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「21世紀の女の子」舞台挨拶で伊藤沙莉が「この声でよかった」と喜び語る

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「21世紀の女の子」舞台挨拶の様子。左から山戸結希、ふくだももこ、黒川芽以、伊藤沙莉、金子由里奈。

オムニバス映画「21世紀の女の子」の舞台挨拶が、本日2月9日に東京・テアトル新宿で開催された。

「21世紀の女の子」では、1980年代後半から1990年代生まれの新進監督15人が、“自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーが揺らいだ瞬間が映っていること”という共通のテーマを、各自8分以内の短編で表現している。本日行われた舞台挨拶にはキャストの伊藤沙莉、黒川芽以、企画とプロデュース、監督を担当した山戸結希、監督のふくだももこ、金子由里奈が出席した。

「セフレとセックスレス」に出演した黒川は「美術館を歩いたような感覚になる映画。それぞれの監督が個性を出して意欲的に作ったのが伝わってきた。お気に入りを見つけてほしい」と「21世紀の女の子」をアピール。同作を監督したふくだは「最初から黒川さんを撮ろうと決めていた。私の映画を観てくださって、すごく面白いと言っていただいて素敵な人だなと(笑)」と話し、「黒川さんはどんとしていて、いつだってカッコいい。そんな黒川さんの心が揺れる瞬間や震える瞬間を撮りたいと思った」と明かす。

一般公募枠で200人の中から選ばれた金子は「映画を観終わったあとに、撮りたい子や撮られたい子が増えて現象になっていくような作品」と「21世紀の女の子」への思いを語る。そして、「projection」主演の伊藤については「自分の経験を下敷きに撮ったので、自分と似ている人を選びました。声がすごく似ていて親近感があった」と説明する。それを聞いた伊藤は「私はしゃべってる印象やふざけてる印象、ちょっと前まではいじめてる印象が多かったと思います(笑)。なので、なんで私を選んでくれたんだろうと思っていた」と述懐し、「声が理由と聞いて衝撃でした。言葉が少ない役なので、ポツッと言った言葉が重いほうがいいと言ってくれた。この声でよかったなと思える瞬間はなかなかないので、そう思えてよかった」と笑顔を見せる。初めてプロの女優を起用した金子は「瞳の動きだけでこんなに感情の機微が出せるんだ、女優さんってすごいと思いました」と感動したことを語った。

山戸にほかの作品を観てどう思ったかを聞かれたふくだは「みんなこんなに感じ方が違うんだなと思った。みんな覚悟を持って撮っている。心が震えるというのはこのことかと、私は山戸さんの作品で感じました」と述べた。そして、「完成披露の舞台挨拶のとき、制服を着た女の子が1人で来ていた。監督の思いから生まれた女の子がそこにいて、上映前に(登壇者たちの)話を聞いてボロボロに泣いていた。その子は絶対に映画を撮るべきだなと思うし、この映画を観たことで日本にもっともっと映画を撮る人が生まれていくんだろうなと思うと感動した」と感慨深そうに話す。

金子は「15人の監督が自分自身と対話したのが見える。その事実がスクリーンからあふれてきているので感動しました」と述べ、「上映が終わったあとも、未来まで泳ぎ続ける船みたいな映画で、映画を撮る子が増えたらその船も大きくなっていく。未来も過去も見ている映画だと思います」と本作を表現した。

黒川は「女性の生き方は自由だと思うし、そのメッセージが込められていると思う。女性の監督が活躍していけるように広めてほしい」、伊藤は「いろんな世界観がぎゅっと詰め込まれた作品。あっという間に終わっちゃうくらい楽しい作品で、女の子のめんどくさいところも面白く表現されている。誰かの何かしらのきっかけになったらいいな」とそれぞれメッセージを伝えた。

最後に山戸は「監督さんにとっても女優さんにとっても、自分自身への挑戦が繰り返されていたんだなと感じました。挑戦の軌跡のような作品としてずっと残って、映画を観る子や撮る子に捧げられていけばいいなと思います」と真摯な思いを話した。

「21世紀の女の子」は、テアトル新宿にて公開中。2月15日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次上映される。なお本作には唐田えりか、日南響子、松井玲奈、橋本愛、朝倉あき、石橋静河、北浦愛、木下あかり、倉島颯良、瀧内公美、堀春菜、三浦透子、モトーラ世理奈、山田杏奈らも出演している。監督としては、本日登壇した3名以外に、加藤綾佳、坂本ユカリ、井樫彩、枝優花、首藤凜、竹内里紗、東佳苗、松本花奈、安川有果、夏都愛未、山中瑶子、玉川桜が参加した。

(c)2019「21世紀の女の子」製作委員会