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要潤演じる忠彦の画風に変化が起きる 『まんぷく』に新風を送り込んだ壇蜜のインパクト

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 一時は鳥の絵を描いていた忠彦(要潤)。色鮮やかなその画風は実に生き生きとしていた。ところが、戦争を経てからは、彼の画風・色使いに変化が見られるようになる。色覚に異常をきたしてしまった彼は、思うように筆が進まなかったが、それまでとは一転、深みのある青を基調にした魚の画を描くようになったのだ。

参考:『まんぷく』第110話では、萬平(長谷川博己)がダネイホン作りで世話になった近江谷先生(小松利昌)に連絡する

 「今までと違う画が描けるかもしれへん。やっぱり僕は描きたいんや」と言っていた忠彦。『まんぷく』(NHK総合)では、福子(安藤サクラ)たちの物語とともに、忠彦の“画”にまつわる物語も同時に描かれてきた。

 さて、ここ最近の放送で香田家、特に克子(松下奈緒)を動揺させてきたのが、忠彦の絵のモデルの女性たちの存在である。これまでに、奈保美(さとうほなみ)、秀子(壇蜜)といったモデルが香田家を出入りしてきたが、彼女たちの何が克子を不安にさせるのかと言えば、忠彦とモデルがアトリエで2人きりになることだ。しかも、克子たちがくつろいでいる居間から、ちょうどアトリエの中が見えるようになっている。そのため、いちいち彼女たちの表情が(時に意味ありげな表情を浮かべて、ちらっと見てきたりして……)克子の目に入ってしまうのだ。

 ただ、今週の放送で、秀子は忠彦の画風に大きな影響を与えたのだった。忠彦は特定の色を識別することが困難になったものの、その後彼の絵が売れ始めたことを聞いた秀子は、「すばらしいわ。悲劇から美しい芸術が生まれるなんて」と感動する。しかし、秀子は忠彦に対して、もっと“冒険”する必要があると訴えたのだった。そして突如、忠彦の前で情熱的な踊りを見せつけ始める。「既成概念をぶち壊すのよ! さあ描いて!」。香田家の人々も何が始まったのか分かっていなかった様子だが、視聴者もさぞびっくりしたことだろう。

 そうしていよいよ完成した忠彦の絵は、今までとは全く違うものになっていた。秀子が舞う姿を、強烈な赤い線で表現し、忠彦は新たなスタイルを確立したのだ。そして、その後に書き始めた絵も秀子の画と同様に、ぱっと見ただけでは何の絵であるかは分からないものの、観る者の心に何かを訴える作品に仕上がっていた。描かれているもの自体も斬新であるが、忠彦の画の色味も、また大きく変わっていた。全く新しい画風に対して、神部(瀬戸康史)は「何か、見ているだけでウキウキした気分になってきます」と言い、福子も同様に「何か知らんけど、見ているとウキウキした気分になってきます」と評した。“ウキウキ”。そんな感情を観た者の心の中に作り出すのは、何より忠彦自身が画を描くに際して、今までとは違う情熱の注ぎ方をしていたからであろう。挑戦をし続ける萬平と同様に、忠彦の画風の変化も本作において重要な一コマとなっている。

 そして話は変わるが、香田家では、次女の吉乃(深川麻衣)をめぐっても何かが起きそうな気配である。久々に香田家に挨拶に来て、食事をした岡(中尾明慶)と森本(毎熊克哉)の2人であるが、どうやら、白薔薇で一目見たときから吉乃に好意を抱いているようだ。神部はそんな2人の動きを人一倍気にしており、吉乃、岡、森本の三角関係は今後も気になるところである。鈴(松坂慶子)は鈴でお見合い相手を勝手に探したりしているものの、さて吉乃の将来は一体どうなるのやら……?(國重駿平)