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『ロートレック展 時をつかむ線』6月22日から ポスターや素描、版画など紙作品の世界的コレクションを日本初公開

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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《ディヴァン・ジャポネ》 リトグラフ 1893年 The Firos Collection

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19 世紀末フランスを代表する画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901年) は、とりわけ巧みな素描や大胆かつ洗練されたポスターや版画で知られる芸術家だ。その彼の紙作品を中心に収集している「フィロス・コレクション」を紹介する展覧会が、東京・新宿のSOMPO美術館で、6月22日(土)から9月23日(月・祝) まで開催される。

フィロス・コレクションは、ギリシャ人コレクターのベリンダとポール・フィロス夫妻が、20年以上にわたって収集してきたロートレック作品の個人コレクション。素描や版画、挿絵、ポスターなどを中心とした作品総数は300点以上に及び、紙作品の個人コレクションとしては世界最大級のものだ。そして、今も収集を続けている発展中のコレクションでもある。これまでアメリカや中国などで展覧会が開催されてきたが、日本での開催は今回が初。約240点を展観する大規模な展覧会となっている。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《騎手》  ペン、インク 紙 1879-81年 The Firos Collection

見どころのひとつは、ロートレック自身の代名詞であると同時に、19世紀末パリの芸術を代表する存在でもあるポスターの充実した展示があること。ロートレックは生涯で約30点のポスターを制作したと言われるが、今回はそのうちの21点が出品される。同コレクションは、文字入れをする前の刷りを中心に、状態のいい作品を厳選して集めているため、ロートレック自身のデザインをオリジナルに近い状態で鑑賞できる貴重な機会となる。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《マルセル・ランデール嬢の胸像》  リトグラフ 1895年 The Firos Collection

もうひとつの見どころは、同コレクションのなかでも重要な素描作品が約45点紹介されること。完成作からスケッチまで、素描の名手だったロートレックの素早い描線を間近に感じ、彼の線がもつ魅力を存分に堪能できるのが嬉しいところだ。

伯爵家に生まれたロートレックは、1884年頃からパリのモンマルトルにアトリエを構え、そこに生きる歌手や女優、芸人、娼婦たちの姿を描き続けたが、飲酒や放埒な生活のために身体を害し、30代の若さで亡くなっている。同展は、画家の息づかいが感じられる素描に加え、手紙や食事会のメニュー、私的な写真なども加え、ロートレックの「真の姿」に迫るもの。と同時に、ポスターや版画、挿絵、関連資料を通じて、19世紀末パリの喧噪と、その時代を生きた人々の息吹も感じとれることだろう。

<開催概要>
『フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線』

会期:2024年6月22日(土)~9月23日(月・祝)
会場:SOMPO美術館
時間:10:00~18:00、金曜は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)
料金:一般1,800円 大学1,200円
公式サイト:
https://www.sompo-museum.org

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