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長い旅路が始まる…新国立劇場「デカローグ 1~4」がスタート

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「デカローグ 1」より、左から石井舜、ノゾエ征爾。(撮影:宮川舞子)

「デカローグ 1~4」が昨日4月13日に東京・新国立劇場 小劇場で開幕した。

「デカローグ」は旧約聖書の十戒をモチーフに、ポーランド・ワルシャワのとある団地を舞台にしたクシシュトフ・キェシロフスキによる10編の連作集。今回は同作の舞台化となり、1・3・5・9・10話を小川、2・4・6・7・8話を上村が演出し、4カ月にわたって総勢40名以上のキャストにより作品を立ち上げる。なお公演は大きく3つのプログラムに分かれており、4月13日から5月6日までプログラムA・B(「デカローグ1~4」)が上演される。

開幕に際し、「デカローグ 1」の「ある運命に関する物語」にて、大学の言語学の教授で無神論者のクシシュトフ役を演じるノゾエ征爾は「役への取り組み方から現場の雰囲気まで、海外の演劇作品に参加しているかのような初体験尽くしで、ただただ夢中に、がむしゃらになっていたら、あっという間にもう開幕ですって。お客さんに楽しんで頂きたい一心で皆で取り組んでおります。是非ともこの作品の目撃を!!」、クシシュトフの姉で信心深いイレナ役を演じる高橋惠子は「本日無事に初日を迎える事ができ、お運びいただいたお客様への感謝と共に、これからの長い旅路がスタートした事を実感しています! デカローグ1のイレナとして瞬間瞬間の相手や周りの変化や輝きを感じながら悔いのないよう、生きてみようと思います。是非今こそ観て頂きたい物語です。ご来場をお待ちしております!」とコメント。

「デカローグ 3」の「あるクリスマス・イヴに関する物語」にてタクシー運転手ヤヌシュ役を演じる千葉哲也は「初日開きました! タイトな稽古時間でしたが中身が本当に濃い...充実した時間を過ごさせていただきました。ドラマのデカローグとはかなり違う作品になり、演劇ならではの作品になったのではないかと思います。これからも本番という旅が続きますが、素敵な時間を観客の皆様に体験して頂ければと思います。こうして無事に初日を迎えられた事を、演出家はじめ、スタッフ、共演者に心からの感謝」と述べる。ヤヌシュの元恋人・エヴァ役を演じる小島聖は「桜の花びらも散り始め、そろそろ新緑の季節ですが、今日から私は千秋楽までクリスマスイブの日に身を置いています。ポーランドのクリスマスはどのくらい寒いのでしょうか。家の中は暖かい時間が流れている中、やりきれない気持ちを束の間、手放したくて外にいます。日常の中のささやかな旅です。夜中から朝の7時まで。朝日が昇る前までの数時間、どうぞ一緒に旅してください。そしてそれぞれの日常に戻っていきましょう」と観客に呼びかける。

「デカローグ 2」の「ある選択に関する物語」にて、重大な選択に悩むバイオリニストの女性ドロタを演じる前田亜季は「ついに開幕です。時代は1980年代後半のポーランドですが、今の私たちにも通ずる、普遍的な悩みや葛藤の中で人生を歩んでいる人々の物語です。人間の不甲斐ない部分も含め、日々を生きていく背中にそっと手を添えてくれる様なキェシロフスキの優しい視点や肯定感に、稽古中何度も救われる気持ちになりました。お客様にも、この団地の住人として感じてもらえたら嬉しいです。舞台ならではのデカローグを見ていただけるよう、精一杯この中で生きたいと思います」と思いを語り、ドロタと同じアパートに暮らす医長役を演じる益岡徹は「稽古を重ねる事に、生きるということ、を考える作品だなと、実感しています。私の役の老いた医師は、戦争で妻や子供、家族を失っています。その後40年以上をどう生きてきたのか、そのことは、書かれていません。おそらく1枚の家族の写真とその記憶と、厳しい人生を生きてきたのだろうと。そして身ごもった子供を産むべきか、堕ろすべきか苦しむドロタの姿に、それでも、人は生きるべきと医師は気がつく。私も、楽日までずっと考えることになりそうです」と作品への思いを話す。

「デカローグ 4」の「ある父と娘に関する物語」にて父ミハウ役を演じる近藤芳正は「こんなに、心に汗掻いたのは初めてだ。海外作品は、セリフが多いものだが、これは少ないセリフでのやり取りが多く、セリフにならない感情、インナーボイスが溢れている。そのうえ ミハウという役は ずっと悩み、迷い続け、自分では結論が出せなくなっていて、例え出したとしても、それが正解なのかどうなのか まったく自信がなく、心のなかがぐちゃぐちゃになってる。いまインナー下着脱いだら、やっぱ汗でぐちゃぐちゃだぁ コリャ凄いぞ! 言葉にならない声を聴きに来て欲しい」と率直な思いを語る。演劇学校に通うミハウの娘アンカ役の夏子は「稽古場で、客席で、他の役者の方のお芝居を観ている時、何ものにも代え難い感動を味わいます。このような感動を味わいたくて生きているんだなと思います。今日始まった壮大な10篇の物語の一員としてお芝居できることが、改めてとても嬉しいです。楽しんで頂けますように!」と観客にメッセージを送った。

上演時間は、それぞれ休憩を含みプログラムAは約2時間10分、プログラムBは約2時間15分で、公演は5月6日まで。その後、5月18日から6月2日までプログラムC(「デカローグ5・6」)、6月22日から7月15日まではプログラムD・E(「デカローグ7~10」)が行われる。

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