大阪松竹座「七月大歌舞伎」に向け、片岡仁左衛門が語る「『これで良し』は見つからないもの」
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片岡仁左衛門(c)松竹
「七月大歌舞伎」が7月3日から26日まで大阪・大阪松竹座で開催される。これに先駆け、片岡仁左衛門の取材会が昨日5月13日に大阪府内で行われた。
仁左衛門がいがみの権太を勤める夜の部「義経千本桜」では、3段目から「木の実」「小金吾討死」「すし屋」が披露される。「上方の型に対してどのような解釈や工夫をしてきたか?」と問われた仁左衛門は「関西の型、江戸の型と言いますが、役者に準ずるところも大きいので、関西の中だけでもいろいろな型があります。私は父から学んだものを元に工夫しています。『すし屋』の場合は、初演以降は必ず『木の実』『小金吾討死』も合わせて上演し、権太自身の家庭、親子の情愛をアピールすることを大前提としています。また、わかりやすく明瞭なセリフに書き換えています。役者は“あれもこれも伝えたい”となりがちですが、それだとせっかくの訴えたいことがかえってぼやけてしまうので、私は単刀直入に核に触れていくようにしています」と話す。
さらに「歌舞伎の場合は関西、江戸とそれぞれの表現の特徴がありますが、文楽さんの要素も取り入れることで新たな発見があります。『これで良し』というものは見つからないものですから、常に考えて気付きを得ていますし、今後もそれは変わらないと思います。演技がうまくても心が伝わらなければいけないし、技法ばかりが先行してはいけないと思っています」と考えを述べた。
また今年、関西・歌舞伎を愛する会が結成45周年を迎えることについて、「夏に大阪で芝居ができることはとてもうれしいです。芝居ができなかった時代、芝居ができてもお客様は半分という時代を知っていますから、お客様と俳優が共に育ってきた45年間だったと感じます。最近の大阪松竹座の『七月大歌舞伎』は多くの方が来てくださるので安心して芝居ができます。なお一層がんばって、次の50周年も元気に出られるようにしたいです」と目標を語った。
最後に、今後次世代につなぎたいことや伝えていきたいことを問われると、「狂言やお役についてではなく、役の捉え方、表現の仕方をしっかり伝えていきたいです。それが伝わるとどの狂言でも大丈夫になる。型は大事ですが、その型がなぜ生まれたのか、なぜこの型になったのかという基本をつかまないと張りぼてになってしまいますので」と言葉に力を込めた。
「七月大歌舞伎」のラインナップには、昼の部に「小さん金五郎」「藤娘」「俄獅子」「恋女房染分手綱」、夜の部に「義経千本桜」「汐汲」「八重桐廓噺」が並んだ。チケットの一般販売は6月7日10:00にスタート。
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