「Le Fils 息子」幕開けに岡本圭人「生きることの大切さを考えてもらえたら」
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「Le Fils 息子」より。(撮影:藤井光永)
「Le Fils 息子」(以下「息子」)が、昨日4月9日に東京・東京芸術劇場 シアターウエストで開幕した。
東京芸術劇場ではこのたび、フランスの劇作家フロリアン・ゼレールによる“家族3部作”のうちの2作「La Mere 母」(以下「母」)と「息子」を同時上演。同劇場では2019年に橋爪功、若村麻由美らが出演した「Le Pere 父」、2021年に岡本圭人、岡本健一が親子共演した「息子」を上演し、今回の日本初演「母」で3部作の完結上演を迎える。「母」「息子」共に、ラディスラス・ショラーが演出を担当。なお去る4月5日には、「母」が東京・東京芸術劇場 シアターイーストで開幕した。
両親の離婚後、学校に行かずあてもなく1人で過ごしていたニコラは、退学になってしまう。ニコラの様子を聞いた父ピエールは離婚・再婚後、初めて息子と正面から向き合おうとする。生活環境を変えることが唯一自分を救う方法だと思えたニコラは、父親と再婚相手、そして年の離れた小さな弟と一緒に暮らし始め……。出演者には岡本圭人、若村、伊勢佳世、浜田信也、木山廉彬、岡本健一が名を連ねた。
自身の初舞台となった「息子」2021年公演に続き、二コラを演じる岡本圭人は「『息子』は“生きる”か“死ぬか”がテーマ。生きていれば誰でも考えることだと思うので、作品を通じて皆さんにも生きることの大切さを知り、考えてもらえたら」と観客に呼びかけ、「『母』も観劇することで、『息子』の解釈や感じ方が変わると思います。ぜひ両作品とも観てほしい」とコメントした。
“家族3部作”の全作に出演する若村は「すべての主人公が何かを喪失していくということを描き、周りの家族も描いたのが“家族3部作”。それぞれの家族がどうしていくのかが描かれているので何度観ても見応えのある作品になっています」と語る。岡本健一は息子との共演について「当時と比べると今回感じるものは別次元。子供の成長は早いなと(笑)」と話し、「涙を流したり汗をかいたりして作り上げてきたので、その感じをお客様と一緒に共有できる時間が楽しみでしょうがないです」と期待を口にした。
演出のショラーは「4月5日に『母』の初日の幕が上がったばかりで、数日後に2番目の初日があるという非常に珍しいケース。緊張していますが、私はこの俳優たちを信じています」とカンパニーに信頼を寄せ、「このチームはまるでファミリーなので、“家族3部作”には本当にふさわしいと思いますし、これらを完走することによって、私たちの間にはより強い絆が生まれるでしょう。この3部作は、“人生”に似ていると思います。ご覧になる方は必ず“自分自身”をこの作品の中に見出すでしょう」と語った。
「息子」の東京芸術劇場 シアターウエスト公演は4月30日まで、「母」の東京芸術劇場 シアターイースト公演は29日まで。その後「息子」は6月29日まで鳥取・兵庫・富山・山口・高知・愛知、「母」は鳥取・兵庫・富山・山口・高知・熊本・長野・愛知を巡演する。
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