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48グループ&乃木坂&欅坂&日向坂の“次世代エース”集結する坂道AKB 選抜メンバーに感じたこと

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リアルサウンド

 AKB48が、3月13日に新シングル『ジワるDAYS』をリリース。同作のType B盤に、坂道AKBによる楽曲が収録される。

(関連:AKB48グループ、乃木坂46、欅坂46の“国境の壁”は限りなく低いーー坂道AKB楽曲が示すこと

 坂道AKBは、AKB48グループ、乃木坂46、欅坂46、日向坂46からなる坂道シリーズの選抜メンバーで構成。各グループの“次世代エース”と謳われるメンバーが集結する貴重な機会とされ、坂道AKBとしての新曲は第1弾「誰のことを一番 愛してる?」(2017年3月)、第2弾「国境のない時代」(2018年3月)に続き、約1年ぶりにリリースされる第3弾となる。

 このたび選抜されたメンバー全25名の内訳は、以下の通り。AKB48より、岡部麟、小栗有以、坂口渚沙、下尾みう、福岡聖菜、矢作萌夏、山内瑞葵の7名。NMB48より梅山恋和、STU48より瀧野由美子、HKT48からは田中美久を選出。AKB48グループ全体からは全10名が選ばれた。また、乃木坂46より梅澤美波、大園桃子、久保史緒里、山下美月、与田祐希の5名。欅坂46より小池美波、小林由依、菅井友香、鈴本美愉、土生瑞穂の5名。日向坂46からは加藤史帆、小坂菜緒、齊藤京子、佐々木美玲、渡邉美穂の5名が選ばれ、坂道シリーズからは全15名が選出された。

 前作の18名に比べ、一気に大所帯となった今回の坂道AKB。その背景には、若手メンバーの台頭があるのだろう。その一例に、HKT48・田中が昨年6月開催の『第10回AKB48 世界選抜総選挙』にて、自己最高の第10位を獲得。AKB48グループ楽曲で初の選抜入りをしたことが挙げられる。あわせて、2月11日にけやき坂46から改名を発表したばかりの、日向坂46による本格的な参画もあることだろう。

 AKB48はTeam 8所属メンバーが大半を占めるほか、NMB48・梅山は坂道AKB始動以来、初のNMB48選出メンバーに。また、乃木坂46は勢いある3期生メンバーで布陣を固めたほか、欅坂46も選ばれた全員が、音楽番組や単独ライブにおいて何らかの形でセンターを務め上げた経験がある。全グループとも、今後の活躍に大きな期待を寄せられるメンバーが集結している印象だ。

 今回の発表を受けて感じたのが、坂道AKBにおける参加メンバーの流動性である。初楽曲「誰のことを一番 愛してる?」では、欅坂46・平手友梨奈がセンターを担当。続く「国境のない時代」でも、同グループの長濱ねるが同ポジションを務めた。しかし、両者は今回の楽曲には参加しておらず。これは、乃木坂46・齋藤飛鳥と堀未央奈、SKE48・松井珠理奈、現在は日韓合同アイドルグループ・IZ*ONEにも所属するHKT48・宮脇咲良など、これまでフロントを務めてきたメンバーも同様だ。この采配には、“次世代エース”らに対して、今後の推進力を養わせる意図があるのかもしれない。坂道AKBではその活動の都度、最もフレッシュなメンバーを選出しているようである。

 なかでも注目が集まるのは、今回のセンターを務めるメンバーだろう。前述のとおり、これまでの楽曲では、欅坂46より同ポジションが選ばれてきた。AKB48、SKE48やHKT48らをAKB48グループと総じるならば、欅坂46は当時最も経験の少ないグループだったといえる。そう考えれば、今回期待されるのは日向坂46からのセンター輩出だ。現在の日向坂46は、前述の改名発表と同時に、3月27日の単独シングルデビューや、同月に神奈川・横浜アリーナでのデビューカウントダウンライブ開催を明らかにするなど、グループとしての先行きを占う重要な局面にある。今回の坂道AKB楽曲で、日向坂46メンバーがセンターを担うことになれば、グループ全体としても今後の活動に大きな弾みがつくはずだ。

 そんな坂道AKBの活動は、どうしても音楽番組への出演が中心となる。ライブでのパフォーマンスを見られる機会は、おそらく望みが薄いだろう。これは、全グループのスケジュール調整が困難を極めることに由来しており、これまでのMV収録やダンスの振り入れなども、各人が多忙の合間を縫って行なってきたようだ。

 しかしながら、TV番組でのパフォーマンスにも、坂道AKB独自の楽しみ方を見出すことができるのではないだろうか。それは、グループ間の“国境”を越えた、メンバー同士の“カップリング”にあると思われる。実際に「国境のない時代」MVを確認してみよう。全員がキレのあるダンスを披露するシーンはもちろんだが、各グループのメンバーが同じ画角に収まる構図は非常に新鮮に映る。一例を挙げるならば、AKB48・小栗と乃木坂46・大園と久保、欅坂46・渡邉理佐の4名を一緒に目にする機会も、そう多くはないだろう。

 これは全グループのファンだけでなく、一定のグループのみを応援するファンにとっても、非常に有意義な機会になりえるはずだ。普段は触れる機会がなくとも、自身の応援するグループのメンバーが、その他のグループやメンバーと同じ空間でパフォーマンスをしていれば、自然と気になり始めるに違いない。このような新たな興味関心を誘えることも、“全員主役”と評せる坂道AKBの試みがあってこそだ。

 楽曲タイトルをはじめ、今後の動きにも期待が集まる今回の坂道AKB。メンバー自身はもちろん、彼女たちのファンにとっても、“国境のない時代”はもう目前に迫っているのかもしれない。(青木皓太)