Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > Gacharic Spin、結成15周年に向けて攻めの姿勢で挑んだ『Ace』ツアー最終公演レポート

Gacharic Spin、結成15周年に向けて攻めの姿勢で挑んだ『Ace』ツアー最終公演レポート

音楽

ニュース

ぴあ

『Gacharic Spin TOUR 2024「Ace」』 撮影:ゆうと。

続きを読む

フォトギャラリー(5件)

すべて見る

4月20日(土) に東京・EX THEATER ROPPONGIにて行われた、Gacharic Spinのツアー『Gacharic Spin TOUR 2024「Ace」』ファイナル公演のレポートが到着した。

「今日、改めて確信いたしました。みんながそこにいてくれているだけで、私たちはここに立つ意味があって、音楽を奏でる意味があって、存在することができています。本当にありがとうございます!」(アンジェリーナ1/3)

今年の10月に結成15周年を迎えるGacharic Spin(通称ガチャピン)が、その口火を切るEP『Ace』を2月にリリースした。キャリア的には15周年ではあるが現体制となって5年ということもあり、本作のために書き下ろしたものの中からエース曲を厳選した、まさに現在のバンドの勢いを表したかのように攻めの作品となっている。彼女たちのオフィシャルグッズの中に“止まるな”と書かれたTシャツがあるのだが、それが体現されていると言えよう。そんな強力なアイテムを携えたツアー『Gacharic Spin TOUR 2024「Ace」』のファイナルが熱く滾ったものとなったことは言うまでもない。

ソールドアウトとなった会場は開演前からガチャマン(男性ファンの呼称)&ガチャピン子(女性ファンの呼称)の熱気が立ち込めており、客電が落ち、EP『Ace』収録の「オドリオドレ」をサンプリングしたSEが流れると歓喜に満ちた歓声を場内に渦巻かせる。オープニングナンバーはSEからの流れを受けて「オドリオドレ」。アンジェリーナ1/3(Mic Performer / 通称アンジー)の威嚇的なヴォーカルが客席を焚き付け、激しいサウンドでイニシアチブを取り、続く《ずっとベストアンサー繰り返していく/音を止めないよ》とバンドスピリッツを高らかに歌い上げる「BakuBaku」で強固な一体感を築き上げると、FチョッパーKOGA(B)のバキバキのスラップとアンジーのスペイン語でのラップなど歌と楽器陣が拮抗する「ミライ論争」で場内の高揚感を際限なく蹴上げていく。

「日に日に熱量が更新されていくような最高の『Ace』ツアーでした。今回、バラードとかの落としゾーンが一切ないセットリストになっていて、ここからはノンストップで、地獄のようなセットリストが続いていきます」(アンジェリーナ1/3)

宣戦布告のようなMCを挟み、EP『Ace』より《辛くて悲しいことも全部/人生に投げ込んだら輝くよ》とナーバスな感情に寄り添うリリックのヘヴィーチューン「ストロボシューター」で場内の熱量を一段上に引き上げると、サビではワイパーを誘うもののアンジーの咆哮や各パートが戦闘モードにギアを振り切ったバンドグルーブで観客のテンションを爆発させる「リバースサイコロジー」、疾走感と焦燥感が合わさったようなサウンドの中でTOMO-ZO(G)とはな(Vo / G)のツインギターが駆け巡る「The Come Up Chapter」を投下。それにフロアーはクラップや拳を突き上げて呼応し、ライヴは6曲が終わったところで、もうすでに終盤のような様相を見せている。

各メンバーにマイクを回す序盤のブレイクポイントを挟んで、再びコミカルな切り口で人間関係をシニカルに語るガチャピンらしいナンバー「カチカチ山」でアクセルを踏み込む。また、曲中ではながドラムに、ドラムのyuriがステージ上手に出てエレパッドにパートチェンジ。こういう変形スタイルでプレイできるのも、このバンドの面白さだ。その編成のまま楽器陣の超絶プレイが炸裂する「ブラックサバイバル」へ。そんな激アツのサウンドの中で英詞パートをキュートに聴かせるyuriの存在が光っていたのも特筆すべきところだろう。曲間もyuriがエレパッドでつなぎ、はなが再びギターを手にすると、ドラムレスでインディーズ時代のナンバー「僕だけのシンデレラ」を披露。これまで幾度となくプレイされ、その時のバンドの体制によってさまざまなバージョンが存在するわけだが、同曲に限らずバンドの現状によってアレンジが変わるのもガチャピンのライヴの醍醐味である。2024年のグルーブを纏った「僕だけのシンデレラ」も古くからのファンに新鮮に響いたはずだ。そして、TOMO-ZOの圧巻のギターソロをイントロダクションにプレイされたのは、そのTOMO-ZOヴォーカルの新曲「S·w·e·e·t」。アイドルソングのようなラブリーでポップな曲調が、それまで熱気を湛えていた会場を朗らかに和ませた。

「前回、EX THEATERでライヴをさせてもらった2021年はコロナが大変な時期だったんですね。なので、座席を半分にしていたんですよ。お客さんの数をね。で、こんなに満ぱんのEX THEATERを初めて見まして、私、すごく胸が熱くなっております。ありがとうございます! ライヴができるのって当たり前じゃないんだなと思って、今日もステージに立たせてもらっています!!」(アンジェリーナ1/3)

中盤のMCを挟み、新曲のインストゥルメンタルナンバー「SPEED」へ。アンジーがステージをはけると、KOGAがスラップをキメ、はな×TOMO-ZOのツインギターがスリリングなソロを、オレオレオナ(Key)が鍵盤で流麗な旋律を聴かせ、yuriが刻むタイトなビートの上で息を呑むようなプレイが縦横無尽に繰り広げられる。そして、アンジーが制服姿で再登場し、クールなキラーチューン「MindSet」につなぐ。各パートがバトルするテクニック全開のナンバーに客席が大いに沸き、続くアグレッシブな「レプリカ」でギアがトップに! 屈強のバンドグルーブがフロアーの床を大きく揺らすのだった。

「シリアスな「レプリカ」からのこのコーナー、Gacharic Spinの幅広さを表しております(笑)。全曲アゲ曲ばかりで自分たちの首を締めたこのツアー、唯一休めるのがこのコーナーだと思います(笑)」(TOMO-ZO)

畳み掛けるように攻め立てたブロックの後は、これまでの空気を一転させるTOMO-ZOのMCコーナーでしばしの脱力タイム。その間、アンジーが衣装チェンジを済ませ、THE BACK HORNの菅波栄純提供曲であるオイコールを呼ぶハイボルテージの「超えてゆけ」から怒涛の後半戦に突入! インディーズ時代から起爆剤的に活躍してきたエネルギッシュな「Lock On!!」をアンジー×はな×オレオのトリプルヴォーカルで聴かせ、コロコロと変わる複雑な展開で聴く者を引き込む「ナンマイダ」、各パートが牙を剥くように交錯する容赦ないサウンドの中で《君にはこの歌どんな風に聴こえる?/こんな世界だからこそ此処に立ち続けて歌おう》とウエットなメッセージを投げかける「I wish I」を矢継ぎ早に繰り出し、EP『Ace』のリード曲であり、新しいGacharic Spinの側面を開拓した「Let It Beat」のダイナミックなグルーブで会場を酔わせて本編を締め括る。

アンコールの1曲目は「ソールドアウトしてますし、めでたいことをしたいじゃないですか。めちゃくちゃぶち上がる新曲を持ってきました」とのアンジーの言葉から、EP『Ace』からの進化を感じさせる新曲「乱心glow」をプレゼント。はな&アンジーのツインヴォーカルを活かし、リフレーンされる《乱心glow》のフレーズが耳に残る痛烈で痛快なナンバーで再び場内に熱気を呼び寄せる。そして、EP『Ace』のラスト曲でもあるラテンフレーバーを纏ったシンガロングナンバー「Lin-Lin-Lan」で大団円。《出会ってくれてありがとう》《あなたと出会えてよかった よかったの》と歌い、「みんなのおかげで私たちは音楽を続けることができています。本当にありがとー!」と叫び、最後にステージとフロアーの境のないハートフルな熱の塊を場内に作り上げたのだった。

最後に客席をバックに記念撮影をして全員笑顔で終幕……と思いきや、ステージ上でオレオが涙顔に。会場にオレオコールが響く中、そんなオレオにマイクが渡り「『Ace』という今の私たちをギュッと詰めた5曲入りのパワーが漲るEPを引っ提げてのツアーも、いったん今日で幕を下ろして……追加公演をやるんですけど、本当にここまで来れて良かった(泣)。短いツアーだったんですけど、各地各地でみんなからパワーがもらえた大事なツアーでした。この勢いでTDCに向けて、15周年に向けて、一丸となって走っていきたいと思っています! 今日は本当にありがとうございます!!」とコメント。このカッコ良くキメられない不器用なところがまたGacharic Spinらしく、そこもガチャマン&ガチャピン子たちを惹きつける魅力のひとつだと言える。

そして、そんなツアー最終公演のセットリストに並ぶのは最新EP『Ace』と最新アルバム『W』の楽曲が中心。KOGAもMCで前々回の同会場でのライヴ(2016年5月28日の『オレオさんの婚活ツアー'16春 ~新しい出会いを求めて~』)と本公演のセトリが被っている曲が1曲だけだと語っていたが、ライヴでの定番曲的なメジャーデビュー曲「赤裸ライアー」をはじめ、鉄板曲の「WINNER」「ダンガンビート」が外れている。つまり、常に“最新のGacharic Spin”で勝負しているということだ。もちろん、それは日々更新されていく。すでに発表されている『LIVE 2024「Let It Beat」』と題した7月6日(土) の東京・TOKYO DOME CITY HALLでの追加公演で、さらに進化した彼女たちに出会えることは想像に容易い。15周年の節目に、どんなバンドへと変化するのだろうか? これはかなり興味深い。

そして、待望の新曲は、この夏のリリースに向け準備中だ。

なお、本公演のセットリストは各配信サイトにてプレイリストとして公開されているので、是非聴きに来て欲しい。

<公演情報>
『Gacharic Spin TOUR 2024「Ace」』

4月20日(土) 東京・EX THEATER ROPPONGI

【セットリスト】
SE
01. オドリオドレ
02. BakuBaku
03. ミライ論争
04. ストロボシューター
05. リバースサイコロジー
06. The Come Up Chapter
07. カチカチ山
08. ブラックサバイバル
09. 僕だけのシンデレラ
10. S·w·e·e·t(新曲)
11. SPEED[Instrumental](新曲)
12. MindSet
13. レプリカ
14. 超えてゆけ
15. Lock On!!
16. ナンマイダ
17. I wish I
18. Let It Beat

■ENCORE
19. 乱心glow(新曲)
20. Lin-Lin-Lan

配信リンク:
https://lnk.to/pl_acetour

<ライブ情報>
Gacharic Spin LIVE 2024『Let It Beat』

7月6日(土) 東京 TOKYO DOME CITY HALL

Gacharic Spin×DOLL$BOXX Zepp TOUR

12月08日(日) 東京 Zepp Haneda
12月15日(日) 福岡 Zepp Fukuoka
12月21日(土) 北海道 Zepp Sapporo
12月29日(日) 大阪 Zepp Osaka Bayside
2025年1月12日(日) 名古屋 Zepp Nagoya

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=98110045

公式サイト:
https://gacharicspin.com/

フォトギャラリー(5件)

すべて見る