peanut buttersインタビュー 新サポートボーカル・ばななあいすお披露目ライブはチケット代500円!
音楽
インタビュー
左から)ニシハラ、ばななあいす (Photo:町田真一郎)
続きを読むText:吉羽さおり Photo:町田真一郎
どこか懐かしい甘美さと爽やかさが混じり合ったジャングリーなインディロックや歪みの効いたギターがほとばしるオルタナロックなどをポップに、キャッチーに昇華した音楽が早耳なリスナーにキャッチされ、クセになるメロディでリスナーの裾野を国内外に広げるコンポーザー・ニシハラによるソロプロジェクトpeanut butters。
昨年はSpitz主催イベント「豊洲サンセット」にも出演し、渋谷WWWでのワンマンも成功させたpeanut buttersが2024年、新たなサポートボーカル・ばななあいすを迎え活動をスタートする。6月18日(火) には下北沢Shangri-Laで新体制での初ワンマン「500円で観れマッスル〜1drink別〜」の開催が決定。現在、新たなる曲を制作中というニシハラ、ばななあいすのふたりに近況やライブに向けた思いをインタビューした。
──peanut buttersの新サポートボーカルということで、ばななあいすさんが決定しました。ばななあいすさんの決め手となったところ、またニシハラさんとしてはpeanut buttersのボーカリストとしてこういう人がいい、曲をこんなふうに表現できる人がいいという思いはあるんですか。
ニシハラ 自分が作る曲のイメージに合う声質の人がいいなというのは思っていますね。今までのボーカルがウィスパーボイス系の人たちだったんですけど、今回のばななあいすさんはハイトーンで、芯のあるストレートなボーカルで。これまでの方とはちょっとちがうんですけど、声質的にいいなっていうのがありました。
──ボーカルが変わることで音楽的にも新たなトライができると思いますが、ニシハラさんとしてはここからのpeanut buttersをどのように思い描いていますか。
ニシハラ 今、曲の制作をしているんですけど、ライブで盛り上がる曲、ガンガンいく感じの曲が合う声かなと思っているので。それに合う曲を作ろうっていうのは思っています。
──ばななあいすさんが、今回の<新サポートボーカル募集>に応募したきっかけは?
ばななあいす まずpeanut buttersを知ったのは、TikTokのおすすめ曲で流れてきたのを聴いたのが最初のきっかけで、それでライブに行くくらい好きになったんです。歌詞がネガティヴだけど、曲調は明るいっていうのがすごくいいなと思っていて。私自身、音楽活動をしていたわけではないんですけど、たまたま<新サポートボーカル募集>のオーディションがあるのを知って挑戦してみようかなっていうことで、エントリーしました。
──ばななあいすさん自身、これはいけるぞっていう感じはあったんですか。
ばななあいす いえ、まったくです(笑)。趣味で弾き語りをやっていたので、応募のデモは弾き語りで送ったんですけど、自信はなくて。決定のお知らせがきたときはいたずらメールかなと思ったくらい、選んでいただいて本当にびっくりしました。
──ギターも弾けるとなると、今後ライブでギターを持って歌うっていうこともできそうですね?
ばななあいす いやあ、どうなんでしょう(笑)。
ニシハラ できそうですよね。じつはドラムもちょっとできたりするんですよね。
──いろいろできるじゃないですか。ばななあいすさんが音楽に興味を持ったきっかけは。
ばななあいす 歌は小さい頃から好きで、よく歌っていたんです。母がバンド好きなので、母が好きなバンドの曲を歌ったり、小さい頃は母と一緒にライブに行ったりもしていました。学生時代に吹奏楽部に入っていたんですけど、そこで楽しいなって思ったのが音楽に興味を持ったきっかけで。当時打楽器を担当していたので、ドラムが叩けるようになりました。ギターは高校1年のときに周りの友だちがはじめて、自分もやりたいなって思ったのがきっかけで。弾き語りでいろんな曲をカバーしたりしていました。とくにコレサワさんの曲はたくさんカバーしましたね。
──ということは、自分でも音楽活動をしたいなという思いはあったんですね。
ばななあいす したいなとは思っていたんです。peanut buttersとはまた違いますけど、元々バンドとかの激しい音楽がめっちゃ好きで。
──ドラムやギターもできるし、バンドをやろうっていうのはなかったんですか。
ばななあいす やってみたいなとは思っていたんですけどね。ギターをやってる子はいたんですけど、周りにバンドをやるような人がいなくて、諦めていたんです。
──このとても気になる“ばななあいす”という名前は何か由来があるんですか?
ばななあいす 深い意味はないんです。たまたま携帯の写真のなかにバナナ味のアイスの写真があったので、これにしようって思っていう感じで、適当に決めちゃいました(笑)。
ニシハラ それでいいのかっていう名前ですよね(笑)。僕はまだ、普通に本名で呼んじゃったりしているんですけど。
──ニシハラさんは、実際にばななあいすさんに会ったときの印象や、話をしてみてどうでしたか。
ニシハラ 歌声に反して、意外と地声が低いんだなっていうのは実際に話して思いました(笑)。あとは、これからライブとかいろんな活動があるのですがどれくらい動けるのかとか実務的な話がメインで。6月18日にはお披露目のワンマンライブ「新体制peanut butters初ワンマンライブ“500円で観れマッスル〜1drink別〜」があるので、今は曲をたくさん覚えたりと加入早々に無理してもらってますね。
──実際一緒に音を合わせてみてどうですか。また、これまでのpeanut buttersとは印象が変わりそうですか。
ニシハラ とてもよいと思います。これまでの曲も違和感なく歌いこなしてくれます。
──ばななあいすさんとしてはこれまでいちファンとして曲を聴いてきたと思いますが、それを自分の歌として昇華していく作業はどうですか。
ばななあいす 最初は、比べられてしまうのはしょうがないのかなというのは正直思っているんです。まだ歌にしてもいろいろと探り途中ではあるんですけど、これもこれでいいなって思ってもらえるように頑張っているところですね。
ニシハラ 元々、高い声が良い感じのボーカルがいいなというのを思っていて。なので結構激しい感じ、ガンガンいくような曲調が合うなっていうのは思っていますね。実際、そういう曲も作っていて。
──peanut buttersとしてはこれまで『peanut butters』(2021年)、『peanut butters Ⅱ』(2023年)という2作のアルバムを発表して、ライブも重ねてきていますが、ニシハラさんがコンポーザーとして変化していること、曲に対してより意識していることはありますか。
ニシハラ 1作目は結構好き勝手に作っていたんです。2作目では好き勝手に作った曲もありましたけど、ライブを頑張ろうという目標もあったので、よりライブを意識した曲にというのもありました。自分自身、音楽的なルーツというとレッド・ホット・チリ・ペッパーズとか洋楽で、こうして自分で音楽をはじめるまであまり日本のバンドや音楽に触れてこなかったんですけど。活動をはじめて一緒にライブをやったりするなかで、もっとこういう感じがいいんだなとか、こういう感じだと盛り上がるんだなっていう邦楽ロックのセオリーも学びながら、peanut buttersに取り入れたりもしています。今でももちろん自分が好きな感じで自由に作ってもいるので。より聴きやすい曲と、自由に作る曲という二極化しているなという感じです。
──どういった曲調にしてもpeanut buttersにはポップさやメロディのキャッチーがあると思いますが、そういった面はどうやって磨かれてきたものですか。
ニシハラ どうなんでしょうね。メロディが強いものを好んで聴いてきたこともあって、自分で作るものに対してもこれはメロディが弱いなと思ったらなしになっていったので。それを繰り返していった結果かなとは思います。作っていて飽きちゃうとダメなんですよね。あとは、今はリリースする曲をスタッフと一緒に決めているので、周りの意見も参考にしながら、よりみんなが聴きやすいものにというのは重視しています。ある程度売れたら好き勝手にやっていいかなっていうのはあるんですけど(笑)。今はまず、たくさんの人に聴いてもらえるようにというのは大事にしていますね。
──ちなみに、ばななあいすさんがpeanut buttersの入口になった曲、最初に引っかかった曲はどの曲でしたか。
ばななあいす 最初は「ツナマヨネーズ」という曲でした。明るい曲調がめっちゃ好きで。
ニシハラ 「ツナマヨネーズ」はたくさんの人に聴いてもらう曲になったんですけど、作ったときは、どういうところがウケているのかがわからなくて。あの曲はコード弾きをしたくなかったんです。ドラムスとかが好きだったのもあって、単音のギターフレーズでいきたかったんですけど、ちょっとコードを入れないといけないかなって感じで、サビとかにしょうがなく入れたものだったんですよね(笑)。そういう思い出がある曲で。
ばななあいす (笑)。
ニシハラ 未だにどういうものを出せば引っかかってくれるのかっていうのはなかなか掴めていないんですけど。いろんな曲調を試してますね。
──ばななあいすさんを迎えた新体制となって、今制作の真っ最中とも聞いていますが、新曲はどんな感じになりそうですか
ニシハラ ばななあいすさんがボーカルとなって最初にリリースする曲は、広く、みんなが聴きやすいものがいいなと思っていて。自分の音楽の入り口がそうだったのもあるんですけど、結構作る曲が90年代のオルタナ系のものになっていたりもしますね。もう新曲のレコーディングは終えているんですけど、またいろいろな曲調で作ってみたいなとも思っているところです。
ばななあいす 私はレコーディング自体が初めてだったのでとにかく緊張していたんですけど、楽しくできました。
──6月18日(火) の「新体制peanut butters初ワンマンライブ“500円で観れマッスル〜1drink別〜」でその新曲が聴けそうですかね。ばななあいすさんにとってはpeanut buttersとしての初のワンマンライブとなります、どんなステージにしたいですか。
ニシハラ もちろん新曲もやる予定です。今回はたくさんの人に観てもらいたいということで、チケットを500円にしているんです。ワンマンライブで時間もたっぷりあって、普段の倍くらいの曲数ができると思うんですけど。まだ(インタビュー段階では)それだけの曲数をバンドで合わせたりしていないので──とはいえ時間もあまりないので、頑張りたいなというところです。
ばななあいす すでに、めちゃくちゃ緊張しているんですけど。ワンマンってpeanut buttersのことが好きで、peanut buttersを観にきているお客さんしかいないので、楽しんでもらえるライブにしたいなと思ってます。
<ライブ情報>
新体制peanut butters初ワンマンライブ「500円で観れマッスル💪〜1drink別〜」
2024年6月18日(火) 東京・下北沢Shangri-La
開場18:15 / 開演19:00
チケットはこちら
https://w.pia.jp/t/peanutbutters/
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