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満員御礼! バンド結成10周年・Lucky Kilimanjaro「YAON DANCERS 2024」@日比谷野外大音楽堂【ライブレポート】

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「Lucky Kilimanjaro YAON DANCERS 2024 supported by ジャックダニエル」4月21日(日) 東京・日比谷野外大音楽堂 (Photo:田中聖太郎)

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バンド結成10周年を迎えたLucky Kilimanjaroが4月21日、日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブ「Lucky Kilimanjaro YAON DANCERS 2024 supported by ジャックダニエル」を開催した。野音でのライブは3年ぶり。前回はコロナ禍ということもありキャパが半分での開催となったが、今回はフルキャパの満員御礼でたくさんの人がお祝いに駆けつけた。

3年前の野音に続いて、今回もまた開演直前に雨が降り出すあいにくの天気となったが、集まった観客、YAON DANCERSに雨など関係なし。(アンコール含め)30曲超えのダンスミュージックがノンストップで繰り出されるライブに、雨を弾き返す軽やかなステップを踏んだ。

Lucky Kilimanjaroにとって最初の作品となった2015年の1stミニ・アルバム『FULLCOLOR』の1曲目「Super Star」で幕を開けた「Lucky Kilimanjaro YAON DANCERS 2024 supported by ジャックダニエル」。熊木幸丸(Vo)が気持ちよく体を揺らしながら、「お越しいただきありがとうございます。ダンスは自由です!」というと、アンサンブルは一段とボリュームを増して観客を踊らせる。MCや曲間もインタールードで繋ぎ、バンドの音やグルーヴを止めずに進んでいくこのライブ。都会の真ん中でありながら木々に囲まれた野音という場所と相まって、この空間だけが日常から切り離された、カラフルな音楽に溢れた小宇宙のように感じられる。

左から)熊木幸丸(Vo)、松崎浩二(Gt)

「『Super Star』から応援してくれている人も初めての人も、それぞれ自分のスタイルでいいんです。みなさんの自由なダンス楽しみにしています」という熊木の言葉で、陽性度を増して「350ml Galaxy」へと突入。観客も待ってましたとばかりにそれぞれの飲み物を手に、ラストの「乾杯!」の合図で杯を掲げる。この日は10周年の祝杯だ。柴田昌輝のドラムとラミのパーカッションによるセッションで盛り上げ「楽園」へとひとっ飛びすると、心地よくチルなムードに酔いしれ、また大瀧真央のシンセサイザーがきらめく「Sweet Supermarket」に体を揺らし、「またね」では観客の手拍子やジャンプで会場が熱気を帯びていく。

柴田昌輝(Ds)
ラミ(Per)

松崎浩二(Gt)が楽しそうにダンスする姿に、観客もつられるように手拍子を大きくし、笑顔が広がる。序盤から新旧の曲が混じり合い、まさに10周年にふさわしいセットリストだ。

松崎浩二(Gt)

山浦聖司のスラップベースに歓声が上がった中盤の「Burning Friday Night」あたりからは照明も映えるような時間となって、会場のボルテージもぐんと高まる。頭からノンストップだが観客は疲れ知らずだ。それもLucky Kilimanjaroの紡ぐグルーヴやフレンドリーなサウンドゆえだろう。熊木は今日は長いけど、とMCで言っていたが、途切れることのない心地よいビートや、体温をグッとあげたり、またはなだらかにクールダウンもしてくれる絶妙な匙加減が効いたバンドアンサンブルは、言葉以上に饒舌に10年という時間の濃さを伝える。人力で、人肌のあたたかさのある彼らのダンスミュージックはエモーショナルで、体も心も揺らしてくれる。

山浦聖司(Ba)

「エモめの夏」などシンガロングチューンや、熊木がDISH//への提供曲の幻影的なセルフカバー「SAUNA SONG」、またフォーキーな「咲まう」を熊木はステージに腰掛け歌い、美しい「MOONLIGHT」へと、中盤はゆったりとした曲も交えて夜の野音を味わった。

昨年リリースした4thアルバム『Kimochy Season』の「Kimochy」から再び多幸感、恍惚感の真っ只中へと連れ立っていく曲が並んだ後半は、「果てることないダンス」や、パーカッションの紡ぐラテンビートと熊木の紡ぐ詩的でユーモラスな和の言葉との異文化ミックスに観客がコブシをあげシンガロングする「踊りの合図」、さらに異空間の妖しいムード漂う「でんでん」でと、まさに定型なしのフリーダムなダンスを踊らせる曲を連投。

大瀧真央(Syn)

さらに、このライブの数日後にリリースとなった新曲「実感」がそこに続いた。“今”を生きている実感を大事にしたいというメッセージが込められたこの曲は、強靭なビートに哀愁混じりのメロウな歌が載る。どこか儚い美しさが冴える曲だ。その美しさに続いた「無限さ」もまたグッと胸に迫る。今この時を爆発させるようにアンサンブルが晴れやかに高鳴り、また観客も一層高いジャンプで応え、続く「HOUSE」では共にその歌を口ずさみながら踊る。

「今日は踊ってくれてありがとう。これまで10年、一緒に踊ってくれてありがとう。これからの10年も一緒に踊ってくれますか」という熊木の言葉ではじまったラストナンバーは「ひとりの夜を抜け」。信じて踊り続けてきた道の先に広がったのは、満員の会場で、たくさんの人が笑顔で踊り歌う、美しい野音の光景。きっとこの先、目の前の光景はどんどん大きく広がっていくのかもしれない。それでも原点にあるのは、時に迷い、涙を流しながらも自分の思いを諦めることなかったあの日の思いだ。「ひとりの夜を抜けて」に込められたソウルは時を重ね、ますます熱く、濃く輝いている。

熊木幸丸(Vo)

アンコールでは、6月から大阪城音楽堂を皮切りにスタートする全国ツアー「Lucky Kilimanjaro presents.自由“10”に踊ろうTOUR」に続き、来年2月には結成10周年を締めくくるバンド史上最大規模となる幕張メッセでのワンマンライブ「Lucky Kilimanjaro presents.TOUR“YAMAODORI 2024 to 2025”」が開催されることが発表された。野音に歓声が響きわたるなか、せっかくの10周年ということでメンバーひとりひとりが挨拶。また、やっぱり雨だよねと熊木は苦笑いして、この日にぴったりの「雨が降るなら踊ればいいじゃない」等を披露し、「明日からも踊ろう、これからの10年もよろしく」とアニバーサリーイヤーの幕開けとなる「Lucky Kilimanjaro YAON DANCERS 2024 supported by ジャックダニエル」の幕を閉じた。

Text:吉羽さおり Photo:田中聖太郎

<配信情報>
Lucky Kilimanjaro デジタルシングル『実感』

配信中

Lucky Kilimanjaro『実感』ジャケット

【収録曲】
1. 実感
2. 次の朝

配信リンク:
https://lnk.to/LK_zikkanNR

Lucky Kilimanjaro「実感」MV

<ツアー情報>
『Lucky Kilimanjaro presents.自由“10”に踊ろう TOUR』

6月8日(土) 大阪・大阪城音楽堂
6月14日(金) 北海道・Zepp Sapporo
6月16日(日) 宮城・SENDAI PIT
6月22日(土) 石川・EIGHT HALL
7月6日(土) 広島・CLUB QUATTRO
7月7日(日) 福岡・Zepp Fukuoka
7月12日(金) 愛知・Zepp Nagoya
7月15日(月・祝) 新潟・NIIGATA LOTS
7月20日(土) 東京・Zepp DiverCity

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2449946

『Lucky Kilimanjaro presents. TOUR “YAMAODORI 2024 to 2025”』

2025年2月16日(日) 幕張メッセ国際展示場 4・5ホール

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2415094

オフィシャルサイト:
http://luckykilimanjaro.net/