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務川慧悟が初のソロ・リサイタルツアーを開催

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務川慧悟 ©Yuji Ueno

務川慧悟が8月に全国5か所で初のソロ・リサイタルツアーを開催することが決定した。

務川は、フランスと日本を拠点に活動するピアニスト。昨年には反田恭平(指揮・ピアノ)と2台ピアノコンサート・ツアーを開催。過去にはサントリーホールでオール・ショパン・プログラムを、浜離宮朝日ホールで五夜連続演奏会を開催し、いずれも高評価を集めている。

初のソロ・リサイタルツアーでは、プログラムの前半にバッハとベートーヴェンを、後半にはショパン、フォーレ、そしてプロコフィエフを取り上げる。

【リサイタルに寄せて】 務川慧悟

僕にとって初となる、正式な“リサイタルツアー”と呼べるであろう一連の公演を、8月にさせて頂きます。

前半に置きましたのは、まさにクラシカルで王道の2作品。ですけれど、こうした作品はだからこそ大舞台で取り上げる勇気を得るまでに時間がかかり、長い間、自分の中でのみ温めていたわけでありました。しかし、自分も30代に入り、ピアニストとしての変化を様々にそして“良い意味で”感じる中で、そろそろ思い切ろう、と心を決め、皆様の前で演奏することを決意した次第です。

後半には一つのテーマがあります。「死」です。まず、人生の到達点のようにも思えるショパンの幻想ポロネーズを意図的に冒頭に置き、続いてフォーレのノクターン第8番と最後のノクターン(第13番)。これらの音楽は、きっと死と非常に近しいところにあるのでしょうけれど、だからこそ僅かな見出される光の筋が、深き底から、叫びにも似た切実な輝きを放っています。「生きたい」ということと、その諦めとの狭間にある音楽です。対して、最後に演奏するプロコフィエフの若く野心的なソナタ第2番からは、むしろ死などというものは何も怖くない、物怖じせず破壊へと向かってゆく精神を感じる。つまり、世を知る者による晩年の音楽に生への執着があって、若き音楽にむしろ死をものともしない破壊が見られるというのは、なかなか興味深い逆説ではないか、と、僕は時々思うのです。

どの作品も、もちろんまず純粋に音楽として、素晴らしいものですが、同時にそれらの音を通して、この公演が上記のことにも何らかの考えを巡せて頂くきっかけとなれば、と思っています。

務川慧悟
ソロ・リサイタルツアー

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2451545

8月16日(金) 14:00開演
愛知・豊田市コンサートホール

8月17日(土) 14:00開演
福島・国見町観月台文化センター

8月22日(木) 19:00開演
東京・サントリーホール

8月24日(土) 14:00開演
大阪・いずみホール

8月25日(日) 15:00開演
長野・駒ヶ根市文化会館

J.S.バッハ パルティータ第 1 番 変ロ長調 BWV825
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第 17 番 ニ短調「テンペスト」作品 31,No.2

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ショパン ポロネーズ第 7 番 変イ長調「幻想」 作品 61
フォーレ ノクターン第 8 番 変ニ長調 作品 84-8
ノクターン第 13 番 ロ短調 作品 119
プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第 2 番 ニ短調 作品 14