ってみんなを引っ張っていくキャラクターじゃなかったので、ウィルが肌にあうなと。

木原 僕も学生時代は目立つタイプじゃなかったので、プロムキングで人気者というマイクは、内心はギャップがあります。でも外見の第一印象は合ってるんじゃないかな? 見た目、強気に見えると思うし、先ほども稽古で「陽キャ」って言われたんですよ(笑)。マイクの素質みたいなものはちょっとあるのかも。

――ところでおふたりは今回初共演とのこと。すでに何度か歌稽古をご一緒しているそうですが、お互いの印象は。

木原 落ち着いているし、めちゃくちゃ“お兄ちゃん”だなって。僕が弟気質なせいもあるかもしれませんが(笑)。

井澤 瑠生くんはまず、歌が上手い! めっちゃ素敵な声をしています。そして、もしかしたらまだ本性を出していないだけかもしれないけれど(笑)、すごくいい子。ずっと「タメ口で話して」と言ってるのですが、なかなか敬語が取れないんです(笑)。真面目だなぁと思ってる。

木原 徐々に……取れると思います(笑)。

井澤 「敬語が取れたら、そこからは僕ヤバいですよ」と言ってたので、その日を楽しみにしています。まだ本格的な稽古は始まっていないし、これからどんどん仲良くなっていけるんじゃないかな。

――今、井澤さんから木原さんの声が素敵だという話がありましたが、お互いの素敵だと思うポイントをもう少し教えてください。

木原 スタイルがめっちゃ、いい! あと第一印象で「この人は何でもできる人だ」と思いました。歌もですが、ファッションとかも、オシャレだし。頭も良いんだろうなというのが言葉の節々から伝わってくる。

井澤 嬉しい。僕は瑠生くんの真面目なところがいいなと思っています。稽古中、休憩に入ってもずっと自分で録ったボイスレコーダーで音を確認している。全然休憩してない! 努力家なんだなって。

木原 いや、それは巧麻くんもでしょう。ずっと歌ってるし。

井澤 確かにふたりとも休憩してないね(笑)。そんなところも、波長が合う気がする。

“あの頃”を思い出す、繊細で愛おしい青春物語

――では作品に関してお伺いします。90年代のアメリカ、ネブラスカ州を舞台にした青春物語ですが、物語に関してはどんな印象を抱いていますか。

井澤 繊細な物語だと思います。男の子同士の恋愛で、時代的には今ほどそれが受け入れられていないだろうし、だからこそお互い気持ちはわかっていても言い出せなくて……。派手な事件が起きたり、激しいアクションがあったりする作品じゃないけれど、ふたりの心の距離といった細かいものを表現していくことが求められる作品だなと感じています。

木原 おっしゃる通りです。純粋さから繊細な気持ちが生まれ、そこから喜怒哀楽が出てくる。まっすぐに生きている人たちの話だと思います。僕も自分の中高生の頃を思い出して、思いを伝えられない葛藤とか、もどかしさみたいなものはよくわかる……。

井澤 確かに、マイクの言動に一喜一憂するウィルの気持ちは、僕もそういうことはあったなと共感するポイントです。学校で好きな子と一言話せただけで一日ハッピーだったり、逆に冷たい態度をとられてふさぎ込んじゃったりとか。“あの頃”の甘酸っぱさを思い出して、懐かしく思った。今の僕から見ると「ウィル可愛いな、ピュアだな」と思うのですが(笑)。

――それぞれウィル、マイクを演じるにあたり、大切にしたいポイントは?

木原瑠生

木原 まだ手探り状態なのですが、先ほども話に出た“陽キャ”の人って、友だちもたくさんいると思うんです。そんな人が“大切なひとつ”を見つけた時はかなりシビアになる気がする。その感情は大事にしたいかな。

井澤 ウィルはいじめられていた過去もあり、繊細なところがある。その中でも前に進んで行きたいという気持ちがある人物です。マイクのように将来医者になるんだろうなとか、大学に行くといったはっきりした目標はなくとも「何かになりたい」と思い、あるいは「マイクにもっと近付きたい」といった気持ちを持ってるところがすごく愛おしい。お客さんが観ても応援したくなるような愛すべきウィルを作っていけたらと思います。

――物語としては、マイクが最初にアプローチしてきますよね。ウィルはマイクが近付いてくるまで彼を意識していなかった? それとももともと気になる存在だった?

井澤 マイクは学校一の人気者なので、現実的にどうこうしたいとは思っていないけれど、アイドルを見ているような気持ちはあったんじゃないかなと思います。そのアイドルが急に近付いてきたから舞い上がっちゃった。積極的に意識はしていないけれど、憧れの存在ではあったと思います。

――音楽の印象はどうでしょうか。90年代アメリカのパワーポップシーンを牽引していたマシュー・スウィートのアルバムを使ったミュージカルですが。

井澤 “あの頃”を思い出すような懐かしさもあり、元気になれる曲が多いです。脚本の切ないところに、明るい曲が入ることでコントラストが生まれたりも。ミュージカルってセリフが歌になることが多いですが、今回は曲がまずあって、そこに脚本が添えられた形になってる。この歌詞とこの気持ちがマッチするんだ、というのが自然で違和感がなく、面白いです。

木原 歌っていても演じていても楽しいです。アップテンポな曲はノリが良く、バラードは入り込んで歌える。ただ、歌うのはちょっと大変な部分もある……。

井澤 もともと英語で浸透しているものを日本語にしているから、そこがね。音数が合わなかったりするし。特にリズムは難しいよね。

木原 そうなんですよ。日本語になると、なんならメロディすら原曲と違って聞こえちゃう。もうそこは「今回は今回!」と割り切ってやる形になるのかな。ただ、稽古を重ねていったら楽しくできるようになるんじゃないかな、という予感はします!

共通点はミスチルと特撮!ミックステープに必ず入れる曲は?

――パワーポップというジャンルは、お好きですか? 日本で言ったらスピッツとか、ASIAN KUNG-FU GENERATIONあたりがパワーポップと言われていますが。

井澤巧麻

井澤 アジカンは通ってきましたし、僕の好きなオアシスを彷彿とさせるような曲もあったりして、こういう音楽は入っていきやすいです。リズムよりメロディを重視しているというのかな。昔、バンドをやっていたこともあり、こういう音楽は気持ちを乗せやすいです。

木原 僕はもう少しハードロック寄りの音楽を好んで聴いていて、あまり日常的には聴いてこなかったジャンルなんですが……。

井澤 へえ、例えば?

木原 一番好きなのはB'z。でももちろん有名な曲は聞いていますし、家でゆったり過ごす時はあまりハードロックはかけないんで(笑)、やっぱりこの手の音楽は体にしみ込んではいるかな。

――ちなみにおふたりはミックステープを作るような世代ではないと思いますが、もし作るとしたら、絶対入れたい曲はなんですか? 例えばお互いに渡し合うとしたら。

井澤 僕はもともと東京に出てきたきっかけがMr.Childrenなんです。ミスチルのライブで衝撃を受け、音楽をやりたいと思って東京に出てきて、路上ライブとかをやっていた。原点はミスチルなので絶対に入れます。

木原 ミスチルの、何にします?

井澤 「しるし」が大好きなので、この曲にします。青春時代に聴いた曲ってずっと残ってるよね……。

木原 今の話を聴いたら僕もミスチルにしたくなった。僕も大好きな曲がある。

井澤 何だろう。

木原 「花の匂い」

井澤 珍しいところに行くね!

木原 あの曲がすごい好きで、聴くたびボロ泣きするんですよ。だからこの曲を贈ります!

井澤 ミスチルの交換だね(笑)。「しるし」も泣けるからね。

木原 普段だったら特撮の曲とかにするんだけど(笑)。

井澤 わかる! 僕も幼稚園くらいの時、それこそミックステープみたいなものを作ってそれには特撮のOPをいっぱい入れていた(笑)。

木原 特撮は何を観てました?

井澤 『星獣戦隊ギンガマン』とか。

木原 あー、わかりますわかります。僕は平成ウルトラマン。『ウルトラマンティガ』とか好きでした。

井澤 いいね!

新しい一歩を踏み出す方へ

――音楽の好み、おふたりは合いそうで良いですね! 最後に4月ということで環境が変わる人も多いと思います。この物語も高校を卒業し、新しい一歩を踏み出すタイミングの少年たちの物語。新生活を迎える人たちへエールをお願いできますか。

木原 僕もまだそれほど長く生きてはいませんが(笑)、友人は大事だなと思います。大人になってからだと、そこまで深く付き合える人ってあまりいないのですが、その中でも「この人だったら大丈夫」という人を見つけられたら、辛い時に頼ったり、自分の心の中で支えになってもらったりできるので。

井澤 ウィルにとってのマイク的な。

木原 そうです。そういう人を大切にしてねというのと……あと、僕も実は最近引っ越しをしたのですが、早めに色々済ませた方がいい!

井澤 現実的なアドバイスだ(笑)。

木原 そうなんですよ……。もう何も手につかなくて……。とにかく身の回りのことを片付けること! 転出届は2週間以内にやる(笑)! 環境が整わないとメンタルもやられますよ。

井澤 めちゃくちゃ正しい(笑)。……そうですね、何かが終わる時、始める時は色々な悩みがあると思うのですが、この物語の中でウィルもマイクと接する中で一歩前に踏み出せます。一個の勇気で変わってくることも多いと思うので、その勇気を持つこと、かな。4月というのは何かを始めるいいタイミングだと思うので、その勇気を出すためにも、ぜひ『GIRLFRIEND』を観に来てください!

木原 話の持っていき方が上手いな~!

――そして井澤さんは先日(3月28日)誕生日を迎えて30歳になったばかり。ぜひ30代の抱負を!

井澤 自分もだんだん若手と呼ばれない世代になってきましたので、先輩に甘えてばかりいないで若い子たちを引っ張っていけるようになりたいです。そういう意味でもこの作品はチャンスだと思うので、まずはこの『GIRLFRIEND』を成功させたいです。あとは……車の運転をちゃんとできるようになりたい。

木原 免許は取っているんですか?

井澤 コロナ禍のちょっとお仕事が落ち着いた時期に取ったんです。でもその後仕事が復活してきてなかなか運転する機会がなくて、今、乗るのが怖いの(笑)。なのでちゃんと乗れるようにしたい。

木原 僕、助手席専門です。

井澤 別に乗ってくれてもいいけど……めっちゃ怖いよ? たぶん急ブレーキ踏んだりするよ?

木原 それはちょっと……(苦笑)。

――そしてお誕生日関係ありませんが、木原さんからも最後に意気込みをお願いします!

木原 まず「二人ミュージカル」というものが僕にとっては挑戦です。プレッシャーもありますが、生の良さ、ロックテイストな音楽の良さを観に来てくださる皆さんにお伝えしたいです。そしてまずは巧麻くんとのコンビネーションを大切に作っていきますが、シャッフル公演もあります。個人的にはよく知ってる方ばかりなので、そこも楽しみにしてほしいです!

ミュージカル『GIRLFRIEND』プロモーション映像


取材・文:平野祥恵

<公演情報>
ミュージカル『GIRLFRIEND』

脚本:トッド・アーモンド
作曲・作詞:マシュー・スウィート
翻訳・演出:小山ゆうな

出演:
高橋健介、島太星、井澤巧麻(ウィル役・トリプルキャスト)
萩谷慧悟、吉高志音、木原瑠生(マイク役・トリプルキャスト)

2024年6月14日(金)~7月3日(水)
会場:東京・シアタークリエ

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/girlfriend/

公式サイト:
https://www.tohostage.com/girlfriend/index.html