Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 「中村雅俊芸能生活50周年記念公演」中村雅俊・久本雅美・田中美佐子が意気込みを語る

「中村雅俊芸能生活50周年記念公演」中村雅俊・久本雅美・田中美佐子が意気込みを語る

ステージ

インタビュー

チケットぴあ

左から)久本雅美、中村雅俊、田中美佐子 (撮影:源賀津己)

続きを読む

フォトギャラリー(5件)

すべて見る

中村雅俊が1974年のデビューから、今年で節目の50年を迎える。明治座にて6月2日(日) より二部構成の『中村雅俊芸能生活50周年記念公演』を開催! 第1部では、中村の故郷・宮城県を舞台にした音楽劇「どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~」を上演し、第2部はライブステージ「MASATOSHI NAKAMURA LIVE -look back with smile, look ahead with pride.-」を行なう。中村雅俊、第1部の舞台に出演する久本雅美、田中美佐子の3人が公演に向けた思い、そしてこの50年の思い出を語ってくれた。

――今回の舞台で楽しみにされていることを教えてください。

中村 俺は何かしら過去に共演したりしている人も多いし、美佐子ちゃんは91年(『結婚の理想と現実』)、92年のドラマ(『しあわせの決断』)で夫婦役をやっていて、『しあわせの決断』のほうは双子の姉妹の二役だったよね?

田中 奥さんと双子の妹をね。

久本 舞台での共演は初めて?

中村 初めてだね。でも人となりは知ってるので覚悟してますけど(笑)。知っている人と一緒にお芝居するって、どういう化学反応があるか楽しみですね。

田中 私はドラマで共演させていただいて、雅俊さんのことはよく知ってはいると思いますけど舞台では初めてだし、雅美さんや他のみなさんも全員初めてなんです。そこでどんなものが生まれるのか? 実力派の方たちの芝居を近くで見られるのも楽しみです。

久本 私もコロッケさん以外は初めてご一緒させていただくので、どういう形でセッションして、化学反応が生まれるのかとっても楽しみです。バラエティではちょこちょこお会いしてるので、人柄はよく知っていて、居心地は良いんですよね。みなさん、それぞれに良いものを作ろうって思いもあるし、雅俊さんを盛り上げようという思いにあふれているので、そこでそれぞれの良さが出て、お客さんに喜んでいただけたらいいなと思っています。

――田中さん、久本さんは、中村さん演じる星川誠に深く関わる女性を演じられますが、どのような役柄なのか教えてください。

田中 私は残念ながら雅俊さん以外の方とのからみがほとんどないんですけど、雅俊さんとはこれまで、夫婦役をやっていて、普段の姿も知っているし、楽しい思い出しかないんですよね。2人の仲が良くないと軸ができない気がするし、ちょっとしか出てないけど、そこで仲の良いところを見せて、お客さんがにっこり笑って見ていられる感じでなじめたらと思っています。

久本 私は(中村演じる主人公・星川誠に)秘めた想いを抱きつつ、(星川誠が別の女性と結婚したことを)引きずりながらも「何とか助けたい」という思いで戻ってきて、看板娘としてお役に立ちたいと思っている役どころなんですね。看板娘というところを元気はつらつと演じつつ、秘めた想いとのギャップも出せればと思っています。

中村雅俊

――中村さんにとって、デビューしてからこの50年ってあっという間でしたか? ふり返ってどんな半世紀でしたか?

中村 ふり返ると短く感じるのが常ですし、時間の塊でしかないというのはありますけど、でも、あるところにフィーチャリングして見てみると、そこからいろんな思い出がどんどん出てきて「あぁ、そういえば…」みたいなものがあって、そういうのを楽しんでいる部分はありますよね。

デビュー当時はまだ大学生で、あの頃は1万円のアパートで暮らしてて……そういえばデビュー作の教師役で主演をさせていただいた『われら青春!』というドラマは、TVが自宅になかったので、近所のとんかつ屋で第一回目のオンエアを見て「やっぱりTVないとダメだろ」と思って2回目のオンエアの前に買ったんですよ。

そういう思い出がいっぱい出てきますね。デビューして10年くらい、ずっと同じプロデューサーと仕事してたんですよ。いわゆる青春ドラマで、脚本家も監督も同じだから、温室育ちみたいな感じで甘えちゃって遅刻ばかりして…(苦笑)。

あっという間だったなという思いもありますね。デビューした頃は50年先どころか1年先のことも考えてなかったんですけど、その繰り返しで50年が経ったんだなと感慨深いものがありますね。

デビュー3年目『俺たちの旅』で訪れた転機!

久本雅美

――ご自身の中で転機となった作品や出来事はありますか?

中村 意識が変わったのが『俺たちの旅』ですよね。大学生の頃から文学座にいて、(文学座の先輩である)松田優作さんと刑事ドラマ(『太陽にほえろ!』にゲスト出演)をやったり、学校の先生役をやったりして、自分の中ではあまり自覚がなくて学生気分のところがあったけど、『俺たちの旅』をやった時に「こんな考えでやってちゃダメだ」という気持ちになったんですよね。

久本 デビューして何年目の頃ですか?

中村 3年目かな。デビューして3年が経って「俺はこの世界でやっていくんだぞ」という気持ちになったんですよね。

田中 いきなりスターになっちゃったからね。(ドラマがオンエアされて)次の日にスターになった感じだったもん。

中村 本当にね。デビュー作が主役で当時、先生役は歌を出すって決まってて、それがいきなりオリコンで1位になっちゃって…。

久本 どの曲ですか?

中村 「ふれあい」です。

久本 それが「ふれあい」でしたか!すごい!でも、なんでデビュー3年目に「このままじゃいけない」って思ったんですか?

中村 自分の甘えがね。優作さんにもよく言われたんですけど、歌を出すことになって「シュン、お前、役者ってのは歌なんて歌うもんじゃないんだよ」って。

田中 全然違うタイプだもんね。

中村 そのくせ、自分も出すんだけどね(笑)。でも何かと俺に干渉する人だったんだよね。

田中 うらやましかったんじゃない?

中村 いやいや、そんなことはないと思うけど、文学座の先輩でマネージャーも一緒だったということもあったからね。

久本 かわいかったんだと思いますよ。

中村 でも『俺たちの旅』をやって、それが思いのほかヒットした時、「このままじゃダメだろう」みたいな、甘えた学生気分じゃいけないなと思ったんだよね。

久本 メチャクチャ感動して見てましたよ。

中村 あのドラマは俺にとっては試行錯誤の連続で、プロデューサーにとっても試行錯誤だったんだよね。それまで大学生を主役にしたドラマって、あまり当たってなかったんですよね。このドラマはどういうドラマなのかがわからないというところが多くて、そこで苦肉の策として出てきたのが(各話の最後に登場する)詩だったの。

久本 ノートに書き写してためてた! 「友情とは」とか「仲間とは」とか名言ばかり。

中村 「これはこういうドラマです」と補足するためだったの。

久本 でもデビュー3年目で「このままじゃいけない」と思ったけど、その後も遅刻してたんでしょ(笑)?

田中 私と共演した時もしてた(笑)。

久本 計算が合わないんだよね(笑)。

中村 ……(苦笑)。

田中 芸能界って遅刻は絶対に許されない場所なのに、なぜか雅俊さんは許されちゃうんですよ。「あぁ、雅ちゃん、また遅刻なのね」って(笑)。みんな怒らないのよ。

久本 腹立つわぁ…(笑)。

田中 「俺、まだ(酒が)抜けてないんだよ…」なんて言いつつ、でもセリフはちゃんと入ってるしね。怒る気にもなれないのよ。

久本 人柄が良いからですよね。

中村 そんな毎回じゃないですよ(笑)。

田中 現場がすごく楽しかったから、夜中まで撮ろうが別にいいやって感じだったし、主演で忙しくてストレスもあるだろうから、飲みに行きたくなるのもわかるし、朝来なくても「昨日、飲んだんだろうな」って。

久本 みんな優しいなぁ。でも、ひとりやふたり、本当は腹立ててた人もいたと思う(笑)。

中村 いたでしょうね。申し訳ない(笑)。

久本 いま、若い子が遅刻して来ても大丈夫なんですか?

中村 というか、遅刻してくる人っていまはいないよね。

久本 というか、みんな「芸能界では遅刻はダメ」って叩き込まれてるから(笑)!

田中 雅俊さんの周りにつくスタッフさんもみんなおおらかなんですよ。「みんな、いけますか? じゃあ始めましょう」みたいな感じで。人柄だね、やっぱり。

久本 人柄だ。でも私に言わせると、最低だな(笑)。

中村 本当だよね(苦笑)。デビューしてずっと一緒のスタッフで、飲みに行くのもスタッフたちとだったし。

久本 家族みたいになっちゃったんですね。

中村 当時、スタジオが近かったから、スタッフがよくウチにも遊びに来てたのよ。途中でプロデューサーから「雅俊の家に行くの禁止令」が出たからね(笑)。

田中 でもね、撮影本番になるとすごかったですから。

中村 当時は忙しかったね。いまみたいに1クールで、あとは休めるって感じじゃなくて、半年とか1年とかやってて、こっちが終わりそうになると、また別の番組が始まるようなスケジュールがずっと続いてたから。

久本 あの頃は本当にアイドルだったもん。芸能雑誌にポスターや独占インタビューがあって。

「俺の予定になかった」歌手デビューが人生を変えた!

田中美佐子

中村 あとは、さっきも話にあったけど、歌も歌うようになったのは、俺の人生をずいぶん変えたなと思いますね。普通に役者でデビューして、「歌う」というのは自分の中でも予定になかったんでね。俺は7→5代目の先生役だったんだけど、その前の村野武範さん(『飛び出せ!青春』)や竜雷太さん(『これが青春だ』)も歌ってたので、俺も歌うことになって「ふれあい」を出したら売れちゃって、コンサートをやることになり、そこからずっと歌うことになったのよ。

田中 結果として、歌は合ってましたよね。

中村 そうなのかもね。

久本 前から自分で音楽はしてたんですか?

中村 高校の頃からね。俺らの時代はみんな四畳半でギターを弾いてたから。大学の頃、曲を作るのが好きで80曲くらい作ってるの。「ふれあい」の次のアルバムの時は、レコーディング・ディレクターに俺の曲を聴かせてくれって言われて結局、俺が大学時代に作った曲なの。

久本 めっちゃ才能あるじゃないですか!

田中 売れたんですか?

中村 2位まで行ったよ。でも、まあそれは勢いでね(笑)。でも今度、50周年記念の4枚組のCDを出すんですけど(中村雅俊 4枚組オールタイムベスト盤『SONGS~Masatoshi Nakamura 50th Anniversary All Time Best~』5月29日発売)、そのうちの2枚は「ファンが選ぶベスト30」で、あとの2枚は俺が作った曲なんです。

久本 すごい!

中村 いやいや、ものすごく地道に作った曲なんですけど…。

田中 明治座で売る時にブロマイドを付けて売りましょう! 私、受付に立ちますよ(笑)!

久本 元女房としてね(笑)。

――明治座の話が出ましたが、今回の音楽劇「どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~」は中村さんの故郷の宮城県を舞台に展開します。この物語への思いを聞かせてください。

中村 喜劇だと感じる人も多いと思いますが、根底には東日本大震災というものがテーマとしてあって、震災との戦い――そこから復興した街、そこで暮らす人々のたくましい戦い、人間模様が表現されています。

俺が演じる主人公は星川誠というんですが、星川誠を演じつつ、最終的には中村雅俊と一致するような物語になるんじゃないかと思っています。

取材・文:黒豆直樹
撮影:源賀津己

<公演情報>
明治座「中村雅俊芸能生活50周年記念公演」

公演期間:2024年6月2日(日)~18日(火)
会場:明治座

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/masatoshi-50/

フォトギャラリー(5件)

すべて見る