チェロ界の巨匠ミクローシュ・ペレーニ 世界が注目する深く芳醇な響きをご堪能あれ
クラシック
ニュース
Photo : Andrea Felvégi
ハンガリーの巨匠ペレーニが再び日本にやってくる。彼が紡ぎ出す深く芳醇なチェロの音色は、まさに世界中が称賛する素晴らしさ。日本とハンガリーの外交関係150周年にふさわしいコンサートとなりそうだ。しかも会場は響きの良さで定評のある浜離宮朝日ホールとなれば、これはチェロ好きならずとも気になるところだ。そもそもチェロの幅広い音域から繰り出される柔らかな音色は音楽ファンのみならず多くの人の人の心を捉えてやまない美しさだ。その最高峰に位置する音色がどのようなものなのか。その答えを確かめるためにもぜひコンサートホールに足を運びたい。予定されるプログラムは、チェリストにとって最も重要な曲目の1つベートーヴェン・チェロ・ソナタ全曲他。数多のチェリストが手がけてきたこの名曲群をペレーニがどう料理するのか興味津々。なにはともあれ、楽器の中でも最も美しい造形を持つ楽器チェロの魅力にゆったりと浸る時間を楽しみたい。
ミクローシュ・ペレーニ(チェロ)
1948年ブダペスト生まれ。音楽一家で幼少からその才能を育み、5歳でダーヴィト・ポッパーの弟子ミクローシュ・ジャムボキに師事。7歳でリスト音楽院に入学、エデ・バンダに師事し、9歳で初のコンサートを行う。1960年から64年にかけてローマ聖チェチーリア音楽院に進み、エンリーコ・マイナルディのもとで研鑽を積む。1963年ブダペストで開催されたパブロ・カザルス国際チェロコンクール入賞後、カザルス自身の招きにより、プエルトリコをはじめとする各地のマスタークラス、また夏のマールボロ音楽祭へたびたび参加し、巨匠の薫陶を受ける。1974年よりリスト音楽院で教鞭を執り、1980年より教授職。多数の録音作品があり、いずれも高い評価を得ている。アンドラーシュ・シフ(ピアノ)と録音したベートーヴェンのソナタ全曲集(2004年, ECM Records)は2005年カンヌ・クラシック・アワードを受賞。最新CDはバッハ、ブリテン、リゲティの楽曲を集めた《チェロのための無伴奏作品集》(2012年, ECM Records)。1978年に初来日を果たして以来たびたび招かれ、浜離宮朝日ホールでは2014年3月、2015年12月に続き今回で3度目の2日間のプログラムによる公演となる。
イムレ・ローマン(ピアノ)
1953年ブダペスト生まれ。4歳でピアノをはじめ、1967年よりバルトーク音楽高校にてピアノと作曲を学んだ後、1971-76年リスト音楽院にてピアノと室内楽の研鑽を積んだ。1973年ハンガリーラジオ放送ピアノ・コンクール特別賞、1976年リスト=バルトークピアノコンクール第3位、1980年レオ・ヴェイネル国際室内楽コンクール(アメリカ、ブルーミントン)第1位ほか数々のコンクールで受賞している。1969年モーツァルトの協奏曲第26番《戴冠式》のソリストとしてベルリン・フィルハーモニーホールに登場後、ソリスト、室内楽奏者としてヨーロッパ、アメリカ、カナダを中心に継続してコンサート・ツアーを行った。1978年東京文化会館にて日本デビュー以来、毎年来日している。ゾルターン・コチシュ、ペーテル・エトヴェシュとのイゴール・ストラヴィンスキー《結婚》の録音は1990年のレコード賞を受賞し、2012年にはフランツ・リストの未完成のピアノ協奏曲《深き淵より》はリスト協会よりグランプリを受賞した。1978-85年音楽院、その後ベルリン芸術大学で教鞭を執った後、1990年よりザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学教授(ピアノと室内楽)。スペインのアルカラ大学、日本の桐朋学園大学、昭和音楽大学、名古屋音楽大学でも後進の指導にあたっている。
フォトギャラリー(3件)
すべて見る