「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメは『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』
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リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、リアルサウンド映画部の音痴代表・安田が『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』をプッシュします。
参考:<a href=”http://www.realsound.jp/movie/2018/04/post-184054.html”>『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』予告編</a>
■『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』
毎夏恒例となった『ポケモン』最新作や、太平洋を越えて恐竜たちが来日を果たす今週末。いよいよ夏興行の幕開けを感じさせるそうそうたるラインナップの中、ひときわ光を放つのが『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』だ。
押見修造の人気コミックを実写化した本作は、喋ろうとするたび言葉に詰まり、自分の名前さえ言うことができない高校1年生の志乃と、ギターが生きがいなのに音痴な加代が、音楽を通して自分たちのコンプレックスに向き合う青春物語。原作者の押見自身の体験をベースにしたものとなっている。
メガホンを取ったのは湯浅弘章監督。これまで林海象監督や押井守監督のもとで助監督を務め、『増山超能力師事務所』(2017/読売テレビ・日本テレビ系)などのドラマや、乃木坂46のMVなどを手がけ、本作が長編商業映画デビュー作となる。公開されているMVなどでも確認できるが、光を切り取るのが非常に上手で、本作においてもその良さがふんだんに活かされている。沼津の港町、夏の青空の中、眩しく映し出される少年少女たちに目を奪われること間違いなし。
W主演に抜擢されたのは、若干15歳の若手女優・南沙良と蒔田彩珠。2人とも映画初主演となるが、不器用なりに感情をぶつけながら、成長していく志乃と加代を瑞々しく演じている。思春期ならではの他者の目とアイデンティティの葛藤、自己嫌悪、迸る情熱、スクリーンいっぱいにあふれる青春が眩しく、自分の高校生活に思いを馳せてしまった。
少年少女が迷い悩み、決断し、物語は一つのカタルシスを迎える。少女たちの叫びにいったい何を感じるのか。夏の訪れを感じさせる作品となっている。洋画大作からアニメまで幅広く話題作が押し寄せる今夏。お気に入りの1本を探しに映画館に出かけてみてはいかがだろうか。(リアルサウンド編集部)