大人気弦楽アンサンブル「石田組」、10周年記念公演を念願の武道館で開催
クラシック
インタビュー
石田泰尚 (撮影:ヒダキトモコ)
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すべて見る「石田組」は、多彩な活躍で聴衆を魅了し続けるヴァイオリニストの石田泰尚が、信頼する首都圏のオーケストラ奏者を集めて2014年に結成した弦楽アンサンブル。今年10周年を迎え、30か所の全国ツアーを行うが、そのなかで念願の日本武道館公演を行う。
「結成して5年くらいで、ひとつの目標だったサントリーホールでの公演を実現することができました。そのあと“次の目標をどうしよう”と思ったときに浮かんできたのが武道館だったのです。ただ、“武道館でやりたい”と言ってはみたものの、本当に実現できるとは思っていませんでした。決まったときはもちろん嬉しかったですが、とにかく驚きましたね。いまはとにかく、絶対に成功させたいという想いでいっぱいです」
ユニットを10年続けるというのは決して簡単なことではない。しかし石田組は年々メンバーも公演数も増え、人気も高まり続けている。どんな想いで活動を続けているのだろうか。
「結成したときからずっと変わっていないのは、クラシック音楽を様々なジャンルの楽曲と共に演奏することで、クラシックが苦手な方にも楽しんでいただけるような公演にしていく、ということです。これはこれからも変えるつもりはありません。変化したのはとにかく大所帯になったことですね。そのおかげで出演するメンバーが公演ごとに変わるようになるので、新鮮さや緊張感が生まれ、刺激になっています」
石田組のコンサートでは、彼らが一番大切にしているクラシックを第1部、ロックや映画音楽、演歌など幅広いジャンルの楽曲が第2部で演奏されるというスタイルをとっている。プログラムの幅広さと曲ごとに変わる演奏スタイルが大きな魅力だ。
「自分は石田組よりも前に結成していたYAMATO String Quartetでずっとロックを弾いていたので自然とこういうスタイルに馴染んでいたのですが、他のメンバーはクラシック以外のジャンルを演奏する機会は非常に少ないので、最初はなかなか大変な様子でした。しかし、それらの作品に対して非常にリスペクトをもって臨んでくれているので、どんどんいいものが生まれてきています」
武道館公演のセットリストはまだ決まっていないというが、編成は通常よりも大きくするという。
「通常の公演では13人編成なのですが、今回は大きな会場ですし、20人編成にしました。またコントラバスもいつもは1人のところを3人にし、低音の厚みを増やしています。30や40人と編成も考えましたが、バランスを考えてこの人数がベストだと判断しました。ちなみにコントラバスの市川哲郎さんは初出演です。初めての石田組でいきなり武道館公演というので驚かれていましたが、きっと素晴らしい演奏をしてくださるでしょう」
いままでにない会場での演奏だが、曲目や演出などで新しい試みが行われるのだろうか。
「音楽の内容は基本的にはいつもの通りです。クラシックと様々なジャンルを織り交ぜた内容のプログラムにします。演出面は武道館だからこそのものをやってみたいですね。まだ具体的にどうするかは決まっていないのですが、最初が肝心だと思っています。大好きな長渕剛さんのコンサートでも最初の登場がカッコいいので。今回は2月にSUGIZOさんと共演させて頂いたときの照明さんが入ってくださるのでそれも楽しみですね。今までにないようなものができると思います」
4月10日には10周年記念アルバムがリリースされたばかりだが、こちらの曲の演奏も行われるのだろうか。
「アルバムからどれくらいの曲を入れるかまだ考えていないのですが、少なくとも収録曲から布袋寅泰さんの《BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY》は入れたいですね」
石田は「大阪城ホールでもやりたい」という希望も話しており、今回の記念すべき公演をきっかけに今後もさらなる飛躍が期待される。今後も楽しみに追っていきたい。
取材・文:長井進之介
撮影:ヒダキトモコ
<公演情報>
石田組 結成10周年ツアー 日本武道館
公演日程:2024年11月10日(日) 17時開演(16時開場)
会場:日本武道館
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/ishida10budokan/
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